コロナでの出世はコーヒーブレイクで決まる
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:アメリカのハイブリッドワークの現状。”フェイスタイム”という新パワーワードの理解。コーヒータイムがなぜあなたの出世を左右するのかの理解。パワーランチの勧めとその理由。
だから日本の外交はダメなんだ
こんなニュースがあったよ。ヤフー!ニュースだけれど。
林外務大臣は13日、就任後初めてアメリカのブリンケン国務長官と電話会談し、日米同盟の一層の強化を確認しました。岸田総理の訪米に向けて調整を進めていくことでも一致しています。
林さんは東大出だから、英語は不自由ないのかもしれないけれど、これは英語がどうのこうのの問題じゃない。
日本の外交は相変わらずだなあ、と思ったわけ。
電話会談、このセンスの無さ。
英語が喋れるとかしゃべれないとかじゃなくて、いやそれも大きいんだけれど、まずは初対面で電話は、コミニュケーションのあり方として最低だよ。
じゃあ、何がいいのか。
会いに行くことだ。それも「コーヒーでも飲もうよ」これが正しいんだよ。
外交は全て、いや人とのコミニュケーションは雑談から始めるべきなんだ。
特にコロナのオフィスでは、ね。
それは洋の東西を問わない。これは絶対に間違いない、そう高校生のキミに言いたい。
エリート官僚はそれがわからないんだ。
外国とコミニュケーションをとるのが外務大臣の仕事だろ。
それは日本でいちばん大事なコミニュケーションだ。
それはコーヒーではじめないとダメなんだよ。
林さんが「電話会談なんかじゃダメだ、これからブリンケンさんとコーヒーを飲みにちょっくらアメリカに行ってくる」。
そう言えたらすごく外交に期待できるんだけれどな。
勝手なこと言ってらぁ、キミはそういうかもしれない。
でも、これはハーバードビジネススクールのシーダル・ニーレー教授(Tsedal Neeley)がそう言ってるんだよ。
彼女は最近、リモートワーク革命(Remote Work Revolution)という、まさにいま世界が待ち望んでいるタイムリーな本を書いた人だ。
もう紙で読めなくなっちゃった、手元にあるちょっと古い今年の8月24日付のThe Wall Street JournalはYour game plan for a hybrid workweek(リモートと対面ミックスのオフィスワークで勝つためのあなたの取るべきゲームプラン)っていうタイトルの記事で、このニーレー教授が説いていることは、ただひとつなんだ。
それは同僚や上司とコーヒーを飲めってことなんだ。
15分のコーヒータイムを積極的に他者と過ごせ、これこそがリモート+対面のハイブリッドなオフィスワークの勝利者になる秘訣だ、って言っているんだよ。
フェイス・タイムこそコロナで勝つキーワード
コーヒーを他者と一緒に飲むってことは、要するにリラックスして雑談することだよ。
それこそが仕事において最も重要なことだ、とニーレー先生は言っているんだよ。
これは実は真理だ。洋の東西を問わない人間界の法則だ。
僕は留学も含めて4年半アメリカにいたけれど、渡米前はアメリカ人を誤解していた。
彼ら彼女らはドライな人種だから、ビジネスも本題にいきなり入って、議論を戦わせ白黒つければいい、そう思っていたんだ。
違うんだな。
その前に人間関係を創っておくこと、このほうが、いきなりあって主張をぶつけ合うよりもずっと大事なことなんだ。
このコーヒー雑談の重要さを知っているということ自体が、できる人間の条件とも言える。
コーヒー飲もうと誘ったり、パーティでコーヒーカップを片手に見知らぬ人に声をかける、これがコーヒー雑談名人に必要なスキルだ。
そう言えばわかるだろう、このスキルは人間スキルであり、実は一番高度なコミニュケーション・テクニックでもある。
こういうスキルを持った人は、間違いなくやり手だ。
色んな意味でね。
またあした詳しく説明するけれど、いま、アメリカ企業ではハイブリッドワークがもう完全に企業のデフォルト(共通初期設計)になっている。
このハイブリッドワークの勝者になるには、一人で黙々と働くことじゃないんだ。
では、勝者になるためにはどうすればいいか。一言で言おう。「フェイスタイムを最大化すること」だ。
フェイスタイムっていうのは、文字通り、他者とのコミニュケーションの時間、っていうことだ。
顔を合わせ、笑顔を作り、挨拶し、会話し、議論し、仕事のプロジェクトで同席する。
これをいかに効果的、効率的にやるか、それがコロナ時代の出世を決定づけるんだ。
ニーレー先生は「一人で飯食うな」とも言ってるね。これはコーヒー雑談と同じロジックだよ。これもフェイスタイムの最大利用のひとつだね。
今日の記事を見てくれている高校生以外のビジネスパーソンの方々は、「なんだ、日本と同じじゃないか」と思っているだろう。
そのとおりなんですよ。
その昔、日本でも「パワーランチ」という言葉が流行った。それは、仕事の話がらみのランチ、ビジネスランチっていう意味だ。
コロナ時代に出世したかったら、パワーランチをすべし、なんだ。
5年ほど前、僕はスロベニアで開催されたIMTA(世界経営学教員合宿International Management Teachers’ Association)2週間のプログラムに参加した。
これはケーススタディをどう学生に教えるかという実践をやる合宿なんだけれど、講義の合間にコーヒーブレイクがある。
僕はこの機会を逃さずに、せっせとコーヒー茶碗をもって、色んな人に声をかけたよ。
おかげで、この2週間は非常に実りの多いものになった。30年前のアメリカ留学のときは、コーヒータイムの重要さに気が付かなかったんだ。
シャイな僕にとっては正直、苦行だったけれど、このコーヒー修行は効果てきめんだった。
おかげで世界中にネットワークが持て、フェイスブックのDMで気軽に頼み事ができるようになった。
写真は2016年、IMTAでコーヒーで親友になったウクライナのボロディミアとの一枚だ。
高校生のみんな、世界への一歩はコーヒーから、だよ。
ビジネスパーソンの方々、ひとけのないオフィスで他部門のトップに
どんどん「コーヒーでも」と声をかけてください。
今日も最後まで読んでくれてありがとう。
じゃあまたあしたこの続きを話すよ。
野呂 一郎
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