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メタルに囲まれた癒し空間で昼食を。〈CAZE CAFE なかまち_仲町〉

なかまちテラスにあるカフェで過ごすひとときがとても心地よくて古(いにしえ)の空想少女になって浸ってしまう話。

『なかまちテラス』は、建築界のノーベル賞とも呼ばれるプリツカー賞を受賞した建築家、妹島和世さんが設計を手がけた図書館と公民館の複合施設である。
一見冷たさを感じる金網に囲まれた建物に、初見でたまげた市民はわたしだけじゃないはず。

仲町にそそり立つメタルに、感じたことのない謎の緊張感を持って初めて図書館を利用した日、エントランスの複雑な空間や円形のトイレに驚きつつ、明るくて開放感のある読書ラウンジに安堵した。

そんな日の帰りに立ち寄った『CAZE CAFÉ なかまち』。本を読んで、カフェに立ち寄れる、とってもいい!こんな場所がまちのあちこちにほしい。
ここでもメタルからの日差しが、フィルターを通してやわらかくなっているようで心地良い。

名建築でランチを食するときは、ドラマ「名建築で昼食を」に取り上げられたら、こんなシーンありそうだなぁって、脳内に田口トモロヲと池田エライザを召喚して、空想する。
子どもの頃から建築紹介の番組を観ては、そこでの暮らしを妄想したり、らくがきしたり、そういう遊びがすきだった。そんな一人時間を過ごす、何度目かの日。どっと疲れた心にピリリと刺激が欲しくて頼むグリーンカレー。

食欲そそるスパイスの香りを大きく吸い込んで「いただきます!」。

大きく一口ほおばると意外としっかりと辛さが広がる。シャキッとした野菜の食感を味わいながら、あとからココナッツの甘さが追いかけてきて、最高の循環を絶やさぬように、次の一口。

ちょっと時間を置いて冷ましておいたチャイで小休憩する。不思議なメタルの中で、やさしい日差しに包まれて、なんともいえない清々しい気持ちになるのはなんでだろう。

メタルと光に抱かれて昼食もおすすめではあるが、太陽が傾きかけたカフェタイムになると、また違った雰囲気になるのもいい。
ほんのりオレンジ色の日差しが窓際に飾られているステンドグラスを照らして、手帳なんか開いて穏やかにコーヒーをすすっていると、「今日もがんばった。いい時間を過ごせた」と思えてしまうのだ。(たとえその日、何も成し遂げていなくとも)

(お)

【CAZE CAFE なかまち】
東京都小平市仲町145

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