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ガルパンを知らなきゃ、教師の「共感力」はゼロ。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:詳しくもないアニメを授業に使っても、学生は沸かない。なぜか?それは教師の「共感力」が弱いからだ。きのう「合気道の共感力」などと言ったが、この教師は共感力はゼロ、だ。しかし、そこに救いがあらわれた。そうだ、これで行こう。

アニメの授業をしてみました

「現代社会と経営」という授業を受け持っていて、ネーミングの通り現代社会の実相を経営学で解き明かす、という試みです。

きのうのテーマは「聖地巡礼」。

すなわち実際に存在する街をモチーフにしたアニメがヒットすると、ファンが大挙してその地に駆けつけ、街も多くのファンを受け入れるべく「アニメの街」に衣替えをし、結果大きな経済効果が生まれる現象です。

例えばユーリon iceは、佐賀県唐津市がモデルで、ガールズ&パンツァーは茨城県の大洗町が舞台になっています。

https://x.gd/eIZtO

学生にはアニメの短縮版と現地の聖地巡礼の映像を見せて、アニメの経済効果について考えてもらおうと企んだのです。

アニメと共感してない”教官”

このあいだも申し上げましたが、僕はいつも「経営学は面白くなくてはならぬ。当然、経営学の授業もそうだ」と学生に叫んでいます。

しかし、現実はそれができておらず、苦し紛れに表面上面白い題材を出すことがあり、それを「必要悪」などと言って正当化しています。

まずは視覚的に攻めて、やつらの(笑)目を覚まさせるというあざといこともいといません。

若者に人気がありそうなアニメを片っ端から調べ、「ガールズ&パンツァー」をメインにもってくることにしました。

野呂大学講義より

満を持して、アニメを見せたのですが、学生の反応はイマイチで、僕は授業が終わった後、一人反省会のモードに突入していました。

理由は明らかです。

僕に「共感力」がなかったからでした。

一人反省会決行

やっぱり邪道かな、面白くするという趣旨はわかるにしても、若者に迎合が過ぎて、おまえがあまり好きでもないアニメを出したところで、学生が食いつくわけないじゃないか。

きのう、おまえは武智先生に講義を受けたろ? 「共感なくんば喝采なし」、と。
それを思い知っちゃったよな。

おまえがガールズ&パンツァーの大ファンだったら、仮に学生がガルパンを見たことなくても、伝わっただろう。

でも、おまえに授業のメインプロダクツに熱意がなきゃ、ウケるわけないだろ。

「一人反省会の内容」

一人の学生が救いに

そこに、今年入学したばかりのAくんがやってきました。

こんなことを言うのです。

「先生、オレ、先生のこの授業とってないけれど、教室の外からガルパンの声がしたんでずっとすき間から授業見てたんだ。

まさか、大学の授業でガルパンやるなんて、しびれたぜ!」

そして、彼はマニアックなガルパン情報をまくし立てたんです。

「聖地巡礼で一番成功したのはなんたってガルパンだよなあ。もう大洗町は5年位、聖地のまんま。この前も行ってきたよ。街中がいっつもガルパン一色だ。

ガルパンって、今年は人気なくなるだろうと言われつつ、年に1回のペースで新しいストーリーを発表して、人気をつないでるんだ。

そこら辺を経営学で分析してみたら、学生にウケると思うよ。じゃあな!」

Aくんの実際の言葉

共感がなければ学生の力を借りろ

とにかく、わざたらしくても、あざとくても、面白い授業じゃなきゃダメだ、少なくともその努力を学生に見せろ。

変なこだわりは変わっていません。

で、Aくんのおかげでひらめいたんですよ。

「授業作りを手伝ってもらおう」、と。

来週の講義は「ガルパンの復讐」と題して、A君に授業を作ってもらうことにしました

こんなことを聞き出して、授業に反映することにしました。

・経営学の何を出してガルパンと結びつけるか
・ガルパンの現在地
・どのシーンを見せて、どのような解説をするか

野呂の目論見

Aくんが協力してくれれば、僕の共感力がなくても、エンタテイメントな授業になるのではないか・・淡い期待を抱きながら、僕はひとり静かにガッツポーズを決めたのでした。

ひとりごちながら。

「おい、この手法、他の授業にも使えるんじゃないか?」。

あざとい、あざとすぎる!

https://x.gd/9f9Rr

野呂 一郎
清和大学教授

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