高校時代の自分へ
まず16歳の自分へ。
まだ精神科のお世話になる前の君は夢に溢れていたね。
色んな資格を取りたい、作家になりたい、あとはもう覚えてないけどとにかく並レベルの(とはいえちょっと特殊な高校ではあったが)学校とはいえ成績も優秀だったね。
でもごめん、君が取りたかった資格はなにひとつ取れなかった。代わりにアロマ1級と紅茶中級という就職にはなんの役にも立たない検定に合格しただけだ。今の私にはそれは悪いことではないが、君が欲しがっていたものとはだいぶ違うよね。
作家にもなれてない。ただ、素人とはいえ詩や都々逸、ブログという形でエッセイ的なもの、ほぼ読まれていないが小説のリハビリも始めたよ。少しだけ許してくれるかな。
頭は人並みらしいよ。前受けたWAISによるとね。また受け直すけど数値は出ないんだって。多分また人並みって言われると思うから賢かった君には不名誉だろうけど勘弁してね。
そして17歳の自分へ。
いきなり精神病を発症して苦しかっただろう。持っていた夢を全部といっていいほど打ち砕かれて、症状のせいで学びたかったこともまともに学べずさぞかし悔しかっただろう。君の苦しみ、悔しさは今でも腕にしっかり刻まれているよ。それでも生き延びてくれてありがとう。
君の書いた詩は、あの時の君にしか書けない鋭いものだったよ。今でも君が残してくれた作品は大事な宝物、子どもだと思ってる。
それから18歳の自分へ。
散々苦しみながらよく高校を卒業して、大学に入学したね。頑張ったね。
成績も薬が効いたおかげか多少盛り返すことができたね。本当によく頑張ったよ。
その後、大学は中退してしまうことになるけど受験の時に書いた小論文の着眼点は素晴らしいものだったって、試験官の教授たちにも絶賛されたし自分でも誇らしく思えるものだった。
最後に、3年間通しての自分へ。
沢山頑張った君たちの努力、全部ぶっ壊すようなクズな大人になって本当に、本当にごめん。
金遣いは荒いし男癖もめちゃくちゃ悪かった時期もあるし、一人暮らしはしてるもののずっと自立できないでいてごめん。
許してもらえるとは思ってない。許してもらおうとも思ってない。
でも、いつか君たちが頑張った結果を、なんらかの形で実らせるから。もう40超えたけどどうにか何かの形にするから。
こんなダメなおばさんをもう少し、見守っててくれよ。
とりあえず君たちが死ぬつもりだった歳の倍以上生きちゃったからさ。責任は取らせてもらうよ。