進次郎構文への新視点。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:意外なところから、「進次郎構文」への賛辞が。僕の陳腐な常識を打ち破ってくれたH氏に感謝です。トップ画はhttps://x.gd/R01Bp
進次郎構文への意外な賛同
今日も大学授業では「書かせる訓練」をやりました。
申し上げたように、決して学生たちの作品をけなさない、ほめる方針です。
ただ、一つだけ迷っていることがあるんですよ。
それは、書くことの鉄則である、「重複を避けよ」は教えたほうがいいのか、止めておいたほうがいいのか、という問題です。
「重複を避けよ」も、凡人の通則であり、クリエイティブな書き手はそんなことにこだわる必要はないのではないか、自分の中でこの考え方が支配的なのです。
迷いの理由は、ここのところ論じている「進次郎構文」です。
小泉進次郎の名言(迷言)を上の句と下の句に分けてみると、両方同じことを言っているのです。
これって、「重複」じゃね?
でも、賛否あるけれどインパクトはダイナマイト級、つまり芸術性は相当高いのではないか。
「重複」というタブーをかるがると乗り越え、クリエイティブをやすやすと実現してしまう、天才性すらある、と言ってもいいのではないか、と思うのです。
天才H子の進次郎構文への賛辞
いや、読者のあなたはもう気がついてますよね。
「野呂のやつ、またあいつのネットワークの変わったインフルエンサーに洗脳されてるな」、と。
そのとおりなんですよ。
ひとりは、僕が当代随一と考える政治の論客である、Oさん。
彼は「進次郎の愛嬌、大いに結構!」とおっしゃってます。
僕はOさんに「愛嬌、やっぱり、ほめていいんだ!」と心を強くしたのです。
もうひとりは、地震学で博士号を持つ、Hさん。
彼はこんなことを言っているのです。
あっ、その前に進次郎構文のおさらいをしましょう。
小泉進次郎構文(迷言)名作22選
(https://machinakamusic-foodfes.com/koizumi-shinjiro-mysterious-words/)
リモートワークができるおかげで公務もリモートでできるものができた
毎日でも食べたいということは毎日でも食べているというわけではない
今のままではいけないと思います。だからこそ日本は今のままではいけない
政治に無関心であることは政治に無関心のままでいられる
プラスチックの原料って石油なんですよ。意外にこれ知られてないんです
約束は守るためにありますから約束を守るために全力を尽くします
調査では増えているから増えたかどうか調査する
育児休業という「休む」という言葉が入っていますが全然休みなんかじゃない
くっきりした姿が見えているわけではないけどおぼろげに浮かんできたんです。46という数字が
打倒ドンキホーテ。打倒パプリカです
エンドレスおっしゃる通り
反省していると言いながら反省している色が見えない。そう言ったご指摘に対しても私自身の問題だと反省している
水と油を混ぜたらドレッシング
水筒を使っていたけど、水筒を使っていなかった
子どもの声は騒音ではない
言葉には「体温」と「体重」をのせる
自由があるのが自由民主党、自由がないのが民主党
気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきだ
政治の世界は戦場だ。いつ命を落とすか分からない。よろいを着たまま寝ているという環境が続いてきた。クリステルさんといると政治という戦場から離れられる
自分が話している姿を見るのが一番のコミュニケーションの方法です
Japan keeps time
私が心がけていることは、自分の言葉に体重と体温をのせることです。
H氏の進次郎構文、新解釈
そうなんです、読者のHさんから、小泉進次郎のいわゆる「進次郎構文」に関して、以下の分析があったので、皆様と共有したいと思います。
天才に気づかない愚かな私
僕は言われてみればそのとおりだと、ひざを打ちました。
そうか、あの一見素っ頓狂に響く言葉は、目の前の光景から肯定的要素を切り出して言葉に出来る、稀有な人柄、才能を表していたのか!
こうした新次郎構文があざけりの対象となったり、知性を欠くと評されたりするのは、的外れではないでしょうか。
Hさんの言うように彼は天才なのです。
皆が彼の言葉を笑ったことで、それが証明されています。
・・だから・・だ、だから・・・だ、というのは同じことを繰り返しています。
申し上げたように、一種の重複で、書き言葉では特にタブーとされる作法です。
それをやすやすと破って、時制を変えて話し言葉で使ってしまっている。
世間が笑ったというのは、インパクトがあったことの証左でしかありません。
あの「二重構文」は、彼の溢れる思いを乗せたものだったのです。
でも、僕は情けないですね、彼の構文を笑ったくせに、H氏の天才的な次元が違うものの見方にひれ伏して、進次郎がわからなかったくせに、
手のひら返して賛同しちゃっている・・
こういうのをスノッブ(snob俗物)というんでしょうね。
今日も、学生に書かせていますけれども、やはり自分に言い聞かせています。
「ライティングのセオリーなどは教えるなよ」と。
進次郎のクリエイティブが、でなくなってしまうから。
いろいろ、僕の進次郎を持ち上げ的な論には、皆様からやさしくたしなめてくださる意見を頂き、ありがたいと思っています。
未熟であるところはたくさんありますが、政治家の条件は「バカみたいに理想があること」だと思っています。
現実はどうでもいい、理想と実力が離れていいとはいいません。
でも、進次郎構文には、彼のみなぎる思いが、いまさらながらに
感じられるのです。
野呂 一郎
清和大学教授