ダイとアッコのラジヲ時間 Ⅰ
深夜不定期に放送される架空のラジオ番組「ダイとアッコのラジヲ時間」
の放送後記。
パーソナルティのダイさんとアッコちゃんが、リスナーの皆さんから寄せられたメッセージを拝読します。
ダイ さ、１１時を回りました。
ここからは、皆さんから届いた、お便り
を紹介していきます。
アッコ はいっ
ダイ 今週のメッセージテーマ…！
「私は、この曲で恋を乗り越えました」
ダイ やっぱり恋愛に音楽はつきものですか
らねー。
アッコ うんうん。
ダイ 僕も何曲か、思い出の曲があるけど、
イントロを聴いただけで、こうグッと
きちゃうというか、
アッコ えッ？ダイさんもそんな経験あるんで
すか！？
ダイ あのね、僕もいい大人ですよ。そうい
う経験一つや二つくらい、
あったような、なかったような……。
アッコ どっち笑
ダイ ま、ぼくの話はいいとしてですね、
アッコ なんでよ笑
ダイ みなさんの、失恋したときの気持ちを
慰めてくれた音楽、恋を後押ししてく
れた音楽、勇気づけられた音楽、教え
てください！
アッコ 教えてください！
ダイ えー、それでは早速、ラジオネーム、
「ハニ・ハニ・ハニー」さん。
アッコ ハニ・ハニ・ハニーさん。
ダイ 「ダイさん、アッコさん、こんばん
は。」 こんばんは～。
アッコ こんばんは！
ダイ 「私の思い出の曲は、ジョン・ダニエ
ルの、“Don’t Wana be allAlone”です。」
アッコ ほうほう、ジョン・ダニエル。
ダイ
「１０年ほど前、私は大学を卒業し大手の商社に就職しました。 入社してすぐ、経理部に配属になったのですが、当時30人ほどいた新入社員の中で、経理部に配属されたのはまさかの私たった一人。不安で胸がいっぱいのまま研修に入りました。その時に、新人教育を担当していたのが三つ上の男性社員でした。その人は、緊張する私を気遣ってか、とても優しく接してくれました。周りの社員からも慕われ、仕事が早い、と評判の人で、でもたまに鈍臭いところもある人でした。その人と共に時間を過ごすうちに、気付けば、淡い、恋心のようなものが、生まれていました。
研修も終盤にさしかかったある日、その人が何気なく言いました。
「これでもう一人でもできるね。俺実はもうちょっとでいなくなっちゃうからさ。後は、頼むよ。」
その人は、その年の冬で退職が決まっていたのです。
それを知った瞬間、私の中の淡い恋心のようなものの正体がハッキリと分かりました。私は間違いなくその人のことが好きでした。
しかし、私は結局その人には思いを告げられぬまま、冬を迎え、その人は会社を去って行きました。 ある日、車のラジオから流れきたのがこの曲です。 “Don’t Wana be all Alone” 一人にしないで。 ジョンのハイトーンボイスに乗せて歌われるこの歌詞が、その時の私の気持ちを代弁していました。 それ以降私は繰り返し繰り返しこの曲を聴きました。 １０年たった今でも、この曲をきくと、当時のことが鮮明に蘇ります。“Don’t Wana be all Alone”ひとりにしないで。
どうか、お元気でいてください。
その人のことを思い浮かべながら、今でもそう祈っています。」
アッコ …………。
ダイ どうしたの天井見上げて。
アッコ ダイさん、わたし切ない。
ダイ 切ないよねー。これ、冬っていうのが
たまらないよね。
アッコ 冬の寒さは、誰かを求める気持ちを大
きくしますから。
ダイ 確かに。あとはやっぱり僕もジョン・
ダニエルは世代だからよく聞いたけど
さ、彼の声がね。
アッコ エロいのよ。
ダイ エロい（笑）。低音でちょっとハスキ
ーでさ、ちょっと古い車の
カーラジオで聞いたら涙ちょん切れる
ね。
アッコ ちょん切れる（笑）。
ダイ ちょん切れるでしょう？
アッコ うんうん。ちょん切れる。素敵なお便
りだ。
ダイ ハニ・ハニ・ハニーさんありがとうご
ざいました。
アッコ ありがとうございました！
ダイ さ、もうすぐお別れの時間も迫って参
りました。最後に一曲いきましょう
か。
アッコ はいっ。じゃあ、ここはやっぱり、ジ
ョン・ダニエルですか？
ダイ もちろん。それではジョン・ダニエル
で“Don’t Wana be all Alone”
お聞きください。
アッコ ダイとアッコのラジヲ時間では皆さん
からのお便りお待ちしてます。
ダイ 気軽に送ってね～
アッコ 送ってねー。
♪ “Don’t Wana be all Alone”