如意輪寺 後醍醐天皇ゆかりの寺
近鉄吉野駅から中千本までの観光車道の途中にある寺が如意輪寺。桜の季節にはお寺周辺に桜が咲き誇り、吉野の有名な桜スポットの一つ。
お寺は平安時代の延喜年間(901-923年)に建立されたという古い歴史を誇るお寺です。南北朝時代に吉野の地に行宮を設けた南朝の後醍醐天皇の勅願寺となりました。お寺の境内には後醍醐天皇の陵である塔尾陵があります。通常、天皇陵は南を向いているけれど、後醍醐天皇陵は北向きに造営されています。これは京に戻ることを願いながら叶わず、崩御した天皇の気持ちを表しているといわれています。
南朝にはとてもゆかりの深い如意輪寺。正平2年(1346)に楠木正成の長男、楠木正行はこの寺を訪ね、後醍醐天皇の陵の前で辞世の歌「かへらじとかねて思へば梓弓なき数に入る名をぞとどむる」を詠んで四條畷に出陣、北朝の高師直が率いる軍勢と激しい戦闘を重ねた末、戦死しました。
金峯山寺や吉水神社などがある吉野山からは谷を隔てて、山の中腹にお寺はあり、吉野山を見渡すことができます。中千本にある五朗平茶屋からお寺までつながる道があります。またお寺からは「ささやきの小径」を通って近鉄吉野駅まで歩くこともできます。途中、舗装されていない道を通るので、歩く時は履き慣れたスニーカーで歩くのがおすすめ。お寺には駐車場があって、車で行く場合は、車を止めることもできます。
桜の季節はもちろん、桜以外の時期も立ち寄ることがおすすめの南朝ゆかりのお寺です。