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『クリスマスツリー~僕とおかんと時々のど飴~の話』

みなさん、こんにちは

もう12月も中旬を迎え、やれ忘年会だ、やれ「1年ってホントに早いよね~」だ、やれ「来年こそはやせるぞ!」だのと、毎年恒例の年末行事が着々と進んでいる今日この頃。

年末年始の過ごし方や、クリスマスの過ごし方を考えてはワクワクしている方々がいらっしゃる一方、僕は職業柄、1年で最も忙しい時期に入っている。

僕にとって、年末年始を心から純粋に楽しみにしていたことは、遠い遠い昔のお話。

今月40歳になった僕は、もう人生の半分以上を今の会社で年末年始を迎えた。

早く卒業したい…。


こどもの頃はどんな年末をすごしていたっけなぁ?

なんて思い出を探していると、僕が初めてクリスマスというものを知った、幼稚園の年長さんの思い出が出てきたので、みなさんにお話ししようと思う。


クリスマスという存在を知った日

僕は、親の意向で幼稚園に1年間しか通っていない。

幼稚園って必ずしも通わなくても良いらしい。

1年しか通ってない幼稚園だけれども、その1年間は僕にとって、毎日が驚きと、発見と、初めて知ることの連続だった。

まわりのお友達は、幼稚園で過ごす2周目の年(年少さん年長さんの2年制の幼稚園)。

1周目の僕は、色んなことをまわりのお友達に教えてもらいながら過ごしていました。

中でも驚いたのがお遊戯やお歌の時間。

先生のピアノに合わせて、みんなが同じように歌い、同じように踊る様子が衝撃的だった。

「僕にもできるのかな…」

不安を抱えながら、必死に食らいついていたことを覚えている。

特に僕の興味を惹いたのは、【カレンダーマーチ】というお歌。

みなさんはご存じだろうか?

1年の流れを歌詞に詰め込んだ、幼稚園児にとっては

「これからどんな1年が待っているんだろう」というワクワクした気持ちや、時期によっては「もうすぐ幼稚園生活が終わってしまう」といった、少し寂しい気持ちにもなってしまう、そんな曲。

僕はその【カレンダーマーチ】という曲が大好きだった。


  • 一月いっぱい 雪よふれ

  • 二月の庭には ふくじゅそう

  • 三月寒さに さようなら

  • 四月に小学一年生

  • 五月だごらんよ こいのぼり

  • 六月ろうかに てるてる坊主

  • 七月しようよ 水あそび

  • 八月ハアハア あああつい

  • 九月に栗の実 もう秋だ

  • 十月十五夜 お月さま

  • 十一月準備だ 冬が来る

  • 十二月ジングルベル クリスマス

カレン カレン カレンダーマーチ 
一年たったら またおいで

「なんてすてきなお歌なんだろう」

幼少期の僕は、歌詞カードを毎日眺めていた。

そこでひとつ、僕の中に疑問が生まれた。

「ジングルベルクリスマスってなに?!」


12月にはとっても素敵な一日が訪れる

お友達に聞くと、どうやらクリスマスという日があって、それは12月25日に訪れるらしい。

12月25日までに、欲しいものをサンタさんというおじさんにお願いしておくと、欲しいものを届けてくれるらしい。

「なにそれ?こわっ!」

僕の率直な感想は恐怖であった。

だって、寝ている間におうちに入ってきて、欲しがっているものを置いていくなんて、怖すぎる。

欲しがっているものを、うちにいる誰にもばれずに置いていけるなら、他に悪いことをされていてもわからないじゃない?

しかしお友達曰く、サンタさんは悪い人ではないらしい。

純粋に子供たちのことを想ってくれるおじさんらしい。

それなら、欲しいものをお願いしてみるのも良いのかもしれない。

「あ、そーだ!僕は欲しいものは特にないから、お母さんが欲しいものを、僕が欲しいものとしてお願いしてあげよう!」

本当に純粋に、その考えが僕の頭の中に思い浮かんだ。

「お母さんを喜ばせてあげよう!」

その一心だった。

わが子供時代ながら、なんて純粋でなんて優しい子なんだと今でもそう思う。


おうちに帰って…

「おうちに帰って早速お母さんに話してみよう!お母さんはきっと喜んでくれる」

そう信じて、お母さんはどんな顔をして喜んでくれるだろうと、ニヤニヤしていた。

ワクワクした気持ちで帰宅して、さっそく台所にいるあ母さんのもとへ…

「あ、おかあさんあのね、クリスマスって知ってる?サンタさんが欲しいものをくれる日らしいんだけど、僕はお母さんの欲し……」

そして、僕の話を遮るようにお母さんは言った。

「サンタさんなんかおれへんで!ほしいものなんてくれへん!!クリスマスは日本人のものちゃうねん!」

お母さんはきっと、満面の笑みで喜んでくれる。

そう思っていたお母さんの表情は怒りに満ちていた。

「なんで、お母さん怒ってるん?なんか悪いこと言ったかな?喜んでくれると思ったのに…」

僕はお母さんを喜ばせる一心で言った言葉が、お母さんを怒らせてしまっていることに戸惑った。

どうやらお母さんは、そういう迷信めいたものが嫌いだったらしく、わが子にそんなこと教えたのは誰だ!とお怒りになってたらしい。

それにしても、こどもの言うことをそんなに否定しなくても…。

そして僕の、サンタさんへの夢は数時間で終わってしまった…。

世の中には、サンタさんを信じるだけ信じることができて、毎年夢に満ち溢れた12月を過ごすことができるこどもが、どのくらいいるのだろう…。

この話をすると、僕の妻はいつもバカ笑いしてくれる。

大好きな人を、いつも爆笑へ導いてくれるエピソードをくれたサンタさん、いやおかん、ありがとう。


タイトルに【のど飴】と入れたのだが、おかんと僕の、のど飴のエピソードはまた今度にします。笑


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。







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