コロナで企業に問われる”気づく力“
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:オミクロン株が猛威を振るう世界の航空業界での”衛生強化”の取り組み。利用者サーベイ(調査)をやらない日本企業への違和感。世の中の現下のニーズや動きすら把握せず、鈍感な店舗、企業への失望。
カフェでマスクをしない客が談笑している違和感
某駅地下街のスターバックスを通りかかるんですが、一言で言えば惨状です。
マスクしないで喋っている客がたくさんいます。マスクをしている客の隣には、マスクをしてない客が座っています。
しかし、店の入口にはマスク着用を呼びかける看板が立っています。
金払っている客にそこまで言う必要はない、と思っているのかもしれません。
無用のトラブルを避けようと思っているのかもしれません。
まあ、説明した通りの光景を見ると、そもそもそのスタバのお客さんはマスク着用云々なんて気にしないのかもしれません。
でも、スタバはブランドが傷ついていることに気が付かないのでしょうか。
世の中の流れやニーズに無神経な企業と思われるリスクを、わかってないのでしょうか。
航空機利用客のニーズは価格から衛生へ
BusinessWeek2022年1月24日号は、Keeping Covid out of the Cabin(キャビンからコロナを締め出せ)と題し、エアラインがこぞって衛生対策に力を入れている様子を報じています。
かつて、パンデミックが始まるずっと前は、お客さんが航空会社を選ぶ基準は、1択でした。
価格です。一番安い席を取れなかったら、次の基準はマイルがゲットできるかです。
しかし、ハニウェル・インターナショナル(Honeywell International Inc)の調査によれば、エララインを選ぶ最も重要なファクターは”衛生状態hygine“に変わりました。60%のアメリカ人がそう答えています。
多くの飛行機が念入りな消毒、清掃を機体の隅々まで、毎日行っています。
ウイルスを殺す化学物質を撒き、バクテリアをやっつける噴霧器を使用し、静電気スプレー、菌を殺す紫外線なども使い、ありとあらゆる衛生強化を怠りません。
インディアン・エクスプレス(Indian Express)はロボットを導入、座席の間の狭い空間にも、ロボットのアームが届きクリーニングします。
同社のエンジニア・チーフは「我々は、お客様が衛生に関してどんどん厳しい目を向けていることは知っています」と話しています。
コロナのパンデミックも3年めを迎え、オミクロン株が猛威を奮っている中、旅客会社のお客さんの“清潔さ”に対してのニーズは再び急上昇しています。
この時代まだ衛生に目が向かない企業
データはでてなくても日本も全く状況は同じですし、お客さんの意識も、エララインに限らず同じです。
スターバックスに限りませんが、それなのに、街に出ると、こうした客の安全のニーズに無頓着な店が多いことに驚かされます。そういう店でも混んでいるのは、衛生状態などあまり気にならない客が多いからでしょうか。
お店も、バイトもいないし、いちいち殺菌や消毒などしている余裕がないのかもしれません。
しかし、マスク着用しない客が談笑しているスタバは、どうなんでしょう。
衛生云々の前に、お客さんと従業員の安全をあまりに軽視しています。
気づく力の重要性
アメリカの航空会社の衛生対策に戻りますが、International Air transport Association のデータでは、飛行機利用客の42%がトイレを使うときに不快な思いをすると答えており、1/3以上が機内の再循環する空気を吸うことに恐怖を感じることが明らかになりました。
考えてみれば、そのとおりだと思います。
なぜ、日本の企業やお店はこのことに気がつかないのか。
データを見るまでもなく、世の中の様子を見れば、わかるはずです。
清潔、衛生こそが、いま客商売で一番求められている最重要ファクターだということが。
オミクロンは当分続きます。
これから店を繁盛させたいのならば、トイレの清潔さ、安全性を強化し、アピールすることです。
その都度、トイレのノブをきれいにするとか、やりようはあると思います。
アメリカのデータにもあったように、店内の空気を循環させるのはやめるべきです。
下図のような本格的な換気システムを導入することも、コロナ長期化を視野に入れれば、投資としてペイするはずです。
それができなければ、お客に了解を得て、1時間に一回、空気の入れ替えを励行しましょう。
マスクをしない客には毅然とした態度をとることです。もちろん丁重に理解を求めるかたちで。
衛生を万全にするという、当たり前の気づく力、これを持たないお店、企業は、コロナが終わっても淘汰されるのではないでしょうか。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
それではまた明日お目にかかりましょう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
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