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【感想・ネタバレあり】PUYEY 6th season『おんたろうズ 〜老々行進曲〜』@三股町立文化会館 観てきた 2024.12.21
先日、Twitter(現X)見てたらこちらが流れてきた。
「おんたろうズ〜老々行進曲〜」
— PUYEY/ぷいえい (@PUYEEEY) December 17, 2024
ツアー最終地の三股公演まであと4日です!
ご予約まだまだ受付中!
〈全2回公演〉
🗓️12/21 19:00
🗓️12/22 14:00
※上演時間は約105分を予定しております
🔽公演詳細はこちらhttps://t.co/ZBWX4wK8N8 pic.twitter.com/oxtucZXrxs
は!そうだった!おんたろうズの続編が三股に来るんだった。大好きすぎてDVDまで買ったおんたろうズだけど、観に行けないと思いすっかり忘れていた。
スケジュール見ると、日曜は野球の練習試合で行けないけど、土曜なら行けそう。しかし、もう木曜。妻に「分かってたなら早く言ってよ」といつものように言われたけれど「いや、本当に今決まったのよ」と謝りつつ、行けることに。
当日は19時の開演なのに、気合い入りすぎて16時には姶良市の自宅を出発し、下道で三股に向かう。コンビニ寄ったり、混んでたりした関係で18時前に都城に到着し、カレー屋さんで腹ごしらえ。
ちょっと満腹になりすぎちゃったけど、文化会館へ向かう。
「おんたろう」とは何者か
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ここで「おんたろう」について解説しておこう。前作見た後でどこかに感想書いた気がしたんだけど、ブログにもTwitterにもインスタにもない。周囲に熱弁しすぎて書いたつもりになってただけかもしれない(その後、twitterのツリー型感想を発見。最下部にまとめてあります)。
前作に当たる「おんたろうズ」は2023年に北九州、日田、三股で上演された作品。チラシにも載っているおばけのような、ロボットのような「いきもの」が「おんたろう」だ(「ズ」は複数形のs)。人間のネガティブエネルギーを下げるために、感情の神様エモ神様から派遣された使者で、人間の怨念が爆発しないように日々見守り、ケアをしている。
おんたろう達は派遣される前に研修を受けており、卒業証書を受け取った後に晴れて人間界に降りてくることとなる。前作では冒頭でその様子が描かれていたのだけれど、今回は無かったので初見の人が見たら「この変な生き物は何なんだ?」って思ったかもしれない。おんたろうにはコードネームがついていて、その番号の下3桁からサンロック(369)、イーニー(112)などと呼び合っている。
ちなみに演者のほとんどは、人間とおんたろうの2役を演じていて、前作では着ている服を後にクルンとひっくり返すことで、おんたろうに早変わりしていた。
「おんたろうズ」は学校が舞台で、主に学校の先生達や生徒の元にそれぞれおんたろうが降臨していた。学校の先生も管理職である教頭先生から、空回りする新人の先生、子育てで仕事をセーブしている先生など様々。おんたろうは人間の多面性を表に出す装置として機能する。人間ってそれぞれ人との関係性によって人格を使い分けていて、教頭先生は学校の中では「教頭先生」として振る舞っているので舞台が学校から移動しない限りは「教頭先生意外のかお」は見えてこない。ところが、おんたろうがいることによって学校のままで教頭先生の個人としての人間臭さが見えてくる。
おんたろうという装置によって「対話」がなされ、一見嫌な人に見えるキャラクターも何かしら苦労を抱える愛すべきキャラクターへと変貌する。
話は変わるが私は、教頭先生がやっていたピカピカ拍手が大好きだ。正確には忘れたが
「皆さんにピカピカ拍手を差し上げます ピカピカぁ!」
こんな「スーを差し上げます」みたいな言い方じゃなかった気もしますが、こんな教頭先生がいたらいいだろうなと思ったし、みんながピカピカ拍手を差し上げあってたら素晴らしい世界になるのになと思った次第です。
てっきり今作が2作目だと思ってたけど、「おんたろうズ」の前に短編演劇バトル「劇トツ×20分」2022、「劇トツ×20分」2023チャンピオン大会で優勝した「おんたろう」があるみたい。知らなかった。
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予約していたチケットをカウンターで受け取る。三股町は以前から演劇に力を入れていて(という印象で)、チケットカウンター、もぎり、場内案内までスタッフジャンバーを着た小学生が担当している。結構な人数の小学生が小さな内から演劇に興味を持ってくれるのはとてもいいことだなと思う。
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入場すると会場内にはおんたろうのテーマソングが流れている。
「おんおんおん!おんおんおん!おんおんおんおんおんおんおん!(ピーッ!)おんおんおん!おんおんおん!おんおんおんおんおんおんおん!
おんおんおんおんおおっおーん おんおんおおんおーん」
文字で見ると何がなんだかだが、とてもポップでキャッチーな歌。楽しい気分になってくる。
まもなく、おんたろうの場内アナウンスが響き渡る。
「おぉ~ん」
開演前の注意事項のアナウンスもおんたろうが担当していて、それだけで会場の雰囲気が柔らかくなる。おんたろうの姿は見えないが、会場の反応によって言い方が変わるので収録された音声が流れているわけではなく、それがまたいい。観客はお客さんとしてではなく、自分もその世界にいるような気分にさせられる。劇中でも、声出しや体操を促されるなど同様の工夫がされている。
開演直前にも同様におんたろうによるアナウンスがされ「私も出るんだった。ちょっと待ってくださいね~」とおんたろうが舞台に現れることで開演となる。演劇の開演というと「日常から非日常の世界に入っていく」というイメージだが、おんたろうズは日常と非日常の世界の境目がない。
さて、前回の舞台は学校で今回はデイサービス。うどん屋さんをワンオペで営むおばあちゃんが、大腿骨を骨折するところから始まり、病院→自宅⇄デイサービスと舞台を移していく。
当日配られた公演パンフには、介護施設に関わったことがないため、取材を重ね、関係者に違和感がないかを確認してもらったということが書かれていた。個人的には、演劇(創作)なのだからそんなこと気にしてたら経験したこと以外演じられなくなっちゃうじゃんとも思うけれど、そこにPUYEYのこだわりと誠実さを感じたし、やはりこの作品は非日常ではないのだなと思わされました。
さて、このリアルさの追求。私も医療福祉関係の職場に勤めるものとして、うんうんと頷かされるところばかりでした。
・病院で初めてケアマネさんと会うシーンで、ケアマネさんがジャケットを着ており「いや、ケアマネジャケットなんて着ないだろ」と思ったけれど、2回目以降出てくるときは制服のポロシャツを着ていて、家族との初回の顔合わせだったのでジャケットを着ていたことが判明(あくまで推測)。
・手術直後:車椅子→数日後:歩行器→数週間後:バギー車→数カ月後:4点杖。
・利用者さんにお菓子を出すと「あなたの分はあるの?」と聞かれる
・片麻痺のある利用者さんにお茶を出すシーンで流れ的に普通にお茶出すかと思ったらとろみ剤を混ぜ始めたシーンは圧巻でした。
一点だけ、違うなと思ったのは、利用者さんの目線に合わせるシーン。スタッフが膝を床に付けていたのだけれど、医療関係者だと膝を床につけるのは不衛生だと思ってします。しかし、これは事業所の方針によって違うので違和感を感じない人もいるとは思う。
それはさておき、前作のおんたろうズでも40歳おじさんにも関わらず人目を憚らず号泣してたんですけど、今回はもうおんたろうが出てきた時点で泣いてました。おんたろうが優しいのも泣けるし、みんな日常の中でうまくいかなくてもがいてるのも泣けるし、それでも生きていかなきゃいけないのも泣けるし、最終的にみんな優しいのも泣ける。
私はPUYEYの戯曲がとても大好きなのですが、今回も大好きなフレーズがたくさん出てきました。
・「下げていきましょう」「血圧だ!」
・心のモバイルバッテリー
・「ネガティーブ」「レアチーズ」
・なんにもなれなくたってあなたが納得すればそれで成功よ
戯曲本とDVD発売してください。買います。
というわけで、まとまりのない感想ですがここまでとなります。
物販、本当はTシャツ欲しかったんだけど、ハンカチと漫画を買いました。
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会場見渡したら知ってる人誰もいないなと思ったんですが、ロビーに鹿児島の劇団の友人がいて今回お父さん役をしていた日髙啓介さんが好きな役者さんだと教えてもらったので、また今度日髙さんの出ている舞台を観に行ってこようと思います。
ロビーにゴロゴだか、ナムサンだか、イーニーだか忘れましたがおんたろうがいました。一緒に写真撮りたかったし、友人が撮ってあげようかと言ってくれましたがおじさんひとりでは恥ずかしくて断ってしまいました。残念。
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そうそう、PUYEYの何がすごいってバランスがすごく取れているところですね。PUYEYは2人組のユニットなんですが、脚本演出を手掛ける右脳の高野さんと音楽、イラスト等アート面を担当する左脳の五島さん。双方がそれぞれの得意分野を存分に発揮し、そこに素晴らしい俳優さんの手を借りて作品を作り上げているところが本当にいいユニットだなって思います。
前作「おんたろうズ」のDVD買えるので是非見てね。とりあえず見たいって方、貸したげるので声かけてください。子どもと見ても楽しいよ。
今作公演ページ
PUYEY 5th season「おんたろうズ」感想まとめ
この前買ったおんたろうズのDVD見てる。おんたろう達が優しくてやっぱり泣ける。#おんたろうズ pic.twitter.com/ykY7DI9U65
— のせ (@nose1119) November 6, 2023
倉田先生からのサンロック、サンロックからの倉田先生好きすぎる。「卑屈になるのは一番よくない」って本当にそうだよね。 #おんたろうズ
— のせ (@nose1119) November 6, 2023
きねぶっちゃんに対するナムサンの「ぴかぴか〜っ」も泣けるんだよ。
— のせ (@nose1119) November 6, 2023
サンロックの「これが一番早いタイミングだ!」も。
本が好きすぎる!!! #おんたろうズ
この前は何か分からなかった、サンロックが教卓に置いたものの正体に気づき、またもや泣いてる #おんたろうズ
— のせ (@nose1119) November 6, 2023
勘が悪いから一回じゃ理解できないこと多いのでDVD買ってよかった。これ戯曲本も欲しいなー
— のせ (@nose1119) November 6, 2023
DVDで三股とは別配役バージョンを見られたことにより「自分のやり方でいいんじゃないですか?」という言葉が先生やおんたろうだけでなく、俳優に対するスタンスになっていることが分かり感動した。 #おんたろうズ
— のせ (@nose1119) November 6, 2023
超狭い範囲だけどピカピカ拍手ブームがきてる。ぜひ多くの人に「おんたろうズ」をご覧いただき、ピカピカ拍手がはやることでみんな幸せになると本気で思ってます。
— のせ (@nose1119) November 17, 2023
✨✨✨🖐️👨🏼🦳🎙️🖐️✨✨✨ https://t.co/AdJPl01su3 pic.twitter.com/MgWYNZ8Vjt
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