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サプライサイド経済学を使った、新日本プロレスの女子プロレス戦略。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:新日本プロレスの女子プロ団体買収は、サプライサイド経済学に他ならないこと。新日本プロレス+スターダムが生み出す巨大な可能性。トップ画はhttps://www.youtube.com/watch?v=WW6c3iW3oio
結局経済はサプライ・ファーストだ。
先日から、The Wall Street Journalのレギュラー執筆者アンディ・ケセラーさんの「サプライサイド経済学こそ、経済学の王道である」、という説を紹介していますが、彼の説をプロレスに例えて説明してみましょう。
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例の記事を参考に、アンディさんに語らせてみましょう。あくまで僕の想像です。
結局、経済はサプライ、供給なんだよ。
バイデンはこのままだと負けるな。経済政策がめちゃくちゃだからだ。
インフラストラクチャー法案とか、メディケイドとか、政府がお金を使えば景気が上向くとマジで思ってるんだ。
生産性を考えない、その手の需要ファーストがうまく行ったためしがない。
生産性とは何か。
それは、より少ない労力でより多くの結果を出すこと、だ。
アメリカの役所も、日本の役所も、いろんな産業のロビー団体(陳情団)に要求されたカネをばらまいてるだけで、そこにはどうやって少ない予算で、大きな効果を上げるかなどの戦略や合理性などない。
つまり生産性を考えずに金をばらまいてるだけだ。
まずは、供給が先、つまりものを創ることが先なんだよ。
でも、誰も買わないものを出しちゃダメってことだよ。
女子プロレスはサプライサイド経済学だ
おや、アンディさんが日本のプロレスについて物申したいと言っているようです。聞いてみましょう。
聞いたよ、ジャパンのWWEこと新日本プロレスが、女子プロレス団体のスターダムを買ったんだって?
これは、サプライサイド経済学にほかならない。
要するに、新製品を世の中に、プロレスファンにズラッと提示したわけだ。
需要?
そんなの考えなかったもしれないな、オーナーのミスター・キダニは。まずは商品を揃えちゃえ、ということだったかもしれない。
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でも結果的になぜこれが大当たりしたのか。
それはサプライという魔力にある。
サプライとは供給、生産、という意味だが、サプライサイド経済学のポイントは、新製品、今までなかった商品を並べろということだ。
サプライサイド経済学でいうサプライは、これまでとおんなじような退屈な製品を供給しろということじゃないんだ。
市場に受け入れられる今までなかった魅力、価値、エキサイトメントを提供しろと言うんだ。
ミスター・キダニは、当初男子のすごいのを他団体からスカウトしたり、海の向こうから連れてこようとしたのかもしれない。
なにせ、コロナで海外とは鎖国せざるを得ず、2年前の新日本プロレスマットでは、毎日乱入だとか、急所打ちばかりで、退屈この上なかったからな。
見ていて汚いよ、正直。うんざりだった。
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かと言って、「コロナが一息ついたら、またオスプレイみたいな何でもできる、飛んで良し、はねて良し、サブミッションもできるレスラーを呼ぼう」とはならなかったのが、ミスター・キダニのサプライサイド経済学に長けた頭脳だったのだ。
答えは女子プロレスだった。
それもスターダム。
象徴はマユ・イワタニ(岩谷麻優)だ。
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強くてきれいでかっこいい。
イワタニだけじゃない、曲者のイタリアン・ジュリア、宇宙一かわいいタム・ナカノ(中野たむ)、暗闇の可愛い虎スターライト・キッドなど多士済々だ。
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スターダムはイノベーションの教科書
男子プロレスのみだった新日本プロレスに、日本のプロレスファンにとって、これはイノベーションといってもいい。
サプライサイド経済的に言うと、女子プロレスは、サプライサイド経済学の核である、新製品の王者だ。
見た目の華やかさは、男子にはまったくないものだ。
その動き、パフォーマンス、そして選手同士の因縁、怨念渦巻くオフザリングもファンを引き付けてやまない。
一言でいえば、女子プロレスのサプライとは、「女子プロレスワールドという、見たことも聞いたこともない感情の渦に巻き込まれる」経験だ。
まとめると、サプライサイド経済学=イノベーション=女子プロレス、となる。どうだい、日本のプロレスファンの諸君、私の分析であってるかな?
さて、長くなりました。
明日は、「新しいプロレス経済学の正体=経済学+経営学の融合」というテーマで考えてみましょう。
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今日も暑かったですね。
女子プロレスラーみたいにがんばらないように、ね。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー