高校生のための「経済理論のつくり方」
この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:経済とは、経済理論とは何かの理解。今起こっている欧米コロナが原因のインフレの正体。日本の経済は集団的無意識に操られているという新説、奇説。誰も学問を極めてないからお前がやれという激励。以上の言説で悩むこと。
経済学はまだまだ未完だ
経済は、いやもっというと経済学は学者の専売特許じゃない。
なぜならば、経済は生き物であり、固定していないと信じるからだ。
本質というものは確かにあるかもしれない。そしてその一部は経済学の理論に反映されているのかもしれない。
しかし、本質をいうのであれば、それは経済の担い手である人間の“こころ”が動かしているものだと考える。
そうすると経済学は心理学じゃないかと言われる。
そのとおりだ。
しかし、その心理学だって、人間の心理を100%解明できてない。
そもそも心理は、心理学の説くように統計に基づくものでは、ない。
多くの人々がこうした場合にこういうふうに感じる、これで人間の心理を解き明かせるものではない。
要するに、経済は経済学でも、心理学でもはっきりその本質がとらえられていないのだ。
行動心理学、神経経済学は経済の本質である人間の心理を、経済学の観点から解き明かそうとする、新しい試みだと言える。
欧米では、エコノミストや経済学者の経済予想よりも、素人のそれのほうが的中するというデータがあるくらいで、世界はキミだけの経済理論を待望していると言ってもいいだろう。
さて、かく言う野呂はどうなのだ。僕は経済学者ではない、でも、経営学者のはしくれとは言っていいかもしれない。
いや、高校生のキミと同じだよ。素人さんといっておこうか。
さて、そんな僕が「日本経済独立論」という経済理論を創ってみたよ。😁
オレ流・日本経済論
それはこんな理論だ。
今日のThe Wall Street Journalの記事(Is Inflation Sticking Around? Bicycle Makers Offer Some Clues今度のインフレはちょっとしつこいぞ。自転車メーカーがそのヒントをくれている)を引用しながら、この理論を解説しよう。
最近のThe Wall Street Journalの欧米でインフレが猛威を振るっているという報道を見るにつけ、つくぐく思うことがあるんだよ。それは彼我の消費に対する欲求の違いなんだ。
きょう付けのThe Wall Street Journal経済面は、ある英国の自転車メーカーが部品が全然入ってこないで仕方なく20%自転車を値上げする顛末が書いてある。
なぜ値上げかというと、需要があるからだよね、どうしても自転車を買いたいという人が殺到しているからだ。
マスコミは、コロナが一段落してのリベンジ需要などというけれど、まさにその通りで、欧米、特にアメリカではモノやサービスを求めて人々が、コロナに奪われた時間や楽しさを取り返そうと目の色を変えて我先に手を伸ばしている。
その結果、インフレになっている。
需要つまり消費が活発になるのはいいことだ。
しかし、今回はコロナ禍で労働力が足りない、急激に需要が増えたたために供給が追いつかない。
サプライチェーンは詰まったまま。
くだんの自転車屋さんは1年前に注文した自動車部品の大半がまだ来ず、シッピングフィーつまり送料も値上がりし、結果自転車の価格を上げざるをえない。
これに拍車をかけるのが、数日前に南アフリカで発覚したオミクロン株だ。経済の要であるサプライサイド、供給は不透明さ、不確実さをまして、一方需要は上がる一方だ。世界的なインフレが懸念される理由である。
日本経済はコロナと同じで治外法権だ
ひるがえって日本はどうだろう。日用品は値上がりしているけれども、まだインフレというまでには至ってない。それは、インフレに対してのビルトインスタビライザー(built-in-stabilizer内在して物事を安定させるように働く仕組み)のような意識が働いているからだ、と思うのだ。
国民全員が律儀にマスクを外さないのも、このビルトイン・スタビライザーの働きである。
心理学の泰斗・ユンクの言葉をあえて使えば、それは集合的無意識、だ。
昭和の昔、“狂乱物価”という言葉があった、70年代前半、石油ショックに端を発したあの時の痛みを国民は忘れていないのだ。
そしてその国民的無意識は、この国の行末まで予言している。
それは無成長だ。これ以上の成長はできない、そう心の奥底で信じているのだ。
かくしてタンス預金は増えるが、支出、つまり消費は増えない。
これが日本人の全体的危機管理意識、つまりユンクのいうところの経済版「集合的無意識」なのである。
だから今回欧米でトレンド(一時期の流行でない、数年続く傾向のこと)になったインフレは、おそらくこない。
欧米のポストコロナ激烈消費はやってこない。
ほら、飲み屋にだって、食堂にだって、そんなに人は集まっていないでしょ。
それは、コロナを恐れて、じゃない。
これからやってくる今より混迷の度をました”経済の不確実性“を恐れているのだ。
国民の潜在意識、集合的無意識が、その危機を予知しており、消費行動を自粛するという形で、深刻な経済危機を避けているのである。
だから、自民党が政権を維持しようが、立憲が奪回しようが、日本経済はこれからも低め安定のトレンドが続くのだ。いや下手すると一生。
これが、わたしの拙い、新・経済理論だ。
えっ?お前がずっと言ってる「怪奇経営学」そのもの?
やっぱりそうか(´・ω・`)
今日も最後まで読んでくれてありがとう。
じゃあ、またあした気を取り直して書くよ。
野呂一郎
清和大学教授/新潟プロレス
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