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スタンフォードMBA留学記(2024年卒業) ⑫東大&スタンフォード比較 その1

最近高校生と話す機会があり、よくある質問の中に「東大とスタンフォードはどう違いましたか?」「東大生とスタンフォード生のどちらが頭いいですか?」といった内容があります。
東大もスタンフォードも、専攻や、学部か大学院かなどで全く違う環境だと思いますので、あくまで私個人の経験に基づくという前提で、学生にとって東大とスタンフォードはどう違うか、自分なりの考えを書いてみます。東大は法学部、スタンフォードはビジネススクールと、どちらも1学年400人程度ではありますが、学ぶ内容や環境などは対極ともいえる経験をしました。

①「頭の良さ」
結論から言うと、東大生のほうが「頭がいい」のではないかと思っています。少なくとも、頭の良さが似ています。というのも、同じ入学試験で測られて入ってくる学生たちだからです。うまく言い表せないですが、頭の回転が速く論理的に考えるのが得意な人が多いように感じました。
スタンフォードでは、より多様なバックグラウンドの人たちがいました。多様な視点が持ち込まれることで議論が豊かになるという考えが背景にあり、例えば、所得が低い世帯の出身である、移民である、代々の家族の中で初めて大学に進学するなど、色々な事情を抱えているなかで、どうしてスタンフォードに入って何がしたいのかということが重視されていました。
「頭の良さ」からは少し逸れますが、象徴的だったのが、スタンフォードでアメリカ出身の学生が、私でもしないようなスペルミスをしたのには驚きました。おそらく東大生は漢字を間違えたりしないかと・・・スタンフォードでは、それもありなのだなと思いました。

②学び方(インプット vs アウトプット)
東大生のインプット力は総じて高く、習ったことを自分のものとして実践する点にはとても優れている気がします。内容が、難しかったり、膨大だったりしてもです。
スタンフォードでは、学生たちのアウトプット力が高いと感じました。発言や議論をする力がとても高いです。逆に、インプットという点では、先生がつい先ほど言っていたことも平気で質問したりします笑
先日、スタンフォードの卒業生向けイベントで、学長が学部のカリキュラムを改善する取り組みについて話していたときに、「知識を得ることよりも質問することに重きを置き、民主主義の市民であるとはどういうことかを探求できるようにする」と言っていました。 まさにそういうことだと思います。
上記の①「頭の良さ」とも繋がりますが、東大であれば「普通に考えればわかるじゃん」で済まされるようなことも、スタンフォードではいちいち議論しないと前に進まないようなところがあるのではないでしょうか。

③学生たちの雰囲気
関連して、学生たちの雰囲気・考え方として、東大生は現実的で地に足が着いている傾向にあると思います。スタンフォードでは、逆に、超絶ポジティブで地から足がプカプカ浮いているように感じました。
授業や先生に対する学生たちの評価にも違いがありました。東大で学生たちが非公式に集めている授業の口コミ・レビューでは、評価軸は簡単にいい成績をとれるかという観点でした。大学受験に疲れてしまったからでしょうか・・・どちらかというとやる気満々で入学した身としてはがっかりしてしまいました。スタンフォードで学校側が公式に集めている授業の口コミ・レビューでは、もちろん宿題の量なども話題になりますが、教えるのがうまいか、学びになるかといった観点で評価されていました。

書いてみたら長くなってしまったので、その2に続きます。こうやって振り返ってみると、それぞれ素晴らしいところや惜しいところがありつつ、どちらもとてもいい環境で、ありがたい経験をさせてもらったなとしみじみしました。


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