アメリカ人がまだ待望する、トランプの中のWWE的なるもの。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:米マスコミは必ずしも反トランプ一枚岩でないという事実。前任者オバマへの潜在的不満。ベネズエラ独裁に一石を投じたトランプはいいひと?WWEとトランプの米国民を引き付ける共通要素とは。
トランプ氏史上最高ツイートとは
きのう、格闘技ネタで格闘技スターたちのSNSのあり方を批判しました。
そして、彼らだけではなく、権力者を含めあらゆる人が、ネット上での発信については過ちを犯すから、細心の注意が必要と述べました。
さて、ネット上の発信力といえば、トランプさんのツイッターが最強でしたよね。
よきにつけ悪しきにつけ、いやほとんどそれは悪しきものがほとんどでしたが。(笑)
The Wall Street Journalのバックナンバーを整理していたら、偶然この件に関しての示唆深い記事が出てきたので紹介しましょう。
2021年2月21日のエディトリアル(社説)で、タイトルはズバリそのまんま「Trump's best tweetトランプ最高のツイート」というもので、ツイートの全文はこうです。
ロペス氏はベネズエラの野党ポピュラー・ウィル(Popular Will)のリーダーで、現政権のニコラス・マルード氏(Nicolas Maduro)に2年前不法に投獄され、13年の懲役刑を受けています。
独裁者マルード氏によるこの暴挙は、食糧不足、医薬品不足に苦しむ、堕落したベネズエラ経済に対する国際的な批判をかわす狙いとみられています。
The Wall Street Journalの論調は、「トランプやるじゃないか」というものです。
政権末期のトランプが人気取りのために放った一矢かもしれませんが、とかく世界の独裁者に甘いと批判されていたトランプの「ベストツイート」だと手放しのほめようです。
面白いのは、The Wall Street Journalがこの記事のサブキャプションでこんな風に書いていることです。
前任者とは、もちろんオバマ大統領のことです。
僕はオバマが大統領になった当時、アメリカで自分なりにオバマ周辺の取材をしたのですが、黒人初の大統領ということで期待が高かったと感じました。
しかし、任期中、彼は結局、何もやらなかったんです。特にひどかったのは、北朝鮮も戦略的沈黙とか言って何もやらなかったことです。
この間、世界は徐々に危険度を増していきました。
オバマケアもいまだに賛否が分かれています。
トランプ政権の誕生は、個人的にはオバマの反面教師ではないかと思っています。
でも結構、最近、The Wall Street Journalあたりが、オバマ批判をぶつけてくるんですよね、
それはしばしば、このようにトランプを持ち上げる文脈の中で出てくるのです。
ニューヨークタイムズは反トランプ色が鮮明ですが、The Wall Street Journalはこの通り、トランプ待望論みたいな記事を出すし、ほかのマスコミも目立ったトランプ叩きは意外にやらないですね。
それは思うに、トランプさんがかわいいからじゃないかな。
WWE、ワールド・レスリング・エンタテイメント。ご存知、アメリカ、いや世界最大最強のプロレス団体。その勧善懲悪のパフォーマンス絵巻はアメリカ人を熱狂させてやみません。
トランプさんも何度も、WWEのリングに上がっていますが、ほんとにあの空気に溶け込んでますよねえ。
さて、今日もうひとつ僕が言いたかったことは、正しいツイートをすれば、このようなかたちでマスコミも取り上げ、応援し、持ち上げて、結果世の中に大きな影響を与えることができる、ということです。
そのポイントはやはり時代を読んでいるという知性、です。
ツイートは、SNSの投稿は、そこに時代を読んだ知性があれば、自然に拡散し、マスコミが取り上げることになります。
それがインフルエンサーによるものならばとくに。
格闘家よ政治家よ、時代を読む知性を持て。さすれば世界をとることだってできるさ。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー