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自分の感覚を信じる勇気

クリエイティブにおいて、個人の感覚は大きく結果を左右させる要因です。個人のセンスはどこまで大事にしていけばいいのか?というのは、クリエイターにとって悩むことが多い部分だと思います。

結論から言えば、何よりも大事にすべきだと思います。

これは、アーティスト・デザイナー・イラストレーター・カメラマンなどなど、様々なクリエイティブ職全般に言えるのではないでしょうか。

ただし、ここで表現する個人の感覚というのは「自分の好き勝手に物作りする」ということではありません。求められている制作に対して、できる限りの「自分の感覚を具現化する」ということです。

今回は私がデザイナーとして独立するまでに、自分自身のクリエイターとしての感覚を信じることができるようになるまでを書いてみようと思います。

何かしらの参考になればいいなと思います。


実は自分の感覚に全く自信が無かった学生時代

そうは言っても、私が本格的にクリエイターの道を目指した当時は自分の感覚やセンスに全く自信がありませんでした。

小さい頃は絵を描くのが好きだったり評価されたりはしていたことで、自分はきっと才能に溢れてるんだ!とよくある勘違いをしていたのを今でもはっきり覚えています。

東京に来て同じ目標を持つ人たちと対峙した際、自分よりも上手い人ってこんなにいるのか!という衝撃を受けたのを覚えています。その影響でデザインの分野において、自分の感覚は優れているのか?という心境になっていました。

美大に進学後は、自信を身につけようと多くの有名デザイナーの作品を調べて世の中で良いとされているクリエイティブを学ぶことで、受け入れられる優れたデザインセンスを身につけようと考えました。

しかし、そうした勉強や授業でのトライアンドエラーを繰り返してみても、なんだかしっくりこない。、、という感覚がずっとあり、何を追求していいのか悩んでしまう時期が続いていました。

トライする度に、大学の教授に「なんでコレ作ったの?」みたいに言われて困ることもしばしば。、、

自分何してんだろう。、、みたいな感覚でずっと過ごしていました。

自分の感覚以前に他人の指示や価値観に翻弄されてしまう日々で、何を信じていいのかわからなくなっていたのかもしれません。

マンネリした中で制作しても何も楽しくはないですよね。

「もういいや」と吹っ切れたのもこのタイミングでした。「自分が本当にいいと思うものだけ作ろう」そう思って、とにかく自分で納得したものしか講義に持っていかないという強烈な信念で向き合ってみたんです。以降の作品は課題だろうと趣味だろうと周りがなんと言おうと自分の思う通りに進めてみることにしました。

そしたら「あれ?楽しい」っていう感覚が戻ってきて、課題の講評でも「すごくいいじゃん!」みたいな結果でキョトンとしてたのを覚えています。

この感覚は、制作する上で今でも自分のベースとして大事にしています。

「自分はこうでいいんだ」という確信みたいなものがしっかり芽生えた気がしました。それからは物怖じせず物づくりと向き合うことができていると思います。

おかげで、卒業制作では自分が憧れていた教授(講義でほとんど褒められたことない)に優秀作品に選んでもらい、評価してもらったコメントをいただけました。

自分を信じて作った作品ですが、その上で自分の目標とする世界の人たちからしっかりとした評価を受けたことは、少なからず背中を押してもたらえた気持ちになりました。

今でも、しっかり自分の感覚と向き合えた学生時代だったなと思います。


社会人デザイナーは全然違った。、、

そうして自信を身につけて社会人になり、大手の制作会社でデザインワークをスタートさせた私でした!

が、ここで改めて思い知らされます。、、

「プロの考え方、全然ちゃうやん。、、」

デザインができるとか、クリエイティブのセンスがどうとか、そんなことでは足りないものがたくさんひしめいてる状態でした。

機器の操作・お客さんとのやり取り・制作スキルの向上・チーム間のコミュニケーション、覚えることやることが溢れていて、自分の感覚ってそもそもどこで使うんだ?なんて感じてました。

今思えば、それでも周りに振り回されず自信を持って突き進めばよかったなと思ったりもしていますが笑

社会人なりたての若造にとって、そのインパクトはとても大きかったんです。

自分はまた何をしたらいいのか分からなくなっている。、、何に自信を持てばいいのか。、、とまた考えるようになっていました。

もしゃもしゃとしていた中で、またもやちまちま考えている時間に対して「もういいや」という吹っ切れた感覚が出てきました。見る人によっては諦めるなよ!って思われるかもしれませんが、私の考えはちょっと違います。自分の進むべき方向に対してしっかりと見切りをつけることを考えたのです。

目の前にある重く分厚い壁をまっすぐひたむき押し続けても、方法次第では一生その場からは動けません。動いたとしても数ミリです。そこで立ち止まって、ちょっと脇道に入ってみれば壁は意外と簡単に回避できて、そのまま走り抜けてゴールできるかもしれないのです。

どんなに目標が高く立派でも、たどり着くまでに大きく道を間違えてしまうと一生を台無しにする可能性もあります。

俗に言う、サンクコスト効果に流されてしまっては本当に大事なものを欠いてしまう危険性があるのです。

たまたま物理的にも退職を考えないといけないことが重なったタイミングもあり、そう思ってからは次のステップにすぐに移行していました。自分の無駄な状態に見切りをつけることを選んだのです。 

その後、自分で仕事を展開したり時間を置いて新たな環境にトライしたり、様々なことに挑戦しました。そうした中で最初に悩んでいた時よりもとても多くの人から必要とされる時間が作れたのです。

仕事において自分が今感じている劣等感や悩みは、その環境内でのことがほとんどだったんだと感じました。仕事の内容にもよりますが、その環境では自信の感覚やセンスもほとんど必要ともされなかったとしても、以降の環境ではとても重要視され多くの結果を残すことができる可能性があるのです。

大切なのは「自分の感覚が間違っている」と思い込むのではなく、「環境に合っていないだけ」なのではないかと向き合うことなんだと思います。

自分が真摯に向き合っている感覚があれば、必ずそれらを必要としている環境があります。それを信じて自分の持っている個性や感性もしっかりと大事にしてあげることは重要なことだと思います。


独立して思うこと

こうした経験を経て、自分自信で仕事をするようになって思うのは、自分の感覚を信じてるために、いろんな環境と向き合ってきたことはとても貴重な時間だったということです。

コレはダメなんだ!コレはいいんだ!という気づきは、おそらく本を読んだり人から聞いたりしただけでは身につかないものだと思います。

自分の感覚を信じていろんな環境に挑んで初めて結果が出ます。そのまま進んでいいものなのか、立ち止まって考えるべきなのか、今ではしっかり判断できるようになったと感じます。



まとめ

いかがでしたか。

人によって、置かれている環境が違う中で正解があるかと言われると難しいですが、私が経験したことからとにかく向き合うこと、その上で自分の感覚を信じてあげることは、クリエイターにとって大きく成長できる大事なマインドだと思います。

誰かに何か言われたから、周りがこうしているから、など気持ちが動かされそうなシーンは多いです。その中で、「自分の感覚で大丈夫!」と強く思えることはともて強いのではないでしょうか。

皆さんも、自分の持っている感覚を強く信じてやり切ってみる機会を作ってみて下さい。

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