マリオ&ルイージRPG 冷静になってからの感想・評価

クリアしてからいまだにテンションは持続しているが、ゲームそのものの面白さはどうだったろうか。

↑冷静ではないほうの感想

シリーズはリメイク以外をクリア済みで、マリルイRPG好きの個人の感想ということに留めてほしい。


戦闘面に関して

コマンド選択の操作違和感

前シリーズではマリオならA、ルイージならBと固定。キャンセルはLかRという具合だった。

今作ではその概念がなくなり、Aで決定Bはキャンセルで統一されてしまった。ルイージの場合最終決定はB選択に戻るのが謎すぎてしばらく慣れなかった。

この仕様変更は違和感しかなく、ルイージを操作してるという感覚がなくなってしまった気がして少し寂しかった。
この寂しさはマリオのターン中にBボタンを押すとルイージがジャンプする。みたいなのが好きだったからかもしれない。(反対もしかり)

ハンマー反撃の違和感

攻撃をハンマーでカウンターするとき、ハンマーを構え続けると落としてしまい大きな隙が生まれてしまう。
なので敵が攻撃する間際まで無操作、タイミングを合わせて構え、ボタンを離すというのが定石だった。

今作は兄弟が剛腕になったのかずっと構え続けることができ、じっくりと離すタイミングを待つことができるようになっている。

初心者に優しい仕様ではあるものの、経験者は物足りない。タイミングが合わなければダメージを受けてしまう緊張感が減ったようにも思える。

にげるコマンドのあっさり感

にげるコマンドを押せば、コインをまき散らすなどデメリットもなく即退場できる。
コマンドをミスって逃げるボタンを押してしまい逃げたくないのに逃げてしまった場面があり、不便さを感じた。

使わないバトルプラグの多さ

差し替えて組み合わせることでバトルを有利にできるバトルプラグは今作の要素。

だが「かってにエクセレント」はタイミングに慣れれば一切不要だし、「かってにキノコ」に関しては体力が100以上減っていても「スーパーキノコ」を使わず、残っている「キノコ」を使う。

異常状態回復系は使っていたが、「かってにキノコ」はこんな仕様だったので二度と使わなくなってしまった。使いたい場面も多かっただけに残念だった。
細かいが「とげバスター」は、ジャンプ攻撃が有効になる要素が欲しかった。

相方が倒れたときの危機感のなさ

「HPがゼロになると、倒れた相方を背負って敵の猛攻をひとりで対処する」というのがシリーズの象徴みたいなものと思える。

抱えるほうはワンテンポ遅れて重そうにジャンプしたり、ハンマーの振り待ちが早くなったりと片方が倒れれば一気に窮地に追い込まれてしまうほどの大きなデメリットだった。

しかし今作の兄弟は足腰が強靭になったのか、相方を抱えても同じジャンプ力で軽々と避けられる。ハンマーも相変わらずずっと構えていられる。

相方が倒れた緊迫感や危機感がなくなってしまった以外にも、「しんどいけどこれ以上相方を傷つけたくない」みたいなものが消えて悲しくなった。

とりあえず拾っときました感がとても強いんだ……

仮死状態の残機に感じられてしまう。
私にとって一番嫌な部分かもしれない。

フィールド面に関して

ルイージの自由行動に伴う不自由

「マリオの後ろにピッタリくっつかないのが新鮮だわー」と喜んでいたものの、後半になるにつれその自由さに不満を感じるようになった。

兄弟は常時見えない糸で繋がれているのか、ルイージを画面外まで離すと「マーリオー↓……」と寂しい声で呼び止められて強制的にマリオが止まってしまう。
始めのうちは「ここにいるよー」とニコニコで待っていたが、そのうち「あ? はよこいや」とルイージに対して苛立ってしまった。鈍くさい弟を待つ兄の気分を嫌でも味わってしまう。

数字を交互に辿ってくパズルではノンストップで自分の色に突っ走っていく。……ルイージをこんなアホの子扱いにして良いのか。せめてLボタンで切り替えを、とは考えてしまった。

ブラザーアクションの切り替えについて

素早くブラザーアクションを切り替えることができない。
フィールドでの大きなストレスで、なぜワンテンポ置いてからじゃダメなのか。
「No!」と首を振るマリオに苛立ちたくなかった。

敵エンカウントの煩わしさ

サブエピソード関連で頻繁に前ステージに行かされ、敵の中をかいくぐって向かうことがよくあった。

敵はたとえ10以上のレベル差があってもこちらへ突っ込んでくるのが煩わしすぎてイライラが酷かった。逃げていくとか、攻撃しなくなるとかそれくらいはしてほしかった。

演出面に関して

マリオ=プレイヤー ルイージ=NPCのような違和感

シリーズを通して「マリオとルイージ=プレイヤー」と2人で1人の一心同体な感覚があったような気がする。兄弟で考えてお互いに意見を出し合って難所を突破する。その会話シーンが好きだった。

今作はどうだろう。難所は「ルイージセンス」ですべて解決してしまっている。ルイージの思いつきにマリオは弟全肯定兄になってしまって、話し合いも少ない。
そのうちマリオの考えてるモーションがフリに見えて萎えてしまった。

マリオと一緒に旅するルイージではなく、マリオ(プレイヤー)を支えるお助けキャラのルイージという印象がついてまわった。

ルイージにはぜひ活躍してほしい。だが、余計なことを口走ってバレそうになったり変装をうっかりはがしちゃったりと、なにかと空回りするアホの子な印象が強くて、ルイージがまれに見せるカッコいい部分が見えない。

そしてマリオの存在が他のRPGシリーズのように個性が透明化して、プレイヤーの分身となっているのが悲しい。

やたらと距離が近い兄弟

再会で抱き合うのはいい。毎シリーズ恒例でよく見ているし「会えて良かったねえ!」と毎回一緒に喜んでいる。

だがブラザーUFOやファイヤアイスのあの近さは仲良しアピールが強めで、人によっては不快に感じる距離感だろう。他のシリーズでもこれほど距離が近いアクションはなかった。
普段使いのアクションで毎回見なければならないので万人受けはしない。

ノリが寒い瞬間

キャラの発言に対してズッコケるのはお馴染みなので平気だが、ギャグ漫画のように目を白黒させて驚く兄弟のノリについていけない部分があった。

ルイージはそんな口をかっぴらかなくても良いじゃないかと思ったり、マリオだけは常に冷静で、驚いてもルイージみたくジタバタしないで地に足着いててほしいという潜在的な思いがあるからだろうか。

また一部のキャラの発言がアウト寄りに目立ち、癖しかない大人キャラばかりという印象が強い。他のRPGシリーズでもいるにはいたが多い。

セーブデータ枠の不足

2週を推奨しているのか途中で変更ができない二者択一の選択を要所で迫られる。だがセーブできる枠が5つと厳しく、データを戻して別の選択を見に行くというのがしにくい。

物語終盤の雑な詰め込まれ具合

世界がおかしくなってしまった後の展開が長い印象だった。真っ赤な世界をずっと旅するのは視覚的にもきついものがあった。

  • キズナのチカラ回収が長い

いろんな島に行って世界の様子を見に行ってほしいからなのだろうが、一気に6組は多いし前半のほうに散らばせても良かった気はする。

また回収するまでに一悶着あったり会話が長かったり踊ったりするのでかなり間延びする。

  • シャダーンツリーが長い(カブじいのやけくそ具合)

アクションステージが大量に用意されていたが、あんなに用意する理由が分からない。水増し要素にしか思えず、ただただダルかった。
「4つくらい回収して差し替えて正解の組み合わせを探す」ってだけだと思ったんだはじめは……

カブじいに関しては「残りの半分はどこにいるんだろう。新たに生えるのかな」などという淡い期待を潰してきた。
あまりにも雑配置。埋まってたカブじいに申し訳ないけど存在しないほうがマシ。

  • もっと絶望が欲しかった幻覚のキノコ王国

幻覚のキノコ王国を見てしまう展開は好きだが、脱出があっさりでもっと楽しみたかった。

むしろ一緒に行動していたと思ったルイージも幻覚だった展開なら、幻覚を振り切って最終的にホンモノと再会。なんてものを考えてしまう。
そうすれば兄弟の揺るぎないキズナの強さを表現することができたんじゃないかと思える。

「思い通りの夢を見せて永遠に孤立させる」のになんで一緒にいるんだよ。そこめんどくさがっちゃダメだろ。

まとめ

マリオとルイージが大好きという前提が、この作品に抱いた不満を全て覆い隠してしまう。

この絵柄の2人が動いてるだけで幸せで、まさに私の「夢」そのもの。
夢に見るほど楽しみにしていたものが現実に現れたのだから、この作品を否定的に見ることができない。

周りの冷静な評価を顧みず、自分が楽しければ良いと「孤独」に楽しむ私がここにいるが、2人が好きだからこその違和感をいま感じている。



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