05 バンド・ワゴン
はじめに
この前、ミュージカル映画で人気なのって、どの映画なのかな~と思って調べたの。そしたら、バンド・ワゴンが結構上位に入っていることが多くて、でもあんまり聞いたことがないんだよなあって思って、みてみることにしたの。古い映画。
あらすじ
落ちぶれたダンサーのトニーは、親友の脚本家マートン夫妻にすすめられ、演出家のジェフに会う。夫妻の書いたコメディタッチの脚本を、ジェフにシリアス調に書き換えられ、うそだろに思いながらも、バレエのプリマであるガブリエルと一緒に舞台にあがる話。
だけどうまくいかなかったりうまくいったりするよ!!!ストーリーは明るいから安心してみれるよ!!!うまくいかなかったときの描写が、今の時代ではしないだろうなって表現するからちょっとびっくりするよ!!!
感想
はじめ、主人公のトニーのソロからはじまるんだけれど、その声がすごく甘くて、どきーんとしてしまった。50代の声ってこんなんなん……!?耳元でささやかれたらそれだけで腰くだけるが……!?
ケニーと靴磨きのお兄さんがふたりで踊るシーン、舞台のゲームセンターになんか見覚えあるなあって思ったら、そうだディズニーランドのゲームセンターだ……!この時代のゲームセンターって、ほんとにこういう感じだったんだねえ。自動人形によるタロット占い(出てきたカードに占い結果がかいてある)や、自分の姿が伸び縮みしてるようにみえる鏡、見覚えある~~~!
互いのことを知るために、仲直りするために、一緒に踊るトニーとガブリエル。公園にいく前に、馬車に乗るんだけれど、その乗り方のスマートさよ。トニーがめちゃくちゃ優雅。踊り終わってもう一度乗るときはその倍すてきだった。身のこなしが美しすぎて思わず声が出るレベル……。
ふたりの踊りも、たいへんにきれいで、ふたりの白い服がひらひらとゆれていて、ロマンチックで胸がきゅきゅきゅーーんとする。
この踊り、ラ・ラ・ランドでもみた気がするな……?と思って調べてみたら、やっぱりオマージュみたいだった。あの、夜に黄色いワンピースを着て片手をあげて踊る、有名なシーン。ラ・ラ・ランドって過去のミュージカル映画のオマージュがたくさんだったのね、知らなかった。
ガブリエルも、すごくかわいい。自分の気持ちを正直に話して、泣きじゃくすところなんて特にかわいい。優しくしないで、余計に情けなくなる、っていう気持ちは、すごくわかる。私はかなしさと悔しさと情けなさで、よく泣いてしまって、そしてその泣いていること自体にも嫌になって余計に泣いてしまう。そこにひとがいて、なぐさめてくれたら、余計に。
舞台の残念会で、みんながどんどんそろっていくシーンが、明るくてだいすき。出演者たちが、すてきに明るくて、めげなくて、かならずビールをすすめてくる。
モアビール!モアビール!ビールのつまみは!ビール!!すごい歌詞だ。大衆感がたまらなく楽しい、合唱して、すきに踊って、楽しくてうれしくて、でもやっぱり失敗は悔しい。そうだよね、これから、またみんなでがんばろう。
元気が出ました、やっぱりミュージカル映画、すきだ。
それではまた、文字の海の中で。