見出し画像

LBOファイナンス:急増する市場とその背後のリスク


1. LBOファイナンスとは?

LBO(Leveraged Buyout)ファイナンスは、大きな会社が他の会社を買収する際に、その買収対象の資産を使って資金を借りる方法を指します。
ちょっと難しいですが、例えば、友達から自分の家を購入する資金を借りるとき、その家自体を担保にするのと似た感じです。
つまり、少ない自己資本で大きな資産を買収できるため、投下資本に対するリターンが高まります。もし買収後の企業がうまく経営され、高いキャッシュフローを生み出すことができれば、そのリターンは自己資本だけで買収した場合に比べて格段に高くなります。

2. 市場の現状

2022年度では、約1兆5000億円ものお金がLBOファイナンスで動いています。これは、10年前の約2倍!すごい伸びですよね。地方銀行も参入を増やしており、競争が激化しています。

3. なぜ今、日本でLBOファイナンスが注目されるのか

日本の企業は、効率的な経営を求められています。
そのため、収益性の低い事業は切り離し、高いものに投資する動きが強まっています。
例えば、日立製作所は自社の主要事業から外れる、いわゆる「非中核」な部門や子会社の売却を進めてきました。具体的には、日立化成や日立金属、日立物流などの企業を売却しています。
これにより、事業の集中度を高めることで収益性の向上を図るとともに、新たなビジネスチャンスに挑戦するための資金を確保しています。

4. 銀行の対応:大手から地方へ

みずほや三菱UFJ銀行などの大手銀行は、LBOファイナンス市場での強い存在感を持っています。しかし、地方銀行もこの市場に積極的に参入してきており、横浜銀行などがその例です。

5. 過去の失敗と金融庁の警戒

LBOファイナンスは高い利益を期待できますが、リスクも伴います。例えば、新型コロナウイルスの影響で業績が下がった会社が多数出てきてしまいました。そのため、金融庁は、LBOファイナンスのリスク管理に関する指摘を行っています。

6. コロナ禍での影響

新型コロナウイルスの影響で、外食や結婚相談所、美容サービスなど、多くの業種の業績が下がってしまいました。銀行もその影響を受けており、警戒を強めています。

まとめ
LBOファイナンスは、大きなチャンスとリスクを持った市場です。今後の動向に注目しながら、適切なリスク管理が求められます。

いいなと思ったら応援しよう!