食べたかったラーメンを食べた
食べたいラーメンがあった。店の宣のやり方には若干の問題があるが、
豚骨醤油のそのラーメンは特に捻っていなくて、時々食べたくなる。
しかし職場からそう遠くない場所にあるにもかかわらず、なかなか行けない。遠くなくても通勤経路から大きく外れていると、ついおっくうになってしまう。そんなこんなでもう何年も行っていない。
しかし今日は違う。自由な時間があるのだ。十分に行けるだけの時間がある。しかも職場から自転車で行ける距離だ。とても秋とは思えない茹だるような暑さだが、屋台じゃあるまいし、冷房だって効いているだろう。今日こそは行くぞ!とシェアサイクルを借りて、昼下がりラーメン屋目指してペダルを踏んだ。
10分も走れば人形町に来られる。
ちなみに「大門」は「おおもん」と読む。「だいもん」は港区芝増上寺だけらしい。そういえば、私の実家でも勝手口ではない門をおおもんと呼んでいたっけ。大きな「おおもん」を入り2〜3メートル先に妙に大きな玄関がある。グーグルアップのストリートビューでみせることができるんだけど、「お前んち、おっばけ屋敷ー!」ばりなのでやめておく。
ちなみに東京23区内ではあるが、きれいな戸建ての中で一際大きくお化け屋敷風な実家である。
で、人形町にあるラーメン屋に行ってきたのだ。
一杯500円という価格も今どきめずらしい。この酷暑と時間が多少ずれていることもあって、待つことなく席につくことができた。
ほうれん草トッピングを頼んで食べたかったラーメンが来るのを待つ。
ひさしぶりだなー嬉しいなー楽しみだなー、といろんな思いが交差する。
そしてほうれん草ラーメンがやってきた。
・・・・・・
正直がっかりだった。味が変わったと言うわけではない。
もちろんまずいわけではない。
しかし、私の知っている味ではなかったのだ。
なんていうか、何かが足りない。
お弁当屋さんの唐揚げが絶品だった。家でも作ってみたが、
なんか違う。何かが足りない。そんな感じだ。
麺を口にしたときもスープを啜ったときも、ほうれん草さえもそう感じた。
何かが足りないのだ。
ひさしぶりに会った仲間が別人に見えた感じというのか。
「お前、変わっちまったな」
こういうことって生きているとあるのはわかってる。
でもとっても残念だった。なかったことになってお腹も空いてるなら、
別のおいしいもので上書きするんだけど、そうもできず。
まあしょうがない。忘れて次へ進もう!
でもやっぱりくやしい。どこかで食べなくては。
しばらく豚骨醤油が私の脳内を支配するんだろうな。
というわけで、また明日。