パンデミックと戦争がグローバリゼーションを殺した
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:グローバリゼーションの本質。中ソ経済ブロック誕生の信ぴょう性。グローバリゼーション消滅の危機という現実。
グローバリゼーションの危機
ニューヨークタイムズは、Pandemic and war damage globalism(パンデミックと戦争がグローバリズムにダメージを与えている)との見出しで、注目記事を掲載しています。(New York Times Weekly April 3, 2022)。
いま、大学で戦略の第一回目の講義を終えたところなんですが、この内容を学生に話したばかりです。
授業の実況中継ふうに話をしてみます。
経営戦略とは外部環境のこと
戦略って何か。それは、外部環境、つまり、今この世界が直面している状況のことなんだ。
それはズバリ、ロシアのウクライナ進行だよ。
でもこれを言い当てた人はいなかった。戦略の学者も、経営学者も、経済学者も、政治学者すらわからなかった。
戦略のことをエラそうに講義しても、ウクライナ戦争が読めなきゃ、意味がない。
戦略とはいま世界を取り巻く環境のこと、これを理解しなきゃ、戦略の理解は始まらないんだ。
そして今回のウクライナ侵攻は、今後の世界を変える可能性が大きい。
戦略を学ぶものは、まず、新聞を読んで、テレビ、ネットのニュースを見て、そして自分で今後の世界がどうなるかを考えなくてはならない。
経営者も学生も。
だから、経営学、戦略だけ勉強したってダメってことだよ。
日本は中国制裁に動くべきなのか
これから中国がどうなるかってことは、サプライチェーンつまりグローバルな供給網がどうなるかってことだ。
ロシアへの制裁が続き、中国もそれに同調する。
そうなれば、各国いや、アメリカの同盟国も中国からの輸入を抑制する。
キミが経営者ならば、そこまで読んで、いまから中国以外から物資を原材料を輸入するてだてを考えなくてはならない、かもしれない。
政治と経済がこれほど露骨に、密着していることが、ここ数十年あっただろうか。
もう商売はやっているけれど、国際政治、世界の動向なんて関心がない、では済まされない時代なんだ。
もし、中国以外にその原材料を輸入するすべがなければ、即刻政府に働きかけなくてはならないかもしれない。
ロシアの逆襲に備えよ
ロシアへの制裁が当分続くだろう。日本はエネルギー問題をどうするつもりなのか。
小麦の輸入の最大国はロシア、パンが1個500円になるという見方もある。
アメリカの同盟国だから、アメリカのロシア制裁に同調しなければならないのはわかる。
小麦は、石油はどうなる。
人質に取られている北方領土はどうなる。
企業家も、国際政治の動向を自分で判断しなくてはならない時代になった。
グローバリゼーションへの疑問
ここ50年の経営学、経済学の流れはグローバリゼーションだった。
それは各国が相互依存の貿易を推進することで、豊かになるという思想にほかならない。
それどころか、相互依存こそが、戦争などの紛争の抑止に役立つというのが、グローバリゼーションのふれこみだった。
しかし、今になってみれば、この相互依存こそが、この有事に世界をパニックに陥れている。
グローバリゼーションとはいったいなんだったのか。
それは結局G7が総貿易量の50%、そして中国とロシアもこの2国だけで
20%を手に入れている。
要するに、グローバリゼーションを世界的に推進した本当の動力は、
先進国のカネもうけではなかったか。
明日に続きます。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
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