インフルエンザで気をつけたい症状とは?/キッズドクター看護師からのお便り
こんにちは。キッズドクター看護師の川村です。
11月に入り、肌寒く感じることも増えてきましたね。キッズドクターでは、ウイルスなどの感染症に関するご相談が増えてきています。
そこで今月は、感染症のなかでも冬に流行し、風邪に比べて症状が重くなりやすい「インフルエンザ」についてお話しますね。
🌟インフルエンザの基本情報
インフルエンザに感染すると、咳や鼻水、喉の痛みなどの風邪症状のほかに、発熱や頭痛、関節痛、全身のだるさなどの症状が現れます。
潜伏期間は1〜2日で、感染経路は咳や鼻水などによる飛沫感染と、飛沫がついたものに触れた手で口や目などの粘膜に触れてしまうことによる接触感染です。
感染を予防するには、基本的な感染対策である手洗いうがい、マスクの着用、触れたものへのアルコール消毒などが有効ですが、お子様が小さいご家庭では予防がなかなか難しいこともあるかと思います。
そこで次から、3歳以下の小さなお子様がインフルエンザにかかったときに気をつけたい症状や、家庭内感染を防ぐ対策についてご説明します。
🌟子どもがインフルエンザにかかったときに気をつけたい症状は?
小さな子どもは症状をうまく訴えることができないため、看病している家族の観察が重要です。
以下にインフルエンザに感染したときに気をつけたい症状と受診の目安をまとめました。参考にしながら様子を見てあげてくださいね。
✅気をつけたい症状① 脱水
インフルエンザは高熱が出ることもあり、脱水になりやすいです。以下の症状が見られるときは脱水が起きていると考えられます。状態によっては点滴が必要になることもあるので、早めに医療機関を受診しましょう。
水分が摂れない、飲み物を口元に持っていっても全く飲もうとしない
おしっこが普段より少ない、オレンジ色になっている
泣いているのに涙が出ていない
口の中や唇が乾いている
ぐったりとして反応が鈍い、泣き声が弱々しい、普段と違ってどこかおかしい様子
小さな子どもは喉の渇きで意識的に水分を摂ることができません。乳幼児用のイオン飲料や好きなジュースなどで、こまめに水分を摂るよう促してあげましょう。アイスやゼリー、プリンなども、水分を多く含み、冷たくて食べやすいためおすすめです。
乳児期の子どもはミルクの1回量が減っている場合、回数を増やすなどして1日の水分量を確保できると良いでしょう。
✅気をつけたい症状② 異常行動・意識障害
子どもがインフルエンザに感染すると、抗インフルエンザ薬の服用の有無に関わらず異常行動が起こることがあります。10歳前後の子どもに起こることが多いとされていますが、小さな子どもでも起こり得ます。最低でも発熱から2日間は、大人が近くで見守るようにしましょう。
インフルエンザで起こる異常行動には、以下のようなものがあります。
突然泣き出したり、大きな声で笑い出したりする
何もないところを指したり、意味のわからないことを言ったりする
急に走り出す
突然起き上がり、部屋の中を歩き回る
異常行動が起こったら声をかけても反応しないことが多いです。焦らず様子を見ましょう。基本的に数分〜数時間以内にはおさまりますが、数分であっても一夜に何度も繰り返し起こる、異常行動が数時間続いていて意識がどこかおかしいと感じる場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
また突然走り出したときに怪我や事故がないよう、ベランダや玄関のドアは施錠しておきましょう。ベランダには日頃から踏み台になるものを置かないように気をつけられるといいですね。
✅気をつけたい症状③ 呼吸困難、息苦しさ
以下の症状が見られるときは、空気の通り道の炎症が強く息が苦しい状態です。すぐに医療機関を受診しましょう。
咳がひどく、夜間も眠れない
呼吸をすると胸がぺこぺことへこんでいる
肩を上下する呼吸をしている
ゼーゼー・ヒューヒューとした呼吸をしている
✅気をつけたい症状④ 高熱に伴う症状が5日間以上続いている
インフルエンザのウイルスは、発症から3日程度経過すると減少していきます。その後少しずつ症状が減っていき、解熱が始まるのは発症から4〜5日程度経過してからです。
発熱が5日以上続く、咳が改善しない・またはひどくなってきている場合には、気管支炎や肺炎などを合併している可能性があります。再度受診しましょう。
他にも、発熱とともに不機嫌さが続く、耳の痛みを訴える場合は、中耳炎を起こしていることもあります。この場合も再度受診するようにしましょう。
熱が高いことが必ずしも重症度を示しているわけではありませんが、熱の経過やその他の症状を合わせてみてあげることが大切です。
🌟インフルエンザの家庭内感染を防ぐ方法
小さな子どもはマスクの着用や適切なタイミングでの手洗いうがいなどの対策が難しいため、子どもが感染した場合、家庭内感染を防ぐためには看病している家族の対策が大切です。
ですが発熱から2日間は近くで様子を見るとなると、感染してしまうリスクも高くなります。子どもの安全を守りながら家族に感染を広げないために、看病の際は以下の点に注意しましょう。
保護者がマスクを着用する
子どもに触れた後はこまめに手洗い・うがいをする
適切な室温・湿度を保つ(冬の快適な室内温度は20℃、湿度は50〜60%)
タオルや食器などの共有は避ける
食事の時間や場所を他の家族と分ける
換気する(部屋の対角線上2箇所の窓を開けると、効果的に換気できます。浴室や台所などの常時換気設備も◎)
寝るときの頭の位置を真横で揃えず、互い違いにする(咳やくしゃみなどの飛沫を直接浴びることを防ぐことができます)
子どもがすやすやと眠れているときは、様子が見えるようにしつつも少し距離を取る
お世話をする人は可能な範囲で限られた人にする(感染拡大のリスクを軽減するため)
鼻水やよだれを拭いたゴミは、ビニール袋などに密閉して捨てる
触れたものや咳、鼻水がついたところをアルコール消毒する
こまめな水分補給とバランスの取れた食事で免疫力を高める
🌟登園許可証の発行はキッズドクターで
インフルエンザに感染すると、幼稚園や保育園を一定期間お休みするよう定められています。お休みの期間は「発症後5日を経過し、かつ、解熱した後3日を経過するまで」です。この期間以降、元気であれば登園を再開してもいいでしょう。
園や自治体によっては、登園再開の際に登園許可証の提出が求められることもあります。登園許可証は、キッズドクターのオンライン診療でも発行可能です。他の病院でインフルエンザと診断された場合でも発行できるので、登園基準を満たしていることを確認してからオンライン診療をご依頼ください。
🌟今月も元気に過ごしましょう
お子様がインフルエンザに感染すると、本人の様子や他のご家族への感染がとても不安ですよね。ご家族皆様が健康に過ごせることが一番ではありますが、「この症状は大丈夫なの?」「ぐったりしているようで心配…」「感染対策はどうすれば良い?」などご不安なことがございましたら、お気軽にキッズドクターのオンライン診療やチャット健康相談をご利用ください。
今月も感染対策をしっかり行い、お体にお気をつけてお過ごしくださいね。