スタンフォードMBA留学記(2024年卒業) ④リーダーシップ編その2
スタンフォードビジネススクールでよしとされるリーダー像に合わせて練習して、強くはっきり話せるようになった。ノーと言えるようになった。しかし、これが全てでもなかったのです。
まず、必修授業が終わり選択授業がとれるようになると、ビジネススクール外の学生たちとも会う機会が増えました。それで仲良くなった工学系や教育系の人たちが言うには、ビジネススクールの人たちは苦手、強くて怖いとの評判でした笑
ビジネススクールでは明らかにノーと言えてない私でも、グループワークで「ノーとか言いづらいことを言ってくれてありがたい」とのフィードバックをもらい、驚愕しました。逆に、もともと強いリーダーシップが好きなわけではないので、緩めにしたところ、ビジネススクールなのに話しやすくてありがたいと感謝されました。
ブラジルのチームと仕事をしたときに、アメリカの投資家と面談をしたのですが、そこでアメリカの投資家がビジネススクール全開というか、自信満々で強気なトークを繰り広げてきました。ブラジルのチームメイトは明らかに困惑しており、私が練習の成果を発揮してなんとか強気で返してその場はおさまりましたが、あとであの投資家は大したことも言ってないのになぜあんなに自信満々なんだとショックを受けていました。この戸惑いが痛いほどわかる身としては、だよねだよねーと言って励ませて良かったです。
あ、ビジネススクールで習ったことが全てではないなというのは、インドのチームと仕事したときも、フィンランドのスタディトリップを企画運営したときも感じました。そうした人たちと共感できるのは強みだと思いました。何を教えてるんだ、ビジネススクール笑
結局のところ、アメリカの勝ちパターンという理解です。そしてそれが世界の勝ちパターンになっている現状があるかと思います。ただ、真のグローバルリーダーになるには、その勝ちパターンに戸惑いを感じる人たちとも共感して包含できるようになるべきだと思います。
スタンフォードのMBAは2年間のプログラムですが、1年生のときに、2年生のリーダーシップコーチに相談に乗ってもらっていました。
「地方転勤の経験から色々思うんだけど、日本には課題が山積みで、変えたいことがたくさんあるんだ。でも、これまで信じてきたことを、いきなり現れた私が否定して変えてしまうというのでは、なかなか受け入れられない人たちもいるから難しい」
といったような話をしていたところ、
「さっきから話を聞いててイメージが浮かぶんだよね。大きな船で乗り付けるのではなくて、手漕ぎボートでやってきて住民と溶け込んでいく感じ。こういうリーダーを目指してるんじゃないかな?」
とホワイトボードに絵を描いてくれて、ハッとしました。「そう!黒船で乗り付けて大砲をぶっ放すようなことはしたくないんだよ!」だからこそ、日本的なコミュニケーションスタイルも自由自在に使えないといけない、ということを再認識しました。
それでもうまく調節ができずに、日本の方に強すぎモードで話してしまったり失敗もあるのですが、練習あるのみと思って頑張っています。