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対面とデジタルで相乗効果を生むには

 この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:「ウォールストリートのアナリストが、シェイクシャックの財務担当に転身」をどうみるか。ファストフードのデジタル化が店舗内での飲食を増やしている可能性。新しい”経験価値マーケティング”とは。

財務にテコ入れするシェイクシャック

 昨日シェイクシャックの将来性を持ち上げましたが(笑)、偶然なのかBusinessWeek2022年9月26日号を読んでいたら(P15)、そのシェイクシャックの財務担当(チーフ・ファイナンシャル・オフィサーChief Financial Officer最高財務担当者)のケィティ・フォージティさん(Katie Fogerty )のインタビューが載っていたので、紹介しましょう。

ケィティ・フォージティさん https://qr.quel.jp/pv.php?b=3fKzmf5

まず注目したいのは、彼女は元ウォールストリートのアナリストだということです。

ワシントン大学で財務を修めBSBA(経営管理学士号Bachelor of Science in Business Administration〉を取得、世界最大の金融機関ゴールドマンサックスの主任エクイティ・アナリスト(equity analyst 株式アナリスト)として16年勤務していました。

彼女は財務のスペシャリストとして、特に食品業界の人事とテクノロジーの分析に定評がありました。

記事では明らかにされていませんが、彼女をヘッドハンティングしたことにシェイクシャックの戦略が感じられますね。

デジタル化で強化される戦略

それでは、BusinessWeek誌のインタビューを見てみましょう。

インフレの影響は

もちろんインフレの影響はレストラン業界全体を襲ったわけですけれど、もちろん影響なしとはなりませんでした。

賃金の調整は大変でしたし、肉牛、乳製品、卵、紙とかパッケージまでありとあらゆるモノの価格が上がりました。
 
しかし、そんな中にあってプレミアムで高品質な原材料を使った製品で、お客様に素晴らしい飲食体験をお届けするということにフォーカスできたのはよかったです。

それこそが、昔からあるファストフードを我々を差別化しているものなのです。お客様はそれを支持しています。

コロナはあなたがたのビジネスを変えましたよね

パンデミックの前には、デジタルを通じてのセールスはほとんどありませんでした。
 
しかしコロナが襲ってきて以来、我々はデジタル化に全力を尽くすようになりました。

アプリ、 Web サイト、民間のデリバリーサービスなど、今は店舗は除いて、セールスの43%がデジタルチャンネルからのものです

店舗内の売上は、でも倍になりました。

デジタルの大きなアドバンテージは何ですか


 我々はお客様に、デジタルのチョイスもありますよ、ということをお教えしたいのです。

アプリやウェブでオーダーすれば、すぐにお持ち帰りいただけます。

お客様とデジタルでつながると、新製品や期間限定の商品をお知らせできるのがいいですね。

デジタル化で、お客様に戦略的なアプローチをとることができるようになりました。

実店舗の役割はどのくらい重要ですか

実際のお店は、お客様にジャーニー小旅行を楽しんでいただく場所なのです。

「たまにはジャーニーもいいね」って言っていただきたいのです。

ジャーニーとはお客様が料理が満載のメニューを手に、あれやこれやと迷って、注文を楽しみ、ゆっくりくつろいで飲食を楽しむひとときです。


https://qr.quel.jp/pv.php?b=3EnHCvR

お客様は、好んで期間限定商品を注文されることが多いですね。

また食事をリッチにしようと、いろいろ頼んでくださいます。

お客様に合わせて、スタッフも入れ替えたりすることもできますし。

いろいろなシェイクシャックを、お客様には楽しんでいただきたいですね。

デジタル化は実店舗売上に貢献しているのか

ここからは仮説になりますが、答えはYesです。

業界アナリストとしての、彼女のシェイクシャックへの評価は、

経験価値マーケティングをしっかりやっている」というものです。

彼女が”ジャーニー”と表現する、お客様が食事を楽しむ経験をより素晴らしいものにしようとコミットしてる頑張ってる企業、それがシェイクシャックなのです。

コロナで実店舗の売上が倍になったのは、デジタルで知名度が上がり、そのおかげで実店舗に客が訪れるようになったと想像できます。

経験価値をそれだけ気にしている企業だから、デジタル注文という”ジャーニー”も頑張っているはずです。

例えば注文しやすいデジタルシステムのデザイン、電話対応、配達の迅速さ、丁寧さ、などなどでも抜かりなくやっているはずです。

デジタルでいい経験をしたので、実店舗ではもっと楽しい食事ができるんじゃないか、そんな期待が膨らんだんだと思うんです。

いずれにせよ、デジタルでも対面でも”経験価値”を高めること、これがファストフード・ビジネスの新たな黄金率ですよね。

しかし、忘れてはいけないのが、昨日申し上げたように、シェイクシャックの経験価値は”フィール・グッド”という隠し玉を持っていることです。

フィール・グッド、つまり、「肉牛に苦しい思いをさせてない」という、”いい気持”です。

フィール・グッド・マーケティングについては、これをご覧ください。

今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
 
                           野呂 一郎
             清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー

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