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私信・元気ですか? 【何年に一度】
昔から親友という言葉が嫌いだ。
そこまで思える友人がいたことがなかったからかもしれないが、何だか気持ち悪いし嘘っぽく感じて、子どもの頃を含めて誰かを親友だと思ったことは1度もなかった。
しかし、そんな私にも親友と思える人間ができた。
出会いは7年前だったかな。主催しているイベントにやってきた。
よく喋るやつで知識が豊富だった。どうせその辺の意識高い系の学生か何かだろうと思っていたが違った。
これまで出会った誰よりも頭が良くて何でも知っていた。
会うのはそのイベントの日だけ。終了後に食事をするだけの関係。
素性に関して、彼の口から出てくることはいまいち真実味を欠くことが多く(しかし現実なことも多く)、"本当は"何者なのかはずっと分からないままだったし、周りから「○○くん最近元気?何してるの?」と聞かれることが多々あったのでみんなも知らなかったんだと思う。逆に私のことは"すべて"と言っていいくらい話した。あそこまで何でも話せた相手は彼以外にいない。
引越しや仕事の関係で彼がイベントに来ることが減り、会う回数は極端に減った。突然思い出したかのように電話がかかってきて長電話したり、2時間ドライブして遠方のイベントに一緒に行ったこともあったが、半年に1回会えば多い方だったと思う。
ある年から妻子が里帰りするタイミングで彼が我が家に泊まりに来るのが定番になった。夕方にやってきて、一緒に買い物に行きお酒と食料を大量に買い込み、料理をして飲みながら語る。その頃には会うのはその日だけという感じだったけれど、1年間溜まったものを語り尽くすというわけでもなく早々と就寝し、翌朝朝食後には帰っていく。妻には言っていないため、そこから私は証拠隠滅をするという年に1度のイベント(いまも知らないはずなので読まれたら困るのだけれど)。
そんな"年に1度"を楽しみにしていたのだけれど、昨年は里帰りがなく開催せず。いつだかの電話を最後に連絡も取ってもいない。
結局のところ、誰なのか、何者なのかいまだにはっきりと分からないのだけれど、お前以上に信頼している相手はいまもっていないよ。
元気ですか?また泊まりにこいよ。
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