スタンフォードMBA留学記(2024年卒業) ②なぜ大学院留学にしたのか
学びの中身に入る前に、よく「なぜ学部ではなく大学院でアメリカに進学したのか」というご質問を受けますので、それについて書きます。
ありがたいことに、中高生のときは夏休みに短期留学(2週間~1か月)をさせてもらっていました。高校2年生の夏には、スタンフォード大学の高校生向けサマープログラムに参加し、大学の説明会にも出席しました。
アメリカの大学に進学してみたい気持ちはありましたが、説明会で配られたパンフレットを見て、費用面での日米差に絶句してしまいました。「4年間で2000万円?!」と驚き、自分の計算ミスではないかと数回計算し直したほどです笑 当時、1ドル80円くらいの円高だったのですが・・・
日本の国公立の10倍の授業料ということで、同じ学士号に10倍の価値の差があるのか、親にそこまでの負担をかけていいのか(そもそも厳しいはずだ)と自問して、よし、日本の大学に進学しようと決めました。
ちなみに、説明会で「アメリカ人には色々な奨学金があるが、外国人は親が学費を支払えることが前提だ」と言われたことも影響しました。当時から色々変わっているので、もし今からアメリカの大学に進学したい方がいれば、ぜひ諦めずに奨学金などを調べたらいいと思います。
大学生になると、費用を抑えながら留学できる機会がとても増えました。①交換留学は、日本の大学に授業料を支払えば、協定先の海外の大学に授業料を支払わずに留学できる仕組みです。また、数々の②留学向け奨学金がありました。私は①と②を組み合わせて、ほぼ自己負担なしで1学期間(4~5か月)の留学をすることができました。また、③自己負担が小さい短期留学・体験プログラム(1週間~1か月程度)も数多く開催されており、私も参加していました。
アメリカの大学への未練はまだありましたが、就職先によっては、会社のお金でアメリカの大学院に留学させてもらえると知り、就活では社費留学制度がある会社を中心に見ていました。
結局、計画通り、アメリカの大学院に社費留学をすることができました(ここまで長かった笑)。ただ、学生のときは知らなかった点として、全員が社費留学させてもらえるわけではない、(私は20代で留学させてもらえましたが)社費留学の多くは30代半ばまで待つ、会社を留学から一定期間内に辞めると費用を返還しなければならない場合が多い、などの制約がありました。社費留学でなくても、大学院留学に利用できる奨学金があることは、あとから知りました。
振り返って、日本で大学進学→日本企業に就職→アメリカの大学院に進学という進路をとってよかったと思う点は、(社会人をしながら進学前にいくらかお金を貯められたこともそうですが)日本での経験を積み、日本への理解を深めたうえで、世界に羽ばたけたことです。スタンフォードの授業でも、日本で自分が培った視点は唯一無二で重宝されると感じました。一方で、このあと書くように、文化の違いなどにとても苦労することにもなりました。