インスタントフィクション「12月」
作・高山遥
夕方には顔を出すと言っていたのに、結局あいつは来なかった。
タイムカードを押して店を出る。
西から吹く風が冷たい。
レポート課題の締め切りを思い出した。
ため息をつく暇もない。
コンビニに寄って暖かい飲み物を買う。
レジに並ぶ。
開いた財布の中には、今朝祖父から貰った一万円が。
「これでうまいもんでも食え」なんて言いながら渡されたけど、正直使い道に困る。
コンビニを出てしばらく歩くと駅前の大きな交差点に出る。
街はキラキラして浮かれているけど、明日になればまた