チョコレート味のシュークリーム
ラーメンとギョウザをあれだけ食べたのに、まだどこか口ざみしい僕は、帰り道のスーパーでお菓子を衝動買いする。
そういえば、「買い物は、お腹がいっぱいの時に!」というようなことをきいたおぼえがある。たしか節約術だったような……?
でも、根っからの大食いな上に、常によくわからないさみしさまで抱えている、こんな自分には、そんなアドバイスなど効くはずもない。
そういえば久しぶりに来るな、ここ。そんなことを思いながら、さんざん店内を歩き回ったあげく、手にしたのはシュークリーム。ほんとうはエクレアにしようかとも思ったけれど、チョコレート味のクリームというところに、なぜか心惹かれたのだった。
けれど、こんなに楽しみなシュークリームも儚いものだ。僕ときたら、あっという間に二口。まるで機械的で、まったく「味わう」とか「かみしめる」とか、そんなもののかけらすらない。
ただ、それなのに、ほんの少しだけ、よくわからないさみしさは消えていた。まあ、いずれはまた、もとに戻ってしまうのだけれど。
この、よくわからないさみしさをまぎらわす。そのためには、チョコレート味のシュークリームがいくついるのだろう。いったい。