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【神田カレースタンプラリー(25)】キッチンカロリー本店

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2024年10月下旬

昼休み20分前くらいに、社内連絡用チャットで「今日ランチ行きませんか?」とメッセージが来た。
私が密かに憧れている1年以上先輩の派遣さんである。
即答で「是非行きましょう」とお返事した。

こちらの先輩派遣さんは、私の中で職場のファッションリーダー的存在で、いつも勝手ながら目の保養をさせていただいている。
白い肌、黒髪ボブがミステリアスな雰囲気を醸し出している、おしゃれな先輩。(以下:ボブ先輩)

そんな憧れのボブ先輩、時々私のことを褒めてくれる…!
履いているスニーカーや、セルフで塗っているネイルの色など、何か見つけて褒めてくれて、私はその度に嬉しさと恥ずかしさでナメクジのようになってしまう。

ボブ先輩とランチに行くのは初めてではない。
つい最近、席の近い社員さんと、ボブ先輩を含む派遣さん数名でランチに行った。
私はナメクジ化する恐れがあったのでボブ先輩とは離れた席に座ったが、ボブ先輩が私に話を振った時に多分ナメクジになってたと思う。

昼になり、示し合わせてオフィスを出る。
神田カレーグランプリに挑戦していることを先のランチで話してあったので、ボブ先輩はお店は私に合わせると言ってくれた。

駿河台下の三角地帯にある1軒のお店に狙いを定めた。1組待ちがあったが、2人で喋っていたらすぐ座れるだろうとその後ろに並ぶ。

ボブ先輩はそこで並んでいる間、今欲しくて悩んでいる靴の候補について私に話してくれた。
結局ボブ先輩が行き着いた結論は、「〇〇さん(私)が履いているスニーカーがやっぱりかわいいから自分も買おうと思う」というもので、予想外の展開に悶絶。
「是非おそろいにしましょう!」とご返答した。

ここで初めて、思ったより長時間並んでいることに気づき、別の店に変更。
すぐ片付けます!と言ってくださったのが「キッチンカロリー本店」であった。

「キッチンカロリー本店」はとてもレトロな店構えの洋食屋さん。
入り口のガラスケースには、時が昭和で止まってるみたいな食品サンプルメニューが並んでおり、どれもボリューミー。
「カロリー」という店名は、もちろん「高カロリー」という意味なのだろうか。

どれを食べるか悩みながら待ち、少しすると店内に案内された。
店の中は程よい薄暗さで、私の大好きな純喫茶風。とても古いお店のようだ。
私たちが通されたのは1階の席を抜けた奥にある階段を下りた地下の部屋で、大変ほっとする雰囲気だった。
客層は男性が多めだったが、読書をしながらゆったり食事をしている女性のお客さんもいた。

私は「米沢豚のロースカツカレー」、ボブ先輩はキッチンカロリー名物「カロリー焼」にハンバーグとカニクリームコロッケがセットになった「ジャンボ鉄板焼」を注文。

まずはすぐにサラダが出た。
マカロニが入っていてポイント高い。

次に味噌汁が出た。
味噌汁のことはあんまり覚えていないが、ここで料理を運んできてくれる店員さんが癒し系の妖精(?)だということに気づいた。

2人掛けのテーブルは狭く、カトラリーケース、2人分のお水、サラダでもういっぱい。
そこに味噌汁を置いて、もうすぐメインの料理がくる。
置けるのか?と心配になる私たちをよそに、「大丈夫ですよ、大丈夫ですよ」と繰り返し唱えながらテーブルの上の配置を巧みに動かして味噌汁を収めた店員さん。

食べ終えたサラダのお皿は「大丈夫ですよ」と瞬時に下げられ、ちょうど良いタイミングで「大丈夫ですよ、大丈夫ですよ」とメインが運ばれてきた。

米沢豚のロースカツカレー(手前)、ジャンボ鉄板焼(奥)

こちらが運ばれてきた米沢豚のロースカツカレー。
テーブルからはみ出しつつも、ちゃんと収まった。
ちなみにお水は空いていたとなりのテーブルに「大丈夫ですよ〜」と移動された。
そっか、大丈夫なのだ。

カレーはカツの乗ったライスと、ルーで分かれていた。
私はこのようなグレイビーボートでカレーが来た場合、ちびちびやらずに最初に全部ライスにかけることにしているのだが、今日はカツカレーなので、まずは部分的にかけて、カツがカレーにかかっている部分とそうで無い部分を両方楽しむことにした。
食べてみると、カツはサクサク。
お肉も柔らかく、美味しいお肉を使っているのが分かる。
カレーも洋食屋さんのコクのあるカレーでとっても美味しい。

途中で妖精の店員さんが何度か現れて、空になったグレイビーボートや空いた味噌汁のお椀を「大丈夫ですよ」と下げてくれた。
お水もこまめに注いでくれた。

実は最初席に座った時、既に昼休みを半分くらい過ぎていたので、時間内に食べ終えてオフィスに戻れるか若干の緊張感があった。
それが度々もたらされる「大丈夫ですよ」の呪文のおかげですっかりリラックスした時間を過ごすことができた。

ボブ先輩とは、気になる靴の話以外にも、この会社で働く以前の話や好きなテレビの話など、いろいろなお話ができて嬉しかった。
充実した時間を過ごし、昼休みの時間内にちゃんとオフィスに戻れた。大丈夫だった。

自席に戻ってから、あの「大丈夫ですよ」は誰に言っていたのかと考えた。
お客さんに言っていたのか、自分に言っていたのか。
忙しいランチタイムに「大丈夫ですよ」と唱えると脳から優しい物質が分泌されるのかもしれない。
客としても、優しい暗示をかけられているようでとても良かった。
私も「大丈夫ですよ」って言いながら仕事をしてみようかな。



この日ランチしたお店

キッチンカロリー駿河台下本店

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🍛神田カレーグランプリ キッチンカロリー駿河台下本店

【いただいたメニュー】
米沢豚のロースカツカレー 1150円

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