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プロレス&マーケティング第101戦カール・ゴッチと武智倫太郎に学ぶ勝負論

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:マーケティングとはすなわち勝負論だ。ではプロレスの神様カール・ゴッチ、プロレスの最強賢者武智倫太郎先生に学べばいいや。トップ画はhttps://x.gd/TG2dT

カール・ゴッチの勝負論

プロレスにせよ、格闘技にせよ、武道にせよ、ある意味共通の目的は、「勝つこと」です。

マーケティングの目的も、同じ、「勝つこと」と言っていいでしょう。

では、勝つこととは何でしょうか。

プロレスの神様・カール・ゴッチはこう断言します。

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「その時その時の攻防において、最も効果的な技を出すことのみを考え、それを実行するだけでいいのだ」

本朝無双格闘技列伝  夢枕獏 新潮文庫 P16

まさに。

UFCにおける勝負論

例えば、先日行われたUFCフライ級タイトルマッチ、朝倉海VSアレッシャンドリ・パントージャの一戦。

結局、海が、リアネイキドチョーク(後ろから片腕を相手の首に巻きつけて締め上げる技)で敗れたわけですが、この試合において、「その時その時の攻防において、最も効果的な技を出す」とはどういう意味でしょうか。

https://x.gd/ENZiL

例えば、ゴングが鳴って、最初の攻防での最も効果的な技とはなんでしょうか。

その前に、「敵を知り己を知る」ことが必要です。

パントージャは、絵に描いたような総合格闘家で、打撃、蹴り、締める、投げるはオールマイティ。

一方の、海は強いパンチを持つキックボクサーです。

次にゲームプラン戦略を立てます。

海としては、寝技に持ち込ませず、あくまでスタンディングで勝負したい。

パントージャは、1Rは海の動きを見て、実力を判断、ロープいや金網に追い詰めて倒し寝技で仕留める、というところでしょう。

いずれにしてもファーストムーブ(最初の一撃)は、ジャブ的なパンチ、キックが飛び出すはずです。

しかし、海が相手の弱点は打たれ弱いアゴだという情報を仕入れ、それに書けるのであれば、ゴング直後のストレートパンチ、もしくは飛びヒザもあり、です。

金網での攻防は、どんな技を出すべきでしょうか。

ここでは、パントージャに一日の長があります、UFCの八角形の金網リングを熟知しているからです。

海はどう考えてもスタミナを浪費し、頼みの一撃必殺パンチも効かなくされるおそれが十分です。

つまり、海は寝たままの姿勢から、立ち上がるだけしか防御ができません。

寝た姿勢では勝てないので、なんとかスタンディングをキープして戦うしかありませんが、終盤でそう簡単にパンチ、キックが決まらない場合はどうしましょう。

後は本能のままに戦うしかありません。

ストリートファイトにおける勝負論

戦いの文脈が変われば、勝つために使うべき技術、も変わってきます。

このUFC戦は、あくまでプロ格闘技のリングで、ルールがあり、グローブ着用の義務があり、レフリーがいて判定もあるわけです。

しかし、これがストリートファイトだったらどうでしょうか。

それも、

相手が刃物を持っていたら。
複数の敵に囲まれたら。

「その時その時の攻防において、最も効果的な技を出すことを考える」とは、これらの文脈の場合は、明らかにリングでの1対1の勝負とは、異なります。

刃物を持った複数の暴漢に囲まれた場合、逃げるのが最善策であることは間違いありませんが、どうしても戦わなければならないときは、どんな技(技術)が効果的でしょうか。

これがベストの戦いか?https://x.gd/iHjox

刃物を持った複数の敵と戦うには、武道の高段者とて、勝てる保証はないでしょう。

ですからこの場合の戦いの技術とは、ディール(取引)です。

カネをやるから、言うことを聞くから、という条件を出すしかないでしょう。

戦う決断をしたら、まずはナイフの一撃を足で払い、ナイフを落とさせ、それを取り上げましょう。

武道家のあなたが刃物を持ったら、複数の相手でも制することができるでしょう。

いや、そんな都合がよく行くわけがないのが、実戦ですよね。

一度、空手道場で、池袋で刃物殺傷事件があった後の稽古で、相手が日本刀を持っていたら、空手でどう対処するかの訓練をしたことがあるんです。

その時使った戦いの技術が、「背広を使うこと」でした。

背広、上着なら何でもいいのですが、それを盾にして刃物を制止ながら、金的に蹴りを見舞うのが戦略でした。

ビジネスにおける勝負論

手練れの武道家である、武智先生はストリートファイトの場数も豊富に踏んでいますが、一般論として、あらゆる戦いの基本に「弱者戦略」を使うべきと進言します。

その例としてあげるのが「400戦無敗」のヒクソン・グレイシーです。

https://x.gd/MDujR

武智先生はこう言います。

400戦無敗のトリック戦いの技術とは、自分より強いものとは戦わないこと」。

目からウロコでした。

なあるほど、しかし、先生の説明は続きます。

一見簡単に思えるかも知れませんが、実際には自分と相手の実力を正確に見極め、無駄な争いを避けるためには高度な戦略が求められます。まさにこれこそが『弱者戦略』の極意なのです。

https://note.com/aiethics496/n/n3f8a75d98512

ビジネスの文脈だと、近年の日産の失敗があげられます。

技術のニッサンはもう過去のものなのに、EVの電池も開発してないのに、海外でトヨタやテスラが支配している市場で勝負しようとして、負けているのです。

朝倉海にしても、1対多数のストリートファイトに飛び込む向こう見ずも、日産自動車も、やはり武智先生の「弱者戦略」を学ぶしかないように思われます。

野呂 一郎
清和大学教授


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