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人事の明日を占う⑫今年、人事担当者はいい人材がほしければ「社風」をアピールせよ!

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:企業文化の重要性。Z世代を取り込むには、彼ら彼女らに好かれる企業文化が必要。でも、人事が企業文化の影響を理解してないから、採用活動に使えない。では、どう貴社の企業文化をアピールするのか、指南する。トップ画はhttps://x.gd/ZaLkW

企業文化とは何か

このグラフをご覧ください。

出典:TopResume survey of 10,002 U.S professionals conducted between Sept.1-30, 2019

これは2019年9月に、調査会社TopResumeが、アメリカの1万人のプロフェッショナルに対して行われた調査で、次の転職の際に企業の何を最も重視するかを尋ねたものです。

結果、給料とボーナスの次に、「企業文化」がランクインしたのです。

フジテレビの件で、にわかに社会の話題になっている企業文化とはいったいなんでしょうか。

企業文化とは「職場の相互作用を左右する、支配的な信念と行動prevailing beliefs and behaviors that guide workplace interaction」のことです。

2020年1月16日 The Wall Street JournalB5 Check out the culture before a new job(転職の前にその会社の文化をチェックせよ) Peter Crist, chairman of executive-recruitment firm Crist/Kolder Associates

要するに、企業文化とは、会社に存在する目に見えない思考および行動パターンと言うことです。

「何を言うか、何をするかに迷ったら、先輩や上司のふるまいからわかれよ!」、これが企業文化ですね。

組織風土、社風と言ってもいいです。

若者が切望する企業文化とは

うちは中小企業だから、いい人材なんて採れないよ。

いや、そうとも限りませんよ、先のアメリカの調査を見ると。

日本も変わりませんよ、企業文化がポイントなんですって。

企業文化にいいも悪いもないんですが、Z世代に刺さる企業文化ってあるんですよ。

それはあえて僕の学問的知見と経験と観察で申し上げると、次の3つです。

1.若者の成長を応援する企業文化

各種最新調査で、若者はやりがいのある仕事を通じて、成長したいという希望を強く持っていることがわかっています。

もし、貴社が若者の成長を応援するような文化を持っていれば、アピールしないバカいるかよ。

https://x.gd/5ZLXJ

具体的にはしっかりとしたキャリアプランがあり、中間管理職から幹部に昇進するまでの、具体的な計画と育成されるスキルと能力をはっきり示すことです。

2.サスティナブルな文化

もう聞き飽きたSDGs、持続可能な社会を目指す取り組みですが、これを社是としている企業も多いと思うんですよ。

そうであれば、若者とシンクロしますって。

3.ウェルビーイングな文化

カタカナはあまり使いたくないし、流行語も嫌なのですが、ウェルビーイング(well-being)こそ、若者がデフォルトで求めている価値観です。

まず、差別とハラスメントがないことです。

男女差別はもとより、セクハラ、パワハラ、いじめ等がなく、このルールと暗黙の了解がステークホルダー(企業の利害関係者)全てに及ぶことです。

ウェルビーイングとは、「従業員ファースト」の文化と言い換えてもいいでしょう。

フジテレビはなぜ失敗したのか

フジテレビの企業文化を一言で言えば、90年代に同局がキャッチフレーズにした「楽しくなければテレビじゃない」に集約されているのではないでしょうか。

https://x.gd/YNJ3c

「楽しくなければ」は、従業員のウェルビーイングよりも、視聴率が第一という、価値観がのぞきます。

楽しければいい、という価値観=企業文化は、当然の帰結として軽佻浮薄路線を驀進させ、社会性も倫理もへったくれもないけれど、面白いつまり視聴率が取れる演者をもてはやすことにつながりました。

犠牲になったのは社員だったわけです。

企業文化の伝道師はあなた、だ

いくら声を大にして、3つの企業文化を大事にしていると学生に叫んだところで、ムナシイのです。

なぜならば、採用担当のあなたの言葉一つで、表情ひとつで、学生は貴社の企業文化をかぎとるからです。

そのためには、愛が必要です。

https://x.gd/ZvgIR

採用担当者のあなたは、あなたの企業を愛し、企業文化を気に入ってなければなりません。

あなたは、あなたの企業の写し鏡です。

そういうあなたを見て、学生は「このひとと一緒に働きたい」となるのです。

さあ、今年の貴社の発展は、人事のエースのあなたの伝道師ぶりにかかっています。

ガンバッテ!

野呂 一郎
清和大学教授




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