女のケツは‼︎‼︎…触らねェ‼︎‼︎‼︎
これは、ワンピースの黒ひげの台詞ではありません。私が乗車した夜の普通電車でのヤバいおじさんの叫び台詞です。
一駅、また一駅と通過するごとに、おじさんは「俺は女のケツを触らない」ことを主張し続ける。同じ台詞の繰り返しで周りの関心も少しずつ消えて無視されるようになってくると、物語はグランドライン後半の海へ。
おじさんは近くにいたサラリーマンの男性に横に座れと言って、その男性は応えて大人しく座った。
皆さんなら、座りますか?
もし座った場合、ずっとおじさんの話を横で聞く必要があるし、時には相槌も要求されかねない。
また周囲の人にも、友達?なんて疑われてでもしたらひとたまりもない。
しかし座らなかった場合、オジサンの怒りの矛先は自分に向かうかもしれない。面倒だ。
どちらにしろ面倒なこの2択に悩んでいる間に、おじさんの最後の主張が始まった。
「俺は男として、48年生きてきて、女のケツなんか触るわけあるか!」もしかして童貞か?と匂わす発言を添えて、「俺は悔しいよ!」「何が悔しいかって?」「俺が痴漢したって言う女が俺の席の目の前座ってるだよ!!」「目の前の金髪の女ァ!」
''悲劇''
たしかにこのおじさんの一つ前に金髪の女の子が座っていた。全員が彼女を見た。彼女は聞こえないフリをしていたが、焦っていることは表情と姿勢ですぐに伝わった。
笹原駅。「俺は悔しいよ!!!」と連呼しながらおじさんは駅を降りた。その際、おじさんは巾着のようなものを落とし、すれ違いに乗ってくる女性がその巾着を拾い、「落としましたよ」といっておじさんに渡して、おじさんは無愛想に受け取った。巾着は麦わら帽子には成れなかった。
私は次の南福岡でこの船を降りた。