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サウジアラビア遠征2023雑記

老体にむち打ってACL決勝1st leg参戦のためサウジアラビアに遠征しました。役に立つことや、詳細な旅行記・Vlogなどは他の方々が書いておられるので、私なりに気付いたことを書きます。中途半端に海外旅行慣れしてるひねくれた人間が見たサウジアラビア、という感じで読んでいただければ幸いです。


欧米資本の侵食が凄い

ちょっと前までろくに観光ビザを出していなかった国だとは思えないほど、欧米のチェーン店が多いです。イギリスでおなじみのCosta、カナダでおなじみのTimHortons、アメリカでおなじみのDunkin Doughnuts、世界中にあるMcDonaldsとStarbucksとKFC。チェーン店が目立ちます。
日本のチェーン店も頑張れ。

リヤドでは男女別入口は見なかった

サウジアラビアでは、チェーン店などでも男性用の入口と家族用の入口が分かれていたりすると聞いていましたし、実際にそのような動画も見ました。
が、私が出歩いた範囲で、リヤドではそのような店に出くわすことは無く、飲食スペースも区切られていませんでした。
もっとも、ブライダーへ向かうバスが止まったレストラン(ドライブイン)にはFamily Sectionが設けられておりました。地方にいくとまだまだそういう文化が残っているのかもしれません。

Family Sectionがあるドライブイン

思ったよりも暑くない

あくまで私が行った2023年5月のことではありますが、危惧していたほど暑くなかったです。どうも日中の気温は30度は超えていたようですが、からっとしていたこともあって外を10分くらい歩くのであれば問題なし。帰りに経由したマニラの方が蒸し蒸ししていてきつかったです。
Edge of the Worldツアーでは太陽に照らされて死ぬんじゃないかと危惧しておりましたが、風があってむしろ快適な環境でした。
但し、現地の人はほとんど出歩いてませんし、それゆえ車は歩行者を意識してない可能性が高いので、歩くことのリスクはそれなりにあります。

UBERは便利だけどもう一歩

基本的に海外ではUBER(あるいはGrab)しか使わなくなりつつあります。サウジはUBERかCareemがメインだと思いますが、とりあえず私はUBERしか使ってません(Careemの初回用クーポンコードが分からなくなって悔しくて使うのをやめた)。
なお、立ち寄ったブライダーという街では、Careemのサービスは無く、UBERだけが対応してました。
現地に行った浦和サポのTwitterを見る限り、普通のタクシーよりはUBERの方が安いのは間違いなさそう。
UBERの運転手は4.8~5.0評価の人しか見かけませんでしたが、総じていい人が多かったです。無愛想だな、と思ってたら水をくれたりも(あとでチップつけるからうまい商売でもある)。もちろん、浦和サポだと気付けば(伝えれば)楽しく話せます。
ですが、昼間、おそらくお祈りの時間の問題や、純粋に休んでいる時間だったりもするのでしょうが、12~17時くらいは台数が少なく、かなり待たされます。観光客的には時間のロスが大きい。メトロが出来るとこのあたりの様子も変わりそうですが、もうちょっと登録台数が増えてくれると嬉しいな。

中央分離帯が道路を分断

大きい道路に中央分離帯があるのはどの都市でも共通ですが、リヤドでは十字交差している道が少なく、道路の反対側に行く為には車がかなり大回りしてUターン用のスペースを使うことになります。これが地味に移動時間の無駄を生みます。
渋滞学的には、どちらが正しいんでしょうかね??
信号も少なく、歩行者も道を渡るのは大変です(陸橋を求めて無駄歩きを強いられることも)。

Saitamaの知名度が高い

現地に行くと、Urawa(オラワ)と話しかけられまくるのは、多くの浦和サポが経験したことだと思います。本当に、現地の方々の友好的な雰囲気には嬉しくなりました。
そんな現地のアルヒラルサポやアンチアルヒラルな方と話していると、決勝第2戦試合会場の”Saitama”の知名度が高いことに気付きます。申し訳ないのですが、浦和サポでも試合会場の「キングファハド インターナショナルスタジアム」を認知している人は多くない気がするので、このあたりの熱の差は感じます。
もちろん、試合会場としてのサイタマではなく会場所在地としてのサイタマである可能性もある(”Saitama Stadium 2002”という響きを聞いてないのでこっちの可能性の方が高いかも)ので、このあたり、現地でどういう認識なのか、本当に気になりました。もしかしたら現地では”Urawa”が地名として認識されてない可能性もあるのかな。
もし地名では無く試合会場としての”Saitama”が現地で知られているのであれば、ACL出場クラブのホームスタジアムのネーミングライツの価値は上がるのではないでしょうか。浦和以外に決勝に行けるクラブがあれば、の話だけど。

治安はいい

40代の男性オヤジ目線からは、治安は本当に良好に感じられました。
Boulevard Riyadh Cityには深夜0時を回っても、女性や子供連れが大勢あそびに来てました。道に物乞いがいたりすることもなければ、タクシーに乗っていて勝手に窓を拭いて金をせびってくるような子供もいません。観光地で勝手に押し売りがものを押しつけてくることもありません。
ブライダーでははるばるやってきた浦和サポだということで街を案内してもらいましたし、リヤドのBoulevard Riyadh Cityではアトラクションに招待してもらいました。これがインドやトルコだと睡眠薬の混入もあり得るので絶対に断るところですが、サウジアラビアではそんなこともありません。
但し、次回は「Urawaと言えば馬鹿な日本人がホイホイついてくる」という認識で動く詐欺師が出てくる可能性もあるので、責任は持てません。

水・生野菜は安全?

旅行前に検索してもよく分からなかったのですが、内陸の砂漠にあるわりに、水は安全っぽいです。
私は「分からない国では生野菜を食べない」が家訓になっているので今回もEdge of the Worldツアーの食事で出たサラダに口をつけなかったのですが、Twitter等を追っている限り、腹を壊して声を出せなかったというような人はみかけませんでした。
水は至る所で売られており、なんならUBERに乗っていて運転手さんが渡してくることもあります(上にも書いたけどチップ渡すとこっちがマイナス)。サウジアラビアの物価は日本と大差ありませんが、水は激安なので助かりました。

Animeが人気

現地で浦和の次に話題になったのが、アニメでした。
現地のアニメの発音は“A”が潰れた音になっていて”Enemy”に近く、そのため最初は”Japanese enemy”の話をされたと誤解し、「日本の敵??北朝鮮??」と訳の分からない思考を抱いてしまいました。
私自身はほとんどアニメを見ないので、どんなアニメが好きかと聞かれると、「ドラゴンボールとキャプテン翼」と答えていました。ドラゴンボールは認知度が高くて理解されたのですが、キャプテン翼が全く通じず。Twitterで「キャプテンマジェド」と呼ぶのだと教えてもらいました。

話をしていた体感として、現地で人気のあるアニメはNARUTO→ワンピース→ブリーチといったあたりだと思います。NARUTOはかなり人気が高そうなので、知っている方は話題を振ると話がはずむと思います。

SNSはWhatsAppができると便利。あるいはInstagram

何人かと連絡先を交換しましたが、WhatsAppが確実っぽいです。たぶんインスタでも大丈夫でしょう。私は時代について行けないおじさんなので、WhatsAppが助かります。なお、サウジの国番号は+966。
日本でのACL決勝第2戦の結果を現地の人に報告できるのはなんとも嬉しかったです。本当に、文明の利器様々です。

定番土産のナツメヤシ(Dates)は乾燥されていれば検疫OK

ブライダーで知り合った人に、特産品はDates(ナツメヤシ)だと教えてもらいました。事前準備がずさんすぎてこのあたりの情報皆無で乗り込んだ自分に反省。
その人にデーツ商品のお店に連れて行っていただきました。本当にありがとうございます。
空港の免税店などでも、ナツメヤシ商品は多数売られていますし、リヤドのスーパーでもデーツを使ったお菓子が並んでいたので、おそらくブライダーのみならず国家的な定番土産なのだとおもいます。
なお、事前準備がなさすぎて検疫的にどこまで大丈夫か分からず羽田空港で聞いてみたところ、「生のナツメヤシはアウト、いったん乾燥させたものはOK」とのことでした。

サウジアラビアに関する本(安定の中公新書)

私が読んだのは、高尾賢一郎氏の「サウジアラビア―「イスラーム世界の盟主」の正体」という本。2021年の本なので、昨今の事情(ビジョン2030など)まで記載があります。元々、東京新大阪間の新幹線を往復する時間で読めるように書かれたとのことですから(あとがきより)、東京→リヤドの飛行機の時間があれば読めるようにはなっています。ただ、出てくる人名をきちんと覚えようとすると飛行機の中ではきついかも。素直に世界史の教科書などでいったん頭を整理した方が良かったかもしれない。

リヤド南部の空気感はちょっと違うような気がする

観光客に用事があるのは、最南端でマスマク城あたりだと思います(もうちょっと行ったらCriminal Courtがあるのに気付かなかったのは自分の失敗)。
このあたりまではUrawa、Urawaと声をかけられるのですが……
ブライダーに行く為に、SAPTCOのAziziyahバスターミナルに行くと、なんというか出稼ぎの人たちが増え、(失礼な話ですが)空気感がちょっと違っていました。バスターミナル向かいの料理店にも英語メニューは無し。あれだけ人が行き来する場所なのに、話しかけてくるのはタクシーのみで浦和のウの字もオの字も出てきません。
なんというか、偏見と予断しかない話なのですが、サッカーACLというのはサウジアラビア人の娯楽であって、出稼ぎでこの国に来ている人からは知ったこっちゃ無いものなのかもしれません。

都市間道路はきれいに整備されている

リヤド⇔ブライダー間のバスはお世辞にも乗り心地がいいとはいえません。ブライダーから先まで運行しており夜行運行もありますが、リクライニングが壊れていたり、好き勝手に音楽を流してる人がいたりして、日本の夜行高速バスほどの快適度は期待してはいけません。
他方で、道路はきれいに舗装されており、乗っていてがたがたすることは少ないです。元々道路にBumpが設置されていたり、車線の区切りで出っ張っていたりするのでガタガタ揺れることはあるのですが、基本的にはバスは揺れません。その意味では、乗っていて快適でした。

ブライダー→リヤドのバス

男性用トイレは大便器のみ。シャワー式が中心。紙は無い

海外旅行で日本人を悩ませるトイレ問題。日本のトイレがきれいすぎるのでしょうが、人間それに慣れるとそれ以外のものに苦しみます。
男性については、小便器がないトイレが多数。それゆえ、回転率が悪いです。SAPTCOのAziziyahバスターミナルのような、多数の人間が出入りして、しかもバスの前にやるべきことをやりたいような場所でも個室トイレしか無いから困ります。
その大便器については、ホテルのようなしっかりした場所を除けば、やはり海外らしく紙が無いのがデフォルト。東南アジアでよく見かける、自分でシャワーで水を出す自力ウォシュレット方式が中心です。なので、日本人的には紙を常備しておくのが重要ですね。
自力ウォシュレット方式のため、トイレの床は基本的に水で濡れています。慣れればいいのでしょうが、なんとなく不衛生に思えてしまいます。
場所によっては「紙は流すな」と貼られているのですが、それ以外の場所で紙を便器に流していいのかどうか悩みます(田舎のトイレなどは見るからにぼっとん便所なのでいいんでしょうが)。特に、ホテルのトイレはどうすべきか悩みました。ぼーっとしてるといつもの癖で流しちゃうんだけど。

SAPTCOのAziziyahバスターミナルのトイレ

タッチ決済があれば現金不要。但し、現金は原則として利用可能

どこの国でも見かけるタッチ決済。サウジアラビアも基本的にクレジットカードのタッチ決済で全てをまかなうことができます。今回の旅行で、タッチ決済が利用できない場所は無かったような気がします。
私は今回、税金をカードで支払ったのちの枠回復が遅く、普通の差し込み式カードを使わざるを得なかった序盤に苦労しました。
オーストラリアなどでは現金を受け付けてくれない場所も多いですが、サウジでは基本的に現金は拒否されませんでした。但し、「お釣りは無い」と言われたことは何回かあったので、カードを使った方がベターです。
1点、世界遺産ディルイーヤのテラス入場ゲートはカードで買ったチケットを見せるのが前提になっておりました。
なお、Jarir Bookstoreで現金払いをしたところ、現地の電話番号を求められました(日本の番号は不可と言われた)。電話は無い、で押し通したらどうなってたのかは分かりませんが、現金払いの方がなにかと面倒くさい印象です。

ビザはすぐに出るけれどカードエラー多し

サウジアラビアの観光ビザは事前にネットから申請することになります。例によって偽サイト・詐欺サイトもあるようなので、要注意。
浦和の遠征直前期はラマダンで、この間はなかなかビザが出ないのではないか……という懸念が流れたこともありましたが、実際には登録すれば数分で出ます。
もっとも、カード決済まわりでエラーが出ることが多く、何重払いもしてしまった方もおられたようです。最終的に返金はされたようですが、余計な労力とストレスがかかりますので、エラーが出たらいったん時間をおいてトライした方がいいかもしれません。
私の場合、エラー画面が出たもののメールでビザが届いていました。

ビザは紙で持っておいたほうが楽

入国時以外にビザを使ったのは、マニラのトランジット(悪名高い、パスポートを一旦預ける方式のとき)とホテルのチェックイン時。ビザなんてスマホで見せればいいだろ、と思いつつも念のため印刷していたのですが、特にマニラトランジット時には印刷版なかったら大変だったと思います。

サウジアラビアの感想

とにかく、浦和サポというだけであちこちで話しかけられ、歓待してもらいました。本当に楽しかったです。治安がいいので余計なストレスもありません。
私と縁のある人はサッカーよりも競馬でサウジアラビアに行く人が多かろうと思いますが、現地でサッカーの話題をふるといいことがあるかもしれないので、是非サッカーにも関心を向けてみてください!

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