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日本の経済戦略提言:「国ガチャ」を嘆くトランプ支持者を日本の労働市場に取り込め。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:少し前にnoteに投稿した英語で書いた日本企業論の日本語訳です。きのうリモートワークをめぐって日米企業の比較をしたので、ちょっと関係あるかなと考えて、日本語訳ですが、掲載してみました。ちょっと原文にはない、よけいなことを付け加えてございます。

この記事は以下の、すでに発表したnote記事を日本語に訳して、一部改変したものです。

無慈悲な解雇に傷つくアメリカ人

昨年、ツイッター社が何万人ものスタッフとエンジニアをクビにしました。

表向きはツイッター社のさらなる改革のためとのことでしたが、新しい経営者兼オーナーの命令です。

解雇された人々は、深い悲しみのなかにいました。

メタ等他のIT巨人も、ツイッターの大量解雇にならいました。

「それがどうした?」

あなたはそう言われるでしょう。

確かにきのうゴールドマン・サックスが1200人レイオフしたなどと、お話しましたが、千人でも万人でも、何十万人でも、突然クビにするなどはアメリカ企業の見慣れた光景ですよね。

物事には、明るい部分と暗い部分があります。

解雇は暗い面だけではなく、弱者は労働市場から追放というシビアな競争原理で、アメリカビジネスの繁栄に大きく寄与したとも言えます。

政治家がことあるごとに言う「労働の流動性」をアメリカが羨ましいばかりに実現しているのは、「働きが悪いやつはクビ」にできるアメリカンシステムのおかげです。

強いものが勝つ、これが資本主義の原理だからしょうがない・・・

深刻なアメリカの分断

しかし、これがアメリカ社会の分断を生んじゃったんでしょ?

https://x.gd/yjLIU

ただそれだけじゃないですよね、僕が経験からものを言うと、アメリカの分裂っていうのは、gifted(ギフテッド才能のある人、生まれつき恵まれている人)とそうでない人の分裂なんです。

でも、これも資本主義が原因といえばそうですよね。

ギフテッドは結局、お金もちに生まれた人ってことですから。

僕は何度も言っているとおり、アメリカ企業に勤めたはいいが、社長にしてやると言われたのに、1年持たずにクビでした。

でも、もっと才能があれば、クビにされずにすんだかも、です。

資本主義社会は、「非情のライセンス」(昭和ネタ)です。

https://x.gd/uIfZn

弱者をどう救済するのかが国家の新課題

弱いものの気持ちなんてわからないんです。

弱者はつらいことは、アメリカ人も例外でないと教えてくれた本があります。

Living Through Job Loss By Ann Kaiser Sterns in 1995

この本を読んで、自分でもクビを切られて思ったことは、「経営者はクビを切っちゃいけない」ということです。

この本がしみたわけは、解雇されるということは人種、ジェンダー、国籍の違いを超えて、失職することは人間にとって非常なショックであり、悲しみであり、自尊心が傷つく体験である、ということです。

「アメリカ人は慣れてるよ」という人がいますが、この本は全く反対のことを教えています。

データ的な数字はないものの、クビを切ることの社会的なコストのほうが、メリットよりも大きいのではないでしょうか。

ストレスやショックにより通院だとか、自信喪失で人生も喪失したりするコストは、案外大きいのではないかと推察します。

日本企業のいいところっていうのは、きのうも言ったけれど、ローテーションつまり職場と職務の異動があることですよね

この仕事で無能でも、あの仕事では有能であるかもしれないっていう、労働感が楽観的と言うか、案外人間を信じているおおらかさと言うか、「非情のライセンス」ではないのです。

トランプ支持者を日本の労働力に

トランプを応援している人たちは、「国ガチャ」ですよね。

「オレたちゃ、不幸な国アメリカに生まれてきちまった」という人々です。

つまり、普通のギフテッドじゃない人は、不本意な人生を送るようにできてるのがアメリカっていう社会ですよ。

だって、大学行くのに年間300万以上かかるのが当たり前なんですよ。

大学に行きたくても行けなかった人たちが、過酷なサービス産業に勤めて低賃金に甘んじ、エリート大学卒業してゴールドマン・サックスで働いてた人たちを仰ぎ見る、という社会構図ですよ。

そういう非ギフテッドの労働者は、日本が羨ましいかもしれませんよ。

世界は本格的な労働者不足の時代に入りました。

良い人材をグローバルにとってくることができる企業こそ、現代の覇者です。

日本企業は優秀な人材を、国ガチャを嘆くアメリカからもらってきましょう

https://x.gd/uIfZn

トランプ支持者は、典型的には高卒で、競争絶対主義ではありません。

彼ら彼女らに、日本企業、日本とアメリカの労働システムの違いを訴えれば、案外大きな賛同を得られるのではないでしょうか。

僕が大企業の人事部長なら、こうしたアメリカ人をスカウトし、日本流労働システムを理解しもらい、日本語教育を施し、幹部候補として終身雇用のラダー(階段ladder)に乗せますね。

僕は日本の国際化は、潜在的な日本ファンを日本の労働力に巻き込むこと、そう考えるのです。

野呂 一郎
清和大学教授


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