マスク氏のツイッター買収は失敗に終わる理由
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:カンタンなツイッター社の総合的経営分析。経営に置いて最も大事なのは人というありきたりだけど、正しい前提。イーロン・マスクのツイッター、買収に必ず存在する裏とは何か。
またシンクロニシティが来たかな
このあいだシンクロニシティの話をしましたが、なにかシンクロニシティの話をすると、シンクロニシティが来るような気がします。
さっき来たんですよ。
実は連休中古いThe Wall Street Journalの整理をしているんですが、「noteで使うには半年前だから古すぎるなあ、でもツイッター社に関するものでも出てきたら面白いのにな。」
そう思っていたら、昨年の7月28日付けの記事で、ツイッターに言及している面白い記事に出くわしたんです。
これを読んで僕は、「ツイッターはこれからの会社だ。イーロン・マスクが買収したらツイッターはダメになる」と直感したのです。
経営分析とはなにか
なぜダメなのか。それは、今のツイッター社の経営が正しいからです。
無論、財務諸表を詳しく読み解いたわけでもないし、コンサルティングに入ったわけではありません。
しかし、経営学的なポイントというものがあります。それは一言で言えば方向性、です。ツイッターはこれがしっかりしているんです。
経営分析、これはオレ流なんですけれども、戦略、マーケティング、財務、人的資源管理、組織論このすべてで、成長する方向性というものがあるのです。
ツイッターはこれを満たしている、そのように判断したんです。
ちょうどいい、皆様に僕流のつたない経営分析をお目にかけましょう。
あまりにカンタンなので披露するのが恥ずかしいのですが、これです。
人事のキーワードはフレキシビリティ
このThe Wall Street Journalの記事のポイントは、ツイッター社が社員にリロケーション(relocation移住、移転) を奨励していることです。
ツイッター本社はサンフランシスコにあるので、どうしても社員もその周辺に集中します。
CEOのジャック・ドルシー(Jack Dorsey)さんは、この「中央集権体制」を好まず、組織も社員も分散型にしようとしているんです。
その大きな目的は、優秀な社員を全米全土から集めることです。
たとえば、ジョージア州のアトランタにオフィスを展開しようとしています。黒人主体のサイエンスの聖地ですし、エンジニア、テクノロジー、数学にすぐれた学生がたくさんいるからです。
ツイッター社のHR担当重役ジェニファー・クリスティー(Jennifer Christie)さんはこう語ります。
「今どきは、働き方はフレキシブルでなきゃ」。
リロケーションも、従業員からの要望でツイッター社あげて、推進することになったというのです。
なぜ、マスク政権が危険なのか
それは、上図の戦略にあります。
マスクさんは「言論の自由を守る」を掲げて、今回のツイッター社とのM&Aディールの戦いに臨んだわけです。
これは政治的なことになっちゃうんであんまりいいたくないんですが、どうなんでしょう。結局マスクさんはトランプさんのツイッター・バン(排除)を戻したいんでしょう。
今日の報道では、戻す、って言ってますよね。
世の中は、言論の自由をたてにトランプ・アカウント復活を支持することに傾いているようですが、僕は反対です。
言論の自由をタテに、誹謗中傷があふれることを危惧するからです。
私企業のツイッターが言論の自由をどうこうすんじゃねえ、といかにも正論ぽいですが、私企業は私企業として、社会的判断をする時代だと思っています。それが、社会的責任であり、同時に戦略的方向性なのです。
最強の経営はシンプルにあり
さて、戦略、人的資源以外の解説を少しだけ。
マーケティングはプライバシー尊重。
これは、前にもたくさん書いたのでいいことにしましょう。
ツイッターがこれを守る方向であることは、トランプさんのアカウント排除に読み取れます。
組織論、中央集権はダメですよね、この変化の激しい時代に。
そして、企業文化を大事にしていることが、僕は現代の強い組織の最優先事項だと考えます。
つよい組織風土(文化)とは、自由とフレキシブルを愛することです。
ツイッターにはそれがあると、様々な報道から読み取れます。
財務に関しては、単に成績を数字で表したものだから、それを分析しても現状しかわかりません。
ポイントは、各財務項目の強弱です。
投資をしているか。それも正しい方向の。
そういう形の財務諸表であることが大事だと考えます。
それは、開発にカネをかける。人にカネをかける。
それがブランドにつながる。
ブランドが確立すれば、販管費はいらない。
以上、超簡単な理屈です。
イーロン・マスクの真の野望
イーロン・マスクはツイッター社の経営を変えるなんて言ってますけれど、僕的には立派な成長戦略を描けてると判断してます。
マスクさんも、そんなことはわかっているんじゃないか。
今回の買収に関しては、意図が別のところにあるんじゃないかなあ。
トランプ次期大統領への援護射撃だとすると、狙いはトランプも企んでいる宇宙事業か、それとも電気自動車の覇権か。
いやマスクさんは、言論の自由の絡みで、もっともっと壮大な地球征服プランみたいなものをかんがえてるのかも、です。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー