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東京武蔵野シティFCのJ3入会を考える
東京武蔵野シティFCがJ3入会に際し、右往左往している。経緯をご存じない方もいらっしゃると思うので簡単にまとめてみます。
1939年 横河電機製作所の社内同好会として武蔵野町にて創立
2003年「横河電機サッカー部」から「横河武蔵野FC」にチーム名変更
2007年 任意団体から運営母体を「武蔵野スポーツクラブ」へと移管
2016年「横河武蔵野FC」から「東京武蔵野シティFC」にチーム名変更
2016年「Jリーグ百年構想クラブ」に認定。
2019年「J3ライセンス」取得。
2019年はJFL(いわゆるアマチュア最高峰)における年間成績4位という成績を収め、サッカーの実力上はJ3入会の資格を得るが、ホームゲームにおける入場者数が規定に満たずJ3入会が叶わなかったという結果がありました。そして、当然2020年もJ3を目指すのかと思いきや・・・まさかのJ3入会申請自体を控えるという発表。理由としてはJ3に入会したとしても継続してJ3にいる為のスタジアムが用意できないというものです。現状では武蔵野陸上競技場をホームとして使っているのですが(行った事がある方はご存じの通り)大部分が芝生席となっており、確かにJリーグを開催するには無理だと思えてしまう状況です。合わせて、芝生席のアウェイ側は立ち入り禁止となっています。正しい情報を知っている訳ではないのですが、どうも近隣住民の競技場からの音に対する苦情があり、アウィ側芝生席への立ち入りが禁止となったと聞いています。真偽のほどは分かりませんが、それが事実だとすると、極一部の住民の意見により市の公共施設が一部使えないという事となり非常にやるせない思いになります。
いずれにしろJ3入会申請を見送るという事実は長年、武蔵野シティFCを応援していた私としてはとても残念な気持ちとなりました。そもそも2019年に観客動員がうまくいきJ3入会が出来ていたらどうしたのだろう?という疑問も湧いてきます。
で、肝心なのは今後においてそもそもJリーグを開催するようなスタジアムが武蔵野市内に用意出来るのだろうかという疑問です。武蔵野市は非常に狭い土地に商業施設や住宅や何やらが密集しているいわゆる都市型地域です。武蔵野市の地図を改めて見回してみても、新しくスタジアムを作るのはほぼほぼ無理ではないかと思えるのです。もちろん土地という事だけを考えれば武蔵野中央公園や、小金井公園の武蔵野市に入っている部分などはあるのでしょうが、自前の競技場を改修する事すらままならない武蔵野市の協力体制を踏まえると、とてもハードルが高いと考えざるを得ないのです。
思い切って武蔵野市から外に出る!という発想もあるのでしょうが、(現実的にはクラブが是が非でもJリーグを目指す場合は一番可能性が高いと私自身は思っています)そもそも武蔵野シティFCは横河電機のサッカー部を前進としており1939年のチーム発足以来武蔵野市を拠り所としてきた経緯があり、私個人としても武蔵野市を離れるとなるとチームを応援する気持ちも大きく搾り取られてしまうと考えています。そして、武蔵野市を離れるという事が少なくとも私としては最悪の結果と考えています。(だってJリーグって地域密着が理念ですから!)
と、いろいろと書いてきましたが、やはり現実的には武蔵野陸上競技場をJ3に対応出来るように改修するというのが一番と思えてなりません。もちろん、その議論の先にはJ2に上がったら・・・J1が見えてきたら・・・というのがあるのは分かりますが、まずはJ3に入会する事だと思います。J3を戦う事によって市民からどういう反応が出てくるかに賭けるしかないのではないでしょうか?
東京のど真ん中に位置する武蔵野市にJリーグを目指せるサッカーチームが昔から武蔵野市密着で存在していたというのは本当に奇跡に近い事だと思うのです。だから、だから、このチームが長く地元に愛され発展していく事を願っています。そしてサッカーってやっぱり勝ち負けを競うスポーツですから、Jリーグという上のリーグがあるのであれば、そしてその実力があるのであれば、やはり高みを目指して欲しいと思うのです。