01 雨に唄えば
はじめに
ミュージカル映画がみたくて、探していた時期にみつけた作品。前知識はゼロ、古い映画だってことしか知らなかった。実は、ウエストサイド物語で挫折してしまったので(なんだか物語も色彩も暗くて、つらくなってみれなかったの。もう一度みてみたい……!)、正直明るければなんでもいいや!みたいな軽い気持ちでみてみた。
あらすじ
無声映画からトーキー(映像と声が同期してる)に移行しはじめたころ、人気スターのドンとリーナも、新作のトーキー映画に出演することになった。リナはドンのことが気になっているけれど、ドンはリーナの性格に愛想をつかしているし、加えて彼女はとんでもなく悪声の持ち主で、トーキーどうする?やばくない?みたいな雰囲気。そんな中、ドンは歌も踊りもうまいキャシーに出会い、大喧嘩を経て、恋に落ちる。そして、リーナの演技にキャシーが声を吹き替えた映画をつくれば万事解決では!?と思いつく。
っていうお話を軸に、歌って踊るよ!
感想
明るいお話だった!よかった!思いのほかコメディが強めでびっくりしたけど、おもしろくてつい笑っちゃった。
人気スターになったドンと、音楽家のコズモの関係性がすき。
最初はコズモが不憫だなって思ってたの。コズモは、ドンが俳優になる前から、売れる前から、一緒に過ごしていた大親友。ドンが映画で成功して、インタビューとかでもドンのことばかりで、コズモには目にもくれない。私だったらすごく悲しい。
でもね、コズモはそんなこと気にするそぶりはまったくみせないの。たぶん、それは今でもドンはコズモを頼りにしているし、とても大切にしているから。ふたりは、過ごした時間を忘れてない、ないがしろにもしてない、今までのふたりの世界の延長として、今が広がっているだけなんだと、思えるの。どっちが上だとか下だとか、そんなものなくて対等で、それは互いに、自分のやることに自信があるからだと思ってる。
コズモのソロとダンスのシーン、びっくりするくらい動くし、歌うし、長い。正直途中で飽きたんだけど、でも、めちゃくちゃに演技というか、踊りというか、動きがうまいんだよな……。人間ってこんなに動けるの??って思う。
ドンももちろんすごくて、ドンとコズモふたりで歌って踊るシーンがいくつかあるんだけど、やっぱり人間とは思えない動きする。バイオリン弾きながらタップダンスするの頭おかしいよ……(ほめてる)。滑舌の練習のシーンも、先生を完全においてけぼりにして、いやむしろ完全に巻き込んで、椅子や机の上でタップダンスはじめるのすごい(ほめてる)。互いの個性が、違いがわかる踊り方するんだけど、不思議とあってるんだよね、なんで??
ドンとキャシーの出会い、キャシーの反応が当然すぎて、ふふってなる。突然、運転中に上から男が降ってきたら警察呼ぼうとするわな……。
キャシー、とても魅力的。気が強くて、正直で、すなお。チャーミングですごくかわいい。ドンがほれるのわかる。ドンとキャシーのデュエット、ドンは始終、とてつもなくやさしい顔でキャシーをみてて、こっちが照れるくらい。目線の熱っぽさが、ほんとうに、ぐっとくるよ……。
深夜1:30に、最高のアイディアが生まれてうれしくて、「Good Morning」を歌って踊りはじめちゃうのだいすき。このシーンが、映画の中でいちばんすき。ドンとコズモとキャシーの、深夜テンションのトリオ。ほんとうに踊りが、動きがうまいというか、すてきというしかない。もう、楽しくてしょうがないみたいな、私もこんな大人でいたい、こんな時間を共有できる友人がほしいって思う。ちょびっとだけ、ポーズとして拗ねたコズモがかわいすぎる、無理。
その後に、有名なシーンがきます。ドンが雨の中、歌って踊る。明るい未来を想像して、浮かれてる。雨の日に外に出たくなるね。踊れないし、職質されたくないけどね!
リーナもね、悪役みたいな立ち位置になってしまってるけど、ちゃんと努力してる、いい子だって思ってる。苦手なことを、努力して克服しようとしてる。姑息な手段を用いていたとしても、なんだろう、憎めないんだよなあって思う。自分に正直で、言いたいことはちゃんと主張する女の子は、かわいいよ。最後はちょっとかわいそうだったけれど。
なんどもみて、なんども曲をきいてる、だいすきな映画。あんまり周りにみているひとがいなくて残念。ぜひみてほしい。歌いたくなる、踊りだしたくなる、すてきな映画。
思わず長く話してしまった、読んでくれてありがとうね。
それではまた、文字の海の中で。