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本善寺 吉野・上市ぶらり散歩
吉野は古くから林業で栄んな地。500年以上にわたって植林と伐採が行われる独自の造林技術によって、良質の「吉野材」を生み出し続けています。吉野川沿いの上市は吉野の山で伐採された材木が、吉野川上流から降ってきて、集積した場所です。上市に集まった材木は本数は長さがチェックされて、日本各地へと送られていきました。上市は伊勢街道筋にあり、山上詣・高野詣・伊勢詣の拠点でもあり、吉野川筋の奥の山里を商圏とした市場町・街道町でした。現在も繁栄を偲ぶことができる建物が立ち並ぶレトロな雰囲気の街並みが残っていて、ノスタルジックな気分を味わいながら歩くことができます。また製材所が今も操業していて、木の香りも感じることができます。
そんな上市の高台にあるお寺が本善寺。かつての料亭旅館をリノベーションしたゲストハウス三奇楼内にある「TENJIKU吉野」に泊まった時、窓から眺めると、対岸に立派なお寺が見えて、気になったので足を運んでみました。
お寺は浄土真宗本願寺派。室町時代の文明8年(1476)に真宗本願寺第8世宗主で、中興の祖といわれる蓮如によって創建されたという由緒あるお寺。戦国時代に浄土真宗本願寺勢力と織田信長が戦った石山合戦の際に、織田信長の命を受けた筒井順慶が石山本願寺に呼応した吉野の浄土真宗(一向宗)を制圧した吉野攻めによって、寺は焼けてしまいますが、江戸時代に再建されました。
寺の本堂をはじめ、山門、庫裡、蓮如堂、鐘楼など11棟の建物が国指定登録有形文化財に指定されています。本堂は入母屋造本瓦葺の建物で重厚で風格も抜群です。
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吉野は「森に育まれ、森を育んだ人々の暮らしとこころ~美林連なる造林発祥の地 吉野 ~」というストーリーで日本遺産に認定されていて、お寺も日本遺産の構成資産の一つになっています。
吉野の魅力の奥深さを感じることができること間違いなし。足を運ぶ価値ありです。また郡山市にある奈良県立民俗博物館では吉野の林業で使われた道具が約1,900点収蔵・展示されていて「吉野林業用具と林産加工用具」として国指定重要有形民俗文化財に指定されています。吉野杉の伐り出しの様子やジオラマは圧巻です。