子どもの視力検査は何のため?/キッズドクター看護師からのお便り
こんにちは。キッズドクター看護師の堀です🍀
突然ですが、6月10日は何の日かご存知ですか?
正解は「子どもの目の日」です👀
生まれたときはわずかしか見えていない赤ちゃんの視力は徐々に発達し、6歳までに「1.0」まで見えるようになります。 「6歳で視力1.0を育む」という願いがこめられ、6月10日が「子どもの目の日」となったそうです。そこで今月は、子どもの視力について解説します。
子どもの視力はどうやって発達するの?
生まれたばかりの赤ちゃんの視力は、明かりがぼんやりわかる程度です。生後3ヶ月頃には視力0.02程度になり、動くものを目で追うようになります。そのため3ヶ月健診では、追視ができるかの確認がありますね。
その後も少しずつ発達していき、1歳になると視力0.1程度になると言われています。0.1というと大人だと眼鏡やコンタクトがないと生活ができない視力ですが、普段お世話をしているママ・パパと他の人の区別がつく子どもってすごいですよね😳
さらに成長していくにつれて視力も徐々に上がり、2歳になる頃の視力は0.5〜0.6程度、3歳で半分くらいの子が視力1.0になると言われています。その後、成長に伴って1.0まで見える子どもが増えてきて、6歳にはほぼ全員が視力1.0まで発達します。
視力の問題は早期発見が大切です
この視力の成長期に、成長を妨げる何らかの原因があると、正常な視力を獲得できないことがあります。
人の体はとてもよくできていて、片方の目が見えづらくても、もう片方の目が補ってくれます。体が自然と見えやすい方の目でものを見るようになり、見えづらい方の目の視力の発達が止まってしまうことがあります。
片方の視力は正常に発達していることから生活に不自由はなく、保護者の方が気づくのもとても難しいです。
視力は10歳頃までにほぼ完成するため、それ以降になると治療も難しくなります。そのため視力に何か問題がある場合は、早期に治療を開始するほど視力が改善しやすくなります。
そこで大切なのが視力検査です。子どもが「見える」と話していても、遠くを走っている電車や散歩している犬を見てそれを正確に伝えられたとしても、その子にとっての「見える」が、私たちと同じ景色とは限りません。先述のように、見えやすい方の目が見えづらいほうの目をサポートしている可能性も否定はできないからです。
3歳になったら視力検査を行いましょう
視力の発達を妨げてしまうような原因はないかな?両目でしっかりとものをみることができているかな?ということを確認するために、3歳児健診では視力検査があります。
私自身も子どもがいるのですが、3歳児健診の際、健診会場で検査をしてくれると思っていたら、自宅で検査をしてくるよう記載されていて「本当に正確にできているのかな?」と不安に思った記憶があります。
視力検査の方法については、自治体から届く書面に記載があると思うので、そちらをご参照ください。機嫌のよいタイミングを見計らって試し、1日で終わらなければ数日かけて行っていただいてもよいと思います。
自宅での検査が難しいときは無理に行わず、健診時にできなかった旨を正直に伝えていただくことも大切です。自治体にもよりますが、保健師や視能訓練士が健診会場で検査をしてくれることもあります。
また「スポットビジョンスクリーナー」という機械を取り入れている眼科や小児科では、生後6ヶ月から、機械を見つめるだけで視力の成長を妨げる乱視や斜視などがないかを検査することもできます。子どもの視力について気掛かりがある場合は、かかりつけの小児科などで相談してみてもいいかもしれません。
目を大切に、元気に過ごしましょう😊
健診で視力について指摘されると、なぜ今まで気づいてあげられなかったのだろうと自分を責めてしまう保護者の方も多いです。ですが3歳児健診で気づいて治療を開始できた場合、就学前には視力の回復が見込まれると言われています。この機会に気づけてよかった、きちんと検査をしてよかったと思っていただきたいです😌
今回の看護師からのお便りを読んでいただきありがとうございました。大切なお子様の目のことを考えていただく機会になれば幸いです。今月もご家族皆様が元気に過ごせますように🍀