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映画「TRAP」を観た

10月25日金曜日、公開ホヤホヤの「TRAP」を観てきました。
「TRAP」ってこんな映画↓

◆結論◆
発想はいいけど、それだけの薄っぺらい映画

楽しみにしている方々、ごめんなさい。
でもこれはあくまで私の感想です。映画なんていうのは、ラーメンと同じで人それぞれ好みがあります。気にせず観に行ってください。

さて、この映画はネタバレ、なんていうものはないように思われます。
予告映像でも公式HPでもわかるように、連続殺人犯を捕まえるために「TRAP<罠>」を仕掛けて捉えようとする話なので、
<実は父親こそが連続殺人犯だったのだ!ええ!!>
なんていう展開はない。
もう最初から連続殺人犯は父親だっていうのはわかっているし、超人気アーティストのコンサートが巨大な「TRAP]になっていることも観ている側はわかっている。
この映画の見どころは、父親である連続殺人犯がいかにしてこの巨大な罠をどう抜け出すか?というところにある。警察やFBI、SWATまで出動しての厳戒態勢の中、父親、つまり犯人側の立場でのみ描かれている。

ここまではいいと思ったんですよ
全ての出入り口を塞がれてしまった中、どうやって外へ出るのか。ちょっとワクワクしました。

しかし、このあとの展開がB級ホラーというのでしょうか、
クリミナルマインドの見過ぎなのでしょうか。
FBIの凄腕プロファイラーがいるというのに、犯人の特定がまるでできていない。というか、その前にアーティストとその関係者が無条件で容疑者から外れるシステムがよくわからない。疑われずに会場に入れる関係者からまず疑うのが王道な気がするんだけど、そこはもう(警察内では)解決済みなのでしょうか。それに会場スタッフの、いわゆる<関係者以外立ち入り禁止・従業員専用室>みたいなところで警察官が武装して打ち合わせしてるんだけど、そこに一般従業員のセキュリティカードで簡単に入れちゃう。父は簡単にグッズ販売のスタッフからセキュリティカードを盗み取っているし、お茶のこさいさいで侵入成功。警察の情報も無線もここでGETしているし。

でもね、父、全然うまくいかない。だもんで私観ていて飽き始めました。

つまんないなーと私が思い始める頃、ようやく進展あり。
父にチャンス到来。それは何万人もの観客の中から選ばれた観客が舞台に上がり、一緒にアーティストと歌い踊り、最後には楽屋に行けるというもの。
楽屋からの出口だけはノーマークで外に出られるということを、うまい具合
に手に入れた警察無線で情報を得ていた父は、

これだ!

と、心の中で大きくガッツポーズ(多分)

そのステージに立つラッキー観客を娘になるよう会場のスタッフにうまいこと言った。
いや、うまくどころか、かなりえげつないこと言ってのけた。
連続殺人犯にモラルなし。

そしてなんとうまくいった。

そんなうまいこといくかいな

さすが映画だ!と思わずにいられなかった。

しかも話しかけたスタッフはアーティストの身内だったという。
連続殺人犯の運強すぎ!

でもって、ステージに上がり娘は超興奮状態。
ああ、父にあんなことこんなこと言われた結果だというのに、娘、哀れなり。

そしてコンサートも終わり、いよいよ楽屋から外に出る、その時がやってきた。
一方で、警察関係者は、件の犯人を捉えることができていないままコンサートが終わるということで最後の手段、犯人を取り逃がすものかと、男性客3000人を全て聴取するという荒技に出ることになる。
ここでローラー作戦かい。

出口を目の前にしながら、それを無線で知った父のとった行動とは。
これが、言ってみればネタバレなんでしょう。
なので、ここは避けて、父と娘(withアーティスト)は楽屋口から見事に脱出。自宅へ戻ることとなる。
だから関係者もマークするようにしけおけばよかったのに。

で、このあとはB級ホラーです。
何も知らない家族と一緒にいるアーティスト。このアーティストがある行動に出るんだけど、これが結果として功を奏でたとだけ言っておきましょう。
ネタバレでここに書いてもいいんだけど、なんかみなさん察しがつくような気がする。でしょ?

なんやかんや、犯人がやっと特定できるも、なかなから確保に至らない。
結局最後はよくあるパターンで自宅に父が舞い戻り、そこで確保される、という終わり方。ああ〜捕まる終わりなのか。と思いきや、
最後、護送車の中であることが起こり、父、ニヤリ。で暗転。終了

父が連続殺人犯、で、大掛かりな罠を仕掛けて捕まえようとする、捕物帳だけなら面白いんだけど、ハリソンフォードの「逃亡者」の二番煎じになるのを恐れたのか、(いや「逃亡者」は無実の罪だったし、攻防戦だった)心理部分やサスペンス部分やホラー感も入れてしまって、なんだかもうよくわからない映画になっていた気がする。たとえば、
①母親との確執が犯行動機だったみたいだけど、そもそもプロファイラー目線のシーンがないので、母親の幻影を登場させてもあまりピンとこない。
②超人気アーティストをこんな罠を仕掛けたコンサートの直後に単独行動させるか疑問
③散々捜査網を掻い潜ってきた犯人を一人きりで護送車に乗せることは普通なのだろうか。

まあこの映画は「TRAP」なので、実は犯人確保のためにこれが最大の罠だった、というようなラストに見せかけているけど、なんとも苦しい言い訳にしか見えない。そのキーパーソンの関わり方が、あまりに希薄で華がなさ過ぎるから。そのキーパーソンを有名俳優にしたら、それこそがネタバレなのかもしれないけど、それにしてももう少しやりようがあったのではないでしょうか。

発想は面白いけど、結末まで持続できていなかったような気がするし、
細かい設定があるのに、雑な作りで、不要なシーンも多い気もする。

2時間ドラマか、連ドラのテレビスペシャルの枠を超えられない映画でした。2000円は割高だと思うので、気になる方は1日や学割、会員デーなどを利用するのがいいかと。

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きたがわたまき
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