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Photo by
inagakijunya
高い煙突を眺める
アパートからゴミ処理場の高い煙突が見える。ふとした時、夜が多いけど、部屋に入る前にその高い煙突をしばらく眺めることがある。
開けた景色の中に高い煙突がぽつんと建っている様子は、なんだか見入ってしまう。それから、高島平の団地のことを思い出す。
自殺をテーマにした卒論を書いたときにあらゆる本を読んでいたのだけど、高島平の団地の話もその中にあった。団地ができた当時、そのあたりはすごく開けていて、団地の存在感がとてもあったらしい。
私が住んでいるところはそんなに高層マンションが建っていないので、高い煙突は存在感がある。卒論を書いたときにはそこまでよく分かっていなかった、ぽつんとある高い建物の引力が、今は少しだけ分かるようになった。
卒論を書くよりもずっと前から、私が自殺や死について考えない日はなかったと言ってもいい。過去の経験や自分との対話で、私はずっと死と向き合っている。
まだ死んでないよ、は、又吉さんの小説『劇場』の中に出てくる劇団名だけど、まだ死んでないよ、なんだよな。本当に。