16歳の娘、はじめてのおともだち?
今日は、特別支援学校高等部1年生の娘の話です。
毎日、私は連絡帳を見るのが楽しみです。担任の先生が書いてくれる娘の様子が、手に取るようにわかり、おもしろいから(笑)。
で、先日。
「今日は、昼休みに廊下で先輩の○○さんとお話していました。」と書いてあるではないですか。
○○さんは、実は、小学校と中学校が同じで、2つ上の先輩(つまり、高3)の女の子です。特別支援学級では、2年間だけ同じクラスで過ごしたことがありました。でも、特に絡むこともなかったのです。娘は自分から人に近づくタイプではないですし、先輩もとてもマイペースで、一人でいるのが好きな子なのかな、と私は思っていました。何なら、私は娘が小学校、中学校の頃に、その先輩の声を聞いたことさえなかったです。「なかったです」と過去形なのは、先日、授業参観に行った時に、その子が発表をしているのを聞いて、「ああ、こういう話し方、こういう声の子なんだ」って初めて知ったからです。
そんな彼女が、娘の教室にやってきて、娘を呼んで、廊下で一緒にお話をした、というのだから、私は相当びっくりしました。
私「○○さんと、何のお話したの?」
娘「△市のスターバックスって、どこにあるの?って聞かれたけど、私、行ったことないから知らないって答えた。」
えええ、スターバックス???唐突!!!
私「それで会話が終わっちゃったの?」
娘「他にも、給食おいしい?とか、ゲームする?とか、絵をかくの?とか、いろいろ聞かれたよ。」
私「(娘)ちゃんは、返事して、○○さんに質問を返すの?」
娘「???(首を傾げる)」
ああ、手に取るように様子が浮かんできます。
娘に質問を投げかける先輩と、短い言葉で返事をする娘。会話が続かなくて次の話題を一生懸命探す先輩(笑)。
私「で、またね、って先輩は帰っていくの?」
娘「そう、昼休みが終わる時間になったら、またね、って。」
私「で、次の日も来るんだ。」
娘「うん。」
なんと可愛いのでしょう(笑)
私「(娘)ちゃん、うれしい?○○さんがお話に来てくれて。」
娘「うん、まあ、うれしいかな。」
私「小学校とか、中学校では、話したことがほとんどなかったでしょう?」
娘「うん、なかった。」
私「よかったね、お話できる人ができて。(娘)ちゃんも、○○さんに質問したらいいよ。自分に関心をもってもらえる、って、うれしいものだから。」
娘「そうなの?」
私「そうだよ。給食おいしい?って聞かれたら、うん、で終わりにするんじゃなくて、○○さんは?って質問するとか、私は給食のカレーが美味しいと思うよ、って付け加えたりするとかね。そしたら会話が続くでしょう?」
娘「うん」
私「そしたら、好きなものが同じだとか、いろいろわかって、お話するのがもっと楽しくなるかも。雑談できる力って、結構大切だよ」
娘「(うなずく)」
私「おともだちができて、よかったね。」
娘「(にっこり)」
娘に「雑談友達」ができるといいな、というのは、私はずっと前から思っていました。
小学生の頃は、「(娘)ちゃんと話していたら朝になっちゃうよ、もう寝ようよ。」って私が言うほど、家では話をしていた娘。でも、外ではいわゆる「選択性緘黙」で、先生方以外、つまり、知っている大人以外とは全く喋らなかったんです。だんだん大きくなるにつれて、友達や知らない大人から質問されても、頷くなどの意思表示ができるようになり、今では少しずつですが言葉で伝えることもできるようになりつつあります。
「雑談友達」ができることで、コミュニケーションの幅が広がるというか、「質」が良くなるのではないか、と楽しみです。
16歳、はじめてのともだち。きっと、お互いに不器用な感じで話をしてるんだろうな。なんか、純粋で素敵ですよね。