見出し画像

葬儀社との初めての対面:不安と期待、そして「?」が飛び交う時間

突然の知らせ、そして深い悲しみ。大切な人を失った喪失感は、言葉では言い表せないほどでした。葬儀の準備なんて、考えたこともなかったのに。

そんな中、最初に頼ることになったのが葬儀社でした。電話口の担当者は、落ち着いた声で、丁寧に説明してくれました。

「まずは、ご自宅にお伺いし、ご希望をお伺いさせていただきます。」

その言葉に、少しだけ心が安らぎました。

約束の時間に、葬儀社の担当者が自宅を訪れました。スーツ姿の若い男性で、少し緊張した面持ちです。私も、何を話せばいいのか分からず、戸惑っていました。

「あの…何を相談すればいいのでしょうか?」

恐る恐る尋ねると、担当者は優しい笑顔で答えてくれました。

「ご安心ください。ご葬儀に関することは、どんなことでもご相談いただけます。まずは、故人様のお人柄や、ご家族の皆様のご希望をお聞かせください。」

そこから、少しずつ会話が始まりました。故人の好きだった花、よく聴いていた音楽、思い出の場所…。話しているうちに、自然と涙が溢れてきました。

担当者は、私の言葉に静かに耳を傾け、時折、頷きながらメモを取っていました。

「ご希望の葬儀形式はございますか?一般葬、家族葬、一日葬、直葬など、様々な形式がございます。」

葬儀の形式?初めて聞く言葉に、私は戸惑いました。担当者は、それぞれの形式について、丁寧に説明してくれました。

「一般葬は、故人様と関わりのあった多くの方々に見送っていただくことができます。家族葬は、親しい方々だけで、ゆっくりとお別れをすることができます。」

それぞれの形式のメリットとデメリットを聞き、私は家族葬を選ぶことにしました。

「故人様は、何か宗教を信仰されていましたか?」

宗教については、特にこだわりはありませんでしたが、親族に配慮し、無宗教葬ではなく、形式にとらわれず、自由なスタイルで行える家族葬を選びました。

葬儀の日程や内容、費用についても、丁寧に説明してくれました。見積書には、たくさんの項目が並んでいて、最初は戸惑いましたが、担当者が一つ一つ分かりやすく解説してくれたので、安心して決めることができました。

葬儀社との打ち合わせを終えた時、私は、少しだけ前向きな気持ちになれました。不安はまだ残っていましたが、葬儀社のサポートがあれば、きっと大丈夫だと思えました。

そして、迎えた葬儀当日。家族や親族、親しい友人に見守られながら、故人との最後のお別れをしました。それは、悲しみの中にも、温かい思い出が蘇る、心に残る時間となりました。

葬儀を終え、改めて葬儀社に感謝の気持ちを伝えました。

「本当にありがとうございました。おかげさまで、心温まる葬儀を執り行うことができました。」

担当者は、穏やかな笑顔で答えてくれました。

「こちらこそ、お手伝いさせていただけて光栄です。何かございましたら、いつでもご連絡ください。」

葬儀社のサポートがあったからこそ、私は、故人との最後のお別れを悔いなく行うことができました。