Kaiserreich進捗報告134 中国のメカニズム変更
(原文はこちらから)
謹賀新年!最新リワークやその他hotfixのテスターを担当しているSuperGreenBeansです。
ご存知のように、中国は2019年末の大型リワークでゲーム内容が大きく変化しました。非常に大がかりなプロジェクトでしたが、多くの問題も残っています。実装から現在までバニラ側でも新しいメカニズムを実装した影響で、多くの古いメカニズムと重複してしまい、十分に機能しておらず、新たなシステムと比べて大きなメリットもなく、時代遅れになっています。
次回のリリースでは中国コンテンツの追加に加え、さきほど挙げた問題の大部分を修正し、より優れたアライメントシステムを作り、これまで統一候補ではなかった軍閥にも実装します。また大規模なシステムの改修に加えて、標準化にも着手しました。たとえばいくつかのディシジョンのコードが重複していたため、気付いた箇所はすべて整理しました。いい例が租界回復ディシジョンで、一部の軍閥には独自の租界回復ディシジョンが用意されていました。これを変更して全ての軍閥が共通のディシジョンにアクセスできるように変えました。こうした変更によってメンテナンスが必要なファイルの数が減り、バグも減るでしょう。またこれまで一部の軍閥は統一ディシジョンが解禁されませんでしたが、次回のアップデートで解決される予定です。
それでは次回のリリースで実装される中国メカニズムの大きな変更点を見ていきましょう。
マップ上の変更点
・湖南軍閥と両広軍閥は八省連合の傀儡国家としてスタートし、ブラックマンデー以後に離脱して現在の状態になる。これに合わせて初期コンテンツも若干変更される。
・ゲーム開始時の工場数、インフラ、建設スロット、資源を全面的に見直し、中国の発展とゲーム後半の工業大国化のバランスを取った。
・一部のステートを実際の行政区画に合わせて変更
アライメントシステム
・中華軍閥のアライメントは陣営ではなく傀儡システムを使って表現される。マップ上の軍閥国家のカラーと名称は統一候補の国か、どこかの統一候補政府を支持しているか、非同盟かで変わる。統一候補政府の傀儡は宗主国と同じ国カラーになる。
・一例としてゲーム開始時の中国は、奉天派を除いたすべての軍閥が清と同じ国カラーで、これは北京の中央政府の名目上は認めているということを表している。八省連合戦争が始まってすぐに、すべての軍閥は独自の国カラーに変更される。
・すべての中華軍閥は他の統一候補政府と争えるほど強力になれば統一候補になれる。マップ上の国名も変更され、対立政府であることが明確になる(例:重慶政府/広州政府)
・味方軍閥の併合はバニラの傀儡レベルを使用して表現されるようになり、より時間のかかる作業となる。軍閥国家はそれぞれ "associated governorate" 、 "autonomous governorate" 、 "governorate" 、 "integrated governorate" の段階を経て併合される。すべての段階で傀儡国の協力度は5ポイント上昇し、併合した際には迎合度に変換される。最終的には中核州化できるので「La Resistance」DLCを持っていないプレイヤーも心配はいらない。もちろん、併合すると軍隊や将軍も手に入る。要約すると、中国の統合プロセスを進めるために完全な再統一をする必要がなくなった。
・プレイヤーが統合しようとする傀儡国が反乱を起こす可能性もあるが、傀儡国がプレイヤーと密接に協力していない場合にしか発生しない。そのため基本的には「護国同盟(訳注:汎用の中華統一ルート)」の指導者のように、広いイデオロギー的同盟国が存在しない軍閥でのみ発生する。協力関係の強い傀儡国は100%反乱を起こさず、発生した場合はペナルティが課せられる。
・征服した省を統合するために省全土を支配し、政治力を一定期間消費する必要がなくなった。統合には迎合度システムが導入される。中国で平均迎合度が50パーセントを超えると、その国の中核州をすべて中核州化できる。これに合わせて、統合プロセスを短縮できる新たな統治政策 “Integration” を追加した。
・中華統一の条件が変わり、すべての対立政府を降伏させ、唯一の統一候補になる必要がある。達成した場合には統一ディシジョンが解禁される。首都は4つ以上の選択肢から選べるようになり、またゲーム開始時の首都に留まってもいい。さらに新たな土地改革ディシジョンが解禁される。これはゲーム後半に余った政治力の消費先となり、比較的開発の遅れた地域を発展させ、建設スロットが増える。そして残った軍閥を服従させるディシジョンも解放される。残った軍閥が受諾すれば傀儡国家になる。
・すべての軍閥は中華統一のタイミングで、条約都市やその他の租界の問題に対処する汎用ディシジョンが解禁される。交渉や恫喝、どちらもうまくいかない場合は戦争に訴えることができる。このディシジョンは租界を持っている国に合わせて内容が変わるため、ゲーム開始時の租界保有国には無関係の独立したディシジョンになる。
・東トルキスタン、モンゴル、チベットに関するディシジョンは中華統一後に解禁されるようになり、相手国との相互のやり取りが増える。自治権を与えるか、漢族居住地域だけ求めるか、あるいは直接的な併合も要求できる。状況次第ではロシアやインドといった周辺諸国がこのプロセスに介入する可能性もある。
・これまでの「護国同盟」攻撃ディシジョンがすべての中華軍閥に実装され、独自コンテンツを持っていない国用に汎用統一コンテンツが実装される。連省派系の軍閥は連省派ツリーが解禁される。
中華統一戦線が復活した。どこかの大国が中華軍閥に宣戦布告した場合に結成される。統一戦線に参加している間は、敵を倒すまで味方軍閥の統合や戦争の正当化は出来なくなる。中国を統一したのちは統一戦線結成はできなくなる。
その他の変更点
・すべての中華軍閥の初期研究スロットを2ラインに変更。中国統一までに4ライン解放できる。統一すると最大で5ラインまで解放できる。
・中華軍閥の軍事改革はそれぞれ異なる効果を持った国民精神に変わる。ディシジョンを使って三回ずつ陸軍経験値100を消費すると、師団組織率、防御、動員速度、最大塹壕強度、補給コストなどのデバフが軽減される。ディシジョンは90日のクールタイムがある。また陸軍経験値200を消費するディシジョンでは徴兵可能人口、熟練兵喪失率、指揮力低下のデバフが解除される。
・日本との「落日」講和条約が結ばれても、台湾は確定で返還されなくなる。台湾割譲は中国と日本の海軍力比、または講和条約締結までに占領していたかで決まる。
・日本は「落日」講和会議の処理後、中国本土の租界すべてを返還する。租界領土のみの奉天共和国は存在しなくなる。
・最後に、すべての軍閥国家に新システムに合わせた新しいイベントなどマイナーな変更を施した。
質問コーナー
Q.軍閥ごとに特別な拡張オプションはないの?
予定はない。雲南の隣国侵攻や馬家軍の新疆併合などの現行の特別な拡張オプションは残す。
Q.なぜ湖南と両広はゲーム開始時に八省連合の一部ではなく属国になるのか。
設定上は、36年時点で八省連合内部での自治権が強く、直隷派のメンバーに支配されていないから。ゲーム的には、プレイヤーとAIが連合崩壊後の国境線や戦場になりそうな地域を判別しやすくするため。例を挙げると、左派国民党のAIは初期展開で広州に兵を置く必要がなくなる。また新規の八省連合プレイヤーが湖南と両広に大きな戦力を配備することは少なくなるだろう。
Q.どうして「落日」講和条約のあとで台湾を100%獲得できなくなったの?
以前から折を見て変えようとしていたが、講和会議とAIの挙動が複雑すぎるため手を付けられてなかった。理由については、当時の下関条約は合法的な国際条約で解決済みの問題として広く認識されており、清朝以降の中国政府もこの見解を共有していたから。Kaiserreich世界には十四か条の平和原則がなく、大西洋憲章もおそらく存在せず、中国はいまだ多くの人から「国」ではなく「地域」と見られている。台湾統一を目指した運動も存在こそしていたが、そうした考えの人々にしても、36年当時の台湾の生産年齢人口の大部分は日本統治以外を知らず(それより下の世代は言うまでもない)、都市人口の大部分(社会の政治の実権をほとんど握っていた)は親日感情をもっていた。中国のプレイヤーにはこの決定を怒る人もいるだろうことは覚悟しているが、史実やKR世界における当時の実情を反映したものだ。プレイヤーはつねに征服と統合を選ぶことができる。
Q.軍閥同士が戦争している間に統一戦線に加盟するとどうなる?
この場合は軍閥国家間で休戦となり、統一戦線に参加。外国の侵略を退けると、戦争を再開するディシジョンを選択できる。これで片方だけが統一戦線に参加し、もう一方が袋叩きにされることはなくなる。ただし奉天が日本の同盟に入った場合は例外的に処理される。この場合は奉天の同盟国は統一戦線に参加しない。もともと統一戦線は上記の通りに動かしたかったのだが、当時は適切なツールがほとんど見当たらなかった。
Q.なぜ今になって中華軍閥の研究枠を増やすことにしたの?
これについてはチーム内でもたびたび議論されてきた。一部の開発者たちは、研究枠はその国の科学と工業の総合力を表していると考えていた。言い換えれば、どんなにすばらしい発明をしても、それを現実的な価格で大量に生産できなければ意味がないということだ。これは史実で工業発展途上国だった日本にとっても大きな問題で、中国は言うまでもない。この格差を表現すればプレイヤーは没入感を得られるし、研究をより厳選するようになるだろうという主張だ。この意見に反対の開発者もいて、彼らはゲームバランスとプレイヤーの選択におけるメリット、特にゲーム後半のメリットを強調していた。最終的にはmod内の研究を標準化することで、この問題は解消された。