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出社初日で会社やめる若者をなくすための、「会社とは何か」入門。
この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:若者は会社という存在を知らなすぎる、いや、働くということがわかってない。これは大人と若者双方に責任がある。すべての働く前の若者に「会社論」のすすめ。
不幸なミスマッチ
まだ4月だというのに、入ったばかりだというのに、もう会社を辞める若者がひきもきらないという。
出社初日で辞めたケースも珍しくないという。
理由を聞いてみると、実にくだらないんだ。
「希望の部署に配属されなかった」とか、「先輩が元気がなかった」とか、「社長にやる気あるのか、と言われた」とかなんだ。
なぜ、くだらない、とか言うのか。
それは、会社のいろは、を若者が知らないからだ。
これって、インターネット時代の落とし穴でもあるんだよ。
何でもかんでも、ネットで情報が手に入ると思っている。
でも、若者は、会社とは何か、という根本的なことがわかってない。
それはなぜか、というと、働くというような一筋縄ではいかないことは、ネットの情報を読んでもわからないからだ。
それは30年くらい働いて、酸いも甘いも噛み分けた経験のある大人が、キミの質問に答えながら、丁寧に説明しないとわからないんだよ。
インターネットじゃダメなんだって。
会社とは何か
インターネットで会社なんて、働くことなんて、わかるもんかと言ったけれど、あえてここで「会社とは何か」をキミに教えよう。
分からなければ、質問してくれたまえ。
会社とは何か
1.会社はキミにウソをつく
2.会社はキミのやりたくない仕事を無理やりやらせる
3.会社はキミの行きたくない場所に無理やり行かせる
4.会社はキミを脅す
5.会社はキミを辞めさせない
4.会社はキミにパワハラ、セクハラをする
解説しよう。
今日は時間と紙面がないから、1だけに絞るよ。
1.会社はキミにウソをつく
まず、入社早々会社はキミにウソをつくんだ。
冒頭の例でもあったけれど、「どこどこの部署で働きたい」と言って「わかりました」って言ったのに、それが条件だって言ったのに、入社早々、希望しない部署をあてがわれた。
会社って基本的に個人のことなんて考えてないんだって。
だから、この程度のことはへいちゃらさ。
嘘ついたとすら思ってない。
でもね、これで辞めちゃうっていうのが、問題なんだよ。
会社ってものがわかってないからだ。
日本の会社の命ってなんだか知ってる?
それはね、ローテーションなんだ、配置転換ともいう。
![](https://assets.st-note.com/img/1713539385937-DZPtnK4zcX.png)
配置転換っていうのは、色んな仕事をさせる、ってことなんだよ。
いろんな部署、いろんな地域で、働かせるっていうことも配置転換のひとつだ。
だからさ、そもそもキミが「オレはこの仕事がやりたい」「あたいはこの部署で働きたいから御社を選んだのよ」なんて、希望を出すこと自体が間違っているんだって。
じゃあ何で「キミたちの望みをかなえますよ」なんて嘘を言うのか。
それは「口約束」に過ぎないだろ?
書面で契約書を交わした?
交わしてないだろ?
それは会社が悪いというより、日本の社会が悪いんだって。
だいたいが口約束の社会であり、仕事やビジネスに関することだって、会社同士の重要事以外は、いちいち書面で取り決めたりしないって。
だから、会社のいうことは、そもそもウソなんだって。
口約束であり、書面での契約をしたわけじゃないから、破棄したって法的な責任を問われない。
そういう保険さえついてるんだ。
若者は人間と見られない
また後でこれは話すけれど、年功序列は終わったとかいう識者がいるけれど、嘘だからね。
日本の社会に、相変わらず根を張っている根本文化は、長幼の序ってやつなんだ、つまり年長者を敬うっていう暗黙のルールなんだって。
![](https://assets.st-note.com/img/1713538468233-MrUPocePZ4.png)
いまさ、企業は人が採れないから、キミにも面接ではお客さん扱いさ、キミが入ったらコレやりたい、アレやりたいと言っても「いーですねぇ!」ってなる。
リップサービスなんだってば。
会社は年長者がえらいんだから、キミなんてゴミなんだって。
だけど、そんな本音を出せば、キミはきてくれないから、ひたすら低姿勢でへつらう。
でも入ってしまえば、キミは一番若いつまり、一番軽んじられる。
態度がガラッと変わるのは、当たり前なんだ、キミはもう一番年下の年功序列ピラミッドの底辺なんだもの、人間扱いされないんだって。
会社イコール日本の悪しき文化
だからさ、僕は、キミたちがやれ所属が叶えられなかったからやめる、社長に怒鳴られたからやめる、残業なしの約束が守られなかったからやめる、って言って4月中にどんどん辞めちゃうっていうのは、おかしくて仕方がないんだ。
だって、この会社とは何かの1を理解してりゃ、そんなことで文句を言うわけないだろ。
会社はウソをつく、っていうのは、いいとか悪いじゃなくて、言ってみれば日本の文化なんだって。
かっこいい言葉で言えば、日本の組織文化なんだって。
悪い言葉で言えば、旧態依然の悪しき慣習なんだって。
どこ行ったってそうなんだって。
だから、会社にウソをつかれたくらいで、約束破られたくらいで、怒鳴られたくらいで、やめるって自体が、こっけいなんだって。
「大学生なのに、会社ってものすらわかってないのかよ」のそしりを免れない、のよ。
でもねえ、これはキミが悪いんじゃなくて、大学が、高校が悪い。
特に大学は「就職のための企業論」「会社で働くとはどういうことか」を必修科目にすべきなんだって。
大学でやってる「キャリアなんたら」とかいう就職講座ってさ、どうやって希望の職種をゲットするかの、皮相なノウハウにすぎないんだって。
もっと「会社で働くとはどういうことか」っていう本質に迫らなきゃ、真に実践的なアドバイスにならないって。
さて、この企画、続くよ。
大学生は必見だって(越中詩郎の口ぶりで)
![](https://assets.st-note.com/img/1713538320927-CeLa7sNazi.png)
野呂 一郎
清和大学教授