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【抄訳】Kaiserreich マイナー・マンデー60 中国のメンテナンス(山西、奉天、湖南)

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山西軍閥

地域統一まで

山西軍閥には強力なバフがある。史実の「十ヵ年計画」で達成した工業成長を反映させた国民精神の効果で、山西軍閥は華北の政治を左右しうる国力を持っている。

しかし今のゲーム内容では、プレイヤーは中国の大部分を占領しても「中原政府」の樹立宣言を好きなタイミングで選べてしまう。史実と同じ外征戦争による疲弊(中原大戦で山西派が崩壊した原因)を再現するために以下の変更を加えた。

  1. 「十ヵ年計画」の強力な消費財バフは、山西派が開戦すると同時にデバフに変わる。

  2. 北京・武漢・南京を領有するか、講和会議で多くのステートを獲得した場合、山西の初期ツリーは強制的に中原政府ツリーに変わる。

  3. 複数の国民精神の補正を統合し、他の軍閥に合わせてボーナスを見直した。

山西派による中華統一の難易度は上がったが、それに見合う追加要素も用意した。

終盤コンテンツ

国民党左派やウクライナなどの後発組に比べると、山西派の終盤コンテンツはやや物足りないように感じていた。そこで閻錫山と馮玉祥の統一後ツリーを拡張し、統一後の軍事NFも増やした。

終盤の政治ツリー
終盤の軍事ツリー(下部)

閻と馮の勝利は架空要素が強いため解釈の余地も大きい。ただひとまずは既存の連鎖イベント(これも若干改修した)を参考に、山西の終盤コンテンツをおよそ1年分追加した。

山西派で中華統一を達成すると、旧北洋政府を好きな形に改革できる。華北に拠点を置くパートナーの協力が3種類、華南の運動を意識した方針が2種類用意されており、好きな選択肢を選べる。選んだあとはスペース節約のために折りたたむ

あるいはもっと急進的な方向を歩むこともできる。国民党か青年中華党の力を借りて、一党独裁体制を築く事も可能だ。また指導者やパートナーによって、さらなる分岐ルートも解放される。

さらに山西派の陣営への参加・勧誘相手も増やした。山西派は複数の国家を大中華圏に勧誘したり、あるいは特定の条件下で帝国協定・モスクワ合意・大東亜共栄圏・第三インターナショナルに加盟できる。

奉天派

奉天については軍事ツリーを少し拡張した。何度かプレイしたところ、現在の奉天コンテンツはかなり完成度が高いものの、軍事については設定・内容ともにやや薄味だと感じた。またゲーム開始時の奉天軍の内情は、史実の経過や派閥対立を反映できていない。

これまでのKR奉天軍は、ほぼ第一次奉直戦争から状況が変わっていない。古参の幹部らが大きな権力を握り、国内で教育を受けた将校は無能だ。

新しい設定では、上記の奉天軍は1931年の時点で全く異なる存在に変わった。そこで現在の奉天軍事ツリーを(ほとんど)刷新した。新しいツリーには軍内部の派閥と、直隷派との全面戦争に備えた改革の要素が盛り込まれている。新しいツリーの中心となるのは、史実の北伐末期に存在していた奉天軍の派閥、楊宇霆の「士官派」と張学良の一派(KR世界では「新派」)だ。2つの派閥による改革を表した分岐ルートと、どちらの派閥でもアクセスできる共通部分を用意した。

湖南軍閥

連省派ルートと直隷派ルート

現在、趙恒惕には2つのルートがある。連省派の社会保守主義ルートと直隷派の権威的民主主義ルートだ。

このルートには問題があった。趙が選挙で不正をしたり、自分も起草に携わった省憲法を破棄というのは、ちょっとおかしい。色々な意味で、彼はゲーム内で悪役になってしまった。そこで直隷派独裁ルートを削除し、史実の趙に近い連省派ルート一本に絞った。

連省派ツリー

ただチームとしても開発者個人としても、一方的にコンテンツを削除したくはない。そこで湯薌銘を主役にした直隷派ルートを追加した。

湯薌銘は史実の湖南都督で、直隷派とも関係のあった人物だ。力で湖南省を支配し、袁世凱の皇帝即位を支持していたが、やがて袁世凱が死去すると同時に失脚・放逐された。

KR世界の湯は、湖南省と湖北省の境にある岳陽県で、直隷派駐屯部隊を指揮している。国民党が選挙で勝利した場合、あるいは趙が省内の反民主主義勢力を抑えられなかった場合、湯は岳陽から省都へと進軍し、趙を放逐する。この新しいルートを楽しんでくれると嬉しい。

国民党ルート

湖南派に登場する国民党系人物の描写については、ハッキリ言って正確さに欠けている。程潜は「国民党」そのものを1本のツリーに凝集してしまっている。

「仏教将軍」唐生智も注目されすぎている。すべてが唐を中心に展開しているが、それは唐や湖南の描写として正確ではない。

この問題を解消するため、湖南派の国民党は党の縮図となった。唐生智率いる右派の国民革命軍第6軍と、程潜率いる左派の第8軍による内部対立を中心となり、2人は湖南の支配をめぐって争う

国民党ルートのツリー

さらに脇役として譚延闓率いる国民革命軍第2軍、賀竜の第8軍急進派、何鍵の清郷督弁、蔡和森の工団党が登場する。

こうした改修によって、登場人物の思想や信念をできるだけ正確に描写できるように努めた。程潜は穏健派で、唐生智は日和見主義者・農民主体の農業社会主義者となり、脇役たちにもスポットライトを充てた。最後に最近流行りの勢力図チャートを載せておこう。

おまけ:最近の予告画像

中国

上記以外にも複数の国家タグにまたがる、地域レベルのリワークが予告されている。

https://www.reddit.com/r/Kaiserreich/comments/1cjc95l/may_4th_teaser_for_china/

1919年10月、北洋政府の極秘文書が世間に出回り、協商国が多額の融資と引き換えに山東省を租借するとの密約が暴露された。中国民衆は怒り、大規模な抗議運動が発生した。後の1925年五・三十運動と並ぶ、中華民族の断固たる反帝国主義闘争を象徴する事件、五・四運動のはじまりである。

今日、この二大愛国運動の追悼演説において、■■は「どの時代にもみられる、外国勢力の支配を打破しようとする民族独立の精神」を有する運動であると評した。
「この精神こそ、明がモンゴル人を追い出し、辛亥革命が満洲族を追い出した。学生たちの怒りが、中国の自主独立を救うのだと。孫総理が三民主義の「民族」に込めた意味も、この精神なのだ。」

「孫総理はこのような言葉を残している。『民族革命とは、その時代を救う処方箋といえる。中国搾取が終わる最後の日まで、薬を飲み続けなければならない』と。しかし五・四運動と五・三十運動は民族主義的性質をもった抗議運動ではあったものの、場当たり的なバラバラの蜂起に過ぎず、一時的な行動であって根本的な主張に欠けていた。真の革命とは『民族的性質』に根ざすべきである。民族性とはぬぐい難く生じる本質である。」

「孫総理はそれを理解していたが、マルクスは理解していなかった。第二インターナショナルはなぜ失敗したのか。それは階級が同じでも、民族が違えば、抑圧する者とされる者に分かれるからだ。この状態を解消しない限り、同じ階級同士でも闘争が続く。中国青年もまた、『民族革命は陳腐で、階級革命は革新』などと考えるべきではない。階級革命こそ不自然であり、不必要なのだ。」

そして最後に、■■は第三インターナショナルの「紅色の帝国主義」に警鐘を鳴らした。

「第三インターは曖昧な目的のために、中国人数百万を犠牲にしようとしている。中国に生まれた青年が、みずからの国家や民族、革命の理念をないがしろにしてまで他国におもねる必要があるのか? 民族独立の精神を育てずして、何を成せるというのか? 中国人は三民主義の教えに従って国民革命を達成しなければならない、これは自明の理である!」

オスマン帝国

リワークではなく、既存コンテンツの拡張が予告されている。

https://www.reddit.com/r/Kaiserreich/comments/18bk6va/ottoman_leak_from_the_discord/

1936年選挙イベントとNF。現在のコンテンツと違ってゲーム開始時の与党が社会保守派になると思われる。

待ちに待った日か、それとも恐るべき日と言うべきか。アルスラーン大宰相の辞職に伴う選挙の投票日がようやく近づいている。ここ数週間、新聞や集会ではさまざまな派閥の政治家や政党機関紙が綱領を熱っぽく語っており、選挙の動静は多くの人に注目されている。ムハンマド連合党(IMF)が与党の座を守るのか? リベラル派が盛り返すのか? それとも急成長を遂げたオスマン人民党(OHF)がいよいよ政治の表舞台に上り詰めるのか? どのような結果にせよ、ほとんどの人々が願っているのは、選挙で安定した政府が戻ることだ。少なくともアナトリアでは多くの人々が支持する政治家の訴えに従い、帝国の未来を決するために投票所に足を運んだ

そして投票日の終わり、集計作業が完了した。その結果は……

https://www.reddit.com/r/Kaiserreich/comments/16xucv7/little_teaser_for_the_ottomans_by_me/

保守派ルートと思われるイベントとNF

「イスラムの信仰は、今日まで我々を正しい方向に導いてくれた。信仰はオスマンを精強ならしめ、人々の心を結びつけ、数世紀にわたって帝国をまとめる鎹であり続けた。

「信仰がなければ、オスマンは消滅してしまうだろう。だが我々はバラバラになりつつある。卑劣なる勢力がオスマンの精神を毒し、トルコやアラブにナショナリズムを植え付け、スンニやシーアに優越主義を植え付けようとしている。

「だがそのような試みは必ずや無に帰すだろう。我々はアラーが万物を抱擁していると知っているからだ。我々はみなムスリムであるからだ。そして何より、オスマン人であるからだ」

以上のアルスラーンの下院演説は議員たちの間で激しい賛否両論を巻き起こし、後日新聞でも報道された。

しかしそのメッセージは明白だ。民族や言語による障壁や、クルアーンの解釈を巡る宗派などは、より大きなオスマン=イスラム・アイデンティティの前では無意味である、ということだ。

国内のウラマーたちもこの考えに共鳴しており、アルスラーンの人気は大いに高まっている。とりわけアナトリア半島の中心部、それに非スンニ派系ムスリムの間では強く支持されている。非スンニ派系オスマン人はたびたび差別の対象となっており、そのために遂に信仰の平等が訪れるものと期待しているのだ。

https://www.reddit.com/r/Kaiserreich/comments/198u5yz/new_teaser_for_the_ottomans/

ケマル暗殺後と思われるイベントとNF。右下の人物はメフメト・ジャービト・ベイ。

ケマル暗殺犯の行方はわからないが、その目的は達成したようだ。指導者を失った世俗派野党は統一戦線としての体裁すら維持できず、それぞれの政治家が「ケマルの正統後継者」を名乗って相争う分裂状態に突入した。世俗派の代名詞にして原動力であったケマルが亡くなったことで、世俗派の政治家たちはケマルの真意やケマル主義のイデオロギーをそれぞれ独自に解釈しては対立を繰り返している。かつて反IMF政権勢力のリーダーを名乗っていた頃の勢力は、もはや見る影もなくバラバラになってしまった。

ケマル死後に台頭したのがイスメト・パシャとレジェプ・パシャだ。2人はそれぞれ多くの議員や政治家を糾合し、ケマルの著書に一言一句従って行動すると公言している。とりわけレジェプは、ヨーロッパ諸国の革命運動も積極的に取り入れる意向を示している。しかしこうした動きには懸念の声もささやかれている。なるほどケマルは賞賛すべきだし、その死を痛むべきだ。しかしケマルがOHFの内部統制を強化できず、IMFによる解散命令を阻止できなかった点は否めない。こうした意見を持つ人々は方針転換が必要であると考えており、■■と■■がその代弁者となっている。

こうした推移の結果、世俗派野党連合のメンバーは派閥抗争の板挟みになっており、どの派閥に身を寄せるべきか決断を迫られている。当然のことながら、世論も世俗派の分裂に気づきつつある。かつて世俗派に支持していた人々はますます離れつつあり、かつての最大野党OHFの凋落に拍車をかけている。

https://www.reddit.com/r/Kaiserreich/comments/1cba0tw/new_ottoman_teaser_from_the_discord/

国家存亡の時である。国は無政府状態の一歩手前まで差し迫り、国民の動揺が高まりつつある。こうした時局にあっては、歴史を作るチャンスを自らもぎ取ろうと行動する者も現れる。こうしてカフェル・タイヤル・パシャは軍を率いて首都を包囲するという、あからさま権力奪取に打って出た。バルカン戦争から帝国に仕えてきた高名な軍人であるパシャは、国民が鋤を掲げて議会に突入する前に、先手を打って決起したのだ。

クーデター軍は真夜中にはコンスタンティノープルを包囲し、通信手段を遮断して道路を封鎖。夜明けとともに市内に進軍した。大した抵抗もなくほぼ無血で市中心部に到達し、そのままアブデュルメジト2世の王宮と議事堂を占拠した。立法府とスルタン=カリフを制御下に置いたことで、カフェル・タイヤル将軍はほんの数時間で帝国の心臓部を掌握した。

国家権力を掌握したカフェ・タイヤル将軍は、さっそく正午から国家改造を開始した。 「帝国政府の混乱によるやむを得ない一時的措置」を名目に、スルタンは廃位された。君主制は事実上廃止され、代わってカフェ・タイヤル将軍が国家元首に就任した。「合法的に選出された復興党政権」を尊重するとは約束したが、それでも議会は無期限に解散させられ、帝国全土から官吏や軍人が首都に召集された。

こうして中央政府はパシャの完全な制御下に置かれた。遠方地域がカフェ・タイヤル体制を支持するかどうかはまだ不透明だが、民主派勢力による目立った抵抗がない点は世間の注目を集めている。復興党が政権の座に留まっていることから、このクーデターは復興党が失政を覆い隠すための自作自演なのでないか、との噂すらささやかれている……

ロシア

https://www.reddit.com/r/Kaiserreich/comments/1aggbje/russia_teaser/

「第三のロシア」とは、サヴィンコフにとっての「超人(Übermensch)」概念だ。第三のロシアは新たな有機体であり、物質的な西洋に代わって独自の価値観を打ち出すまでに至ったロシアだ。第三のロシアは過去の栄光ではなく、現代の要請に従う。目指すべきは偉大なる、救世の未来だ。世界を新時代に導き、魂の啓蒙をもたらす。これこそがロシアの使命である。

https://www.reddit.com/r/Kaiserreich/comments/1bswzyn/the_most_dangerous_sambo_teaser/

2024年のエイプリルフール画像。イベントに登場するイワン・ソロネヴィチ「人民君主制」運動を率いた人物で、リワーク後ロシアの君主制ルートの重要人物として登場が予告されている。スポーツ愛好家でもあり、サンボの生みの親の一人にも数えられているらしい。

必殺サンボ拳!

大統領は目にも止まらぬ早業でパンチの連打を浴びせ、最後に投げ技を決めて暗殺者を背後の本棚に飛ばした。骨の一本は折れたに違いない。暗殺者はソロネビッチを見上げ、目の前にいる武道の達人に恐怖を覚えた。

ソロネヴィチの体力: 1
暗殺者の体力: 2
先に体力がゼロになった方が死亡する!

砕け散るまで戦え!

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