映画「スマホを落としただけなのに最終章」を観た
「スマホを落としただけなのに(2018)」
「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼(2020)」
に続く三作目の本作品。
あくまで私の感想ということですので、あしからず、と最初に言っておきます。
前の二作品が、もう(悪い意味で)凄かったので、今回は
”二度あることは三度ある”のか”三度目の正直”なのか
を検証するために封切り直後に鑑賞してきました。
もうストーリーが薄っぺらすぎて、観ていてキツかった。
予告でも出てくる犯人のセリフ
「麻美さん、ボクあなたを剥製にしたいんです」
一作目のヒロイン麻美に執着している犯人っていうのはいいんだけど、
まず、その麻美さん、「麻美」として生きていることに問題がある。
思いっきり犯罪だから、それ。
(一作目のネタバレですが、長くなるので気になる人は調べてください)
ここがね、どうも気になっちゃってスッキリしないのに、二作目も三作目も「麻美」として話に入ってくる。整合性が・・・
ちょっとネタバレします
犯人「浦野」は前回の逃亡先からところ変わって韓国に潜伏。
浦野は、その韓国の裏社会のボス(というかNo.2っぽい)に日韓首脳会談に爆弾テロを仕掛け、大統領暗殺を企てる計画に加担するよう言われる。
「韓国をアジアの中心にしたい」という中途半端な野望を口にするキム氏。
20億支払わなければ会場を爆破する!というメッセージを送り、無数のドローンを飛ばし、そのうちの一機が実際に爆発する。
しかし実際は金が欲しいだけのキム氏。20億を手にしたら浦野を殺してトンズラするつもりだった。
そして20億を手にする!
テロに屈する日本政府。割とあっさり 整合性が・・・
もちろん浦野はそんなキム氏の企みはわかっているので、殺されることもなく逃げるんだけど。
韓国で軟禁状態だった浦野の世話をしていたのが、韓国人女性のスンミなんだけど、この人の存在がなんだかよくわからない。
いやわかるけど、でも、どうしてこうなってああなるの?的な扱い。
スンミが浦野に好意を持つ経緯もよくわからない。日本語使うのはいいけど、浦野も韓国語ぺらぺら設定なんだかから、彼女に辿々しい日本語を話させる意味が、すみません、私にはわかりません。
もう最終章だし、やりたいこと全部やっちゃおう!
冷蔵庫の中の食材、全部使っちゃおう!みたいな雑な作りで、キツかった。
またネタバレします
キムの企みを知った浦野はもちろん20億は自分の口座へ。でもって日本政府の情報を流している奴の存在もだいぶ前からわかっていた。それを主人公である加賀谷刑事にそれとなーく伝えていた。内通者がいるよって。でも加賀谷はそれが誰か見当違いなことばっかりして見つけられず。でも観ている側からしても到底ミスリードには見えず、キツイ・・・。
浦野は結局その内通者に撃たれて死んじゃうんだけど、死体が消える。
加賀谷刑事「おそらく僕を殴った人物が持ち去ったのでしょう」
いいのか、それで。
そういえば
麻美さんを剥製にしたいって。
浦野ってば、キムの悪事に加担する見返りに剥製師(っていうのか)を紹介してもらっている。
これがどういうことなのか、って思わせたかったんだろうな。
けど、私は阿刀田高氏の「ナポレオン狂」という小説を知っているので、
へへん、と鼻で笑ってしまった。
映画は観ないとわからない。
映画の好みはラーメンの好みと同じで、全てが万人受けするわけではない。
整合性がないのも、パラドックスなのも、それも一興。
なので、私にとっての今作品は、
★星1
成田凌さんにも
一作目くらいの狂気が欲しかった。
でも星の数は変わらないけど。
ちなみにこちらの小説は超おすすめ。