ラブコメ映画は笑えない!? ラブコメ映画の「恋愛」と「笑い」の配分はどうなっているんだ問題
ラブコメ映画はお好きですか?
今でこそ「社会派ドラマ」をしたり顔で見ている私ですが、映画(特に洋画)を好きになったきっかけは、何を隠そう「ラブコメ」です。
登場人物たちが恋愛の何やかんやで泣き笑いする「ラブ(恋愛)」と「コメディ(笑い)」(だけ)の映画で、洋画のジャンルでは「ロマンティックコメディ(通称ロマコメ)」とも呼ばれます。
ラブコメ映画は、主人公たちが恋に翻弄される姿にツッコミを入れたり大笑いしたり、ちょっと自分を重ねてみたりしながら「恋愛っていいよね」「恋がしたいよね」という気持ちが沸き起こってくる、という素晴らしい効能がある一方、さまざまな問題があることがわかってきました。
「ラブコメ映画」の「恋愛」と「笑い」の配分はどうなっているんだ問題
ラブコメ映画の本幹は「恋愛と笑い」です。いや、「恋愛における笑い」でしょう。真剣に愛すれば愛するほど、妙な勘違いをしてしまったり見栄をはったりしてしまう。そんな心が引き起こす出来事のなかに「笑い」があります。
「ラブコメ映画」は意外と笑えない!?
ラブコメ映画における恋愛と笑いの配分ですが、「8:2」せいぜい「7:3」といったところでしょう。ラブコメ映画ではそれほど笑えないのです。
ところどころ登場人物たちが見せる表情やオモシロい言い回しに「クスっ」となることはあっても、「クスっ」と止まりです。笑わせようとしているセリフはスベリがちで、かえってモヤモヤしてしまいます。
「ラブコメ映画」の「笑い」はオモシロさだけではない
いい関係になりかけの男性が、自分を笑わせようと頑張って放った一言が全然面白くなかったー、そんなときどうしますか?とりあえず「作り笑い」なりなんなりしますよね。
それです。ラブコメ映画で笑えない感覚はそれと同じです。
恋愛って冷静に考えるとこっ恥ずかしい要素だらけで、そこが笑いにつながるのですが、よくできた映画ほど登場人物に感情移入してしまい素直に笑えなくなってしまいます。笑いと同時に「恥ずかしさ」や「情けなさ」といったリアルな恋愛でも味わう複雑な感情が入り混じって、オモシロいのかなんなのか分からない。気がつけば「泣き笑い」です。
「ラブコメ映画」は恋愛の疑似体験
ラブコメ映画を見ていると、嬉しくなったり、恥ずかしくなったり、イライラしたり、ムラムラしたり様々な気持ちを味わいます。これこそがラブコメ映画の醍醐味で、いわば一種の疑似恋愛です。
ムリに笑わそうとか、笑おうとか、そう思わなくても紆余曲折を経てたどり着いた結果(ハッピーエンドに限らず)に「これで良かったんだ」と思いホッとしてしまう。ホッとしたついでに、自分のこっ恥ずかしい恋愛体験も笑いに変えてしまう。
それがラブコメ映画の究極の楽しみ方なのかもしれませんね。