崎陽軒のシウマイ弁当
羽田空港、同義語、崎陽軒のシウマイ弁当。
北海道で生まれ育った僕。東京は遥か遠い。
初めての羽田空港は、「パンダが見たい。」と上野に行った時。
帰りの羽田で何気なく手に取った崎陽軒のシウマイ弁当は、
今でも僕にとっての都会の憧れ。
あれから20数年、数えきれない程、羽田へ飛んだ。
兄に会いに浅草へ、奥さんとディズニーランドに何度も行った。
日比谷公会堂や、後楽園ホール、ラジオの公開収録にも。
博物館や美術館にはひとりで行った。
仕事の研修、打ち合わせ、授賞式もあった。
いつも、崎陽軒のシウマイ弁当を食べて、僕の旅は完遂した。
ささやかながらも、大切な儀式。
今思えば、シウマイ弁当は萌芽のタイミング。次の始まり。
羽田空港は僕にとっての特別。
40歳を超えた僕は今、新たな人生を始めるべく、移住を決意した。
羽田空港までの片道のチケットを予約した。帰りの飛行機には乗らない。
崎陽軒のシウマイ弁当は、しばらくお預け。
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