心理学でデザインを操る その3
今回も心理学の力を使ってデザインをより魅力的に見せる効果を学んでみましょう!
1.ミルグラム効果
みなさんは、レストランのメニューを見たときに「シェフのオススメ」や「テレビで特集された」などのフレーズを目にしたことがあるでしょうか?
このように商品の価値を上げるようなステータスを頭につけることがよくあるかと思います。こうして、商品に権威性を与えることで、お客さんこの料理に特別感を感じ注文することになります。
このように人間が権威に誘導されることを「ミルグラム効果」といいます。
これは、アメリカの心理学者スタンリー・ミルグラムの行った実験に由来しています。
彼は、参加者を募り「教師役」と「生徒役」に分け、「教師役」にはボタンを持たせて「生徒役」に電気を流すという実験を行いました。実際は、電流は流れず「生徒役」が流れているように演技をすることどの程度ボタンを押し続ける「教師役」が出るのか実験しました。
その際、「生徒役」が無反応になるまでにボタンを押し続けた「教師役」の割合は40人中25人だったそうです。人間がいかに権威に服従する生き物なのかがよくわかるかと思います。
このように権威を強く掲げることでオススメのメニューも売り上げが上がるのです。人は権威によって意思決定の時間を短縮化させてしまっているのです。
こうした人間心理もデザインする中で大きな影響を持っていることはとても興味深いですね。
【ミルグラム効果】人は閉鎖空間で権力者から指示を受けると、非論理的な行為でも服従してしまう。これは販促においても効果がある。
2.イメージキャラクターの設定
商品によっては、内容とあまり関係のないキャラクターがパッケージに描かれていることがよくあります。某携帯キャリアのポイントを謳う鳥や、ケーキ屋さんの前で舌をペロッと出しているキャラクターなど可愛らしい物が多いです。
もちろん、美味しそうなパッケージやインパクトのあるデザインは、見る人の注目を集めることでしょう。しかし、大事なのは単に見てもらうだけではなく、購入してもらいしっかりと売り上げになっていくことが必要になってきます。
消費者側の目線に立ち、良い意味で気になる愛くるしいキャラクターを立てることは、ライバルと差をつけるエッセンスになることでしょう!
最近では、ご当地キャラクターなども多く取り入れられ、地域のブランドイメージだけでなく、キャラクター自身で宣伝ツールとして活動したりと幅広い広告要素を含んでいます。
見る側も、こうした柔らかいキャラクターが出てくることで、安心感や親近感を受け、告知側に良い印象を抱きやすくなります。
こうして商品の認知度を高めるために、愛くるしいキャラクター設定を検討するのも効果的な手段になりそうですね!
3.クライマックス法・アンチクライマックス法
レストランのメニューを見て、最後には期待感が高まっていき高額な商品をついつい頼んでしまうことってありますよね。
このように、レストランでメニューを見ている際にも心理学の力に操作されているのです!
お洒落な雰囲気のバーやレストランで商品を出そうと考えるなら、メインの料理はメニューの最後に掲載する方が頼まれる可能性が上がります。
おすすめのサイドメニューやドリンクなどを眺めながらメニューを進めると、自ずと店への期待感が高まっていきます。最後にメイン料理が掲載されると、その期待感のまま多少高額なものでも心惹かれてしまうのです。
これを、「クライマックス法」と言い、ゆったりとお店の雰囲気を楽しんでもらいたいお店に向いています。
逆に、居酒屋やファーストフード店のように回転率を大事にするお店では、メイン料理屋や人気メニューを最初の目につくところにおくのが効果的です。
お客は少しでも早く料理を口にしたいという心理が働いているので、目に付いたメニューを頼みやすい傾向にあるのです。
このように、推しのメニューを 最初に持ってくることを「アンチクライマックス法」と言います。
お店の売り上げをより効果的に上げるには、こうした心理にアプローチしたメニューを出して期待度を操作することが大切になりそうですね。
いかがでしたか。
こうした、何気ない要素でも自然と人々の心理を操作して購買意欲を刺激していることもたくさんあります。ぜひ、簡単にできるところからアプローチしてみるといいかもしれません。
また、次回の更新ぜひ見てくださいね!
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