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プロレス&マーケティング第45戦 長州力vsブラックフライデー。

この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:外来種シーズン・キャンペーンをどう考えるか。ブラックフライデーのネーミングに異議あり。長州力に学ぶ、ビジネスにおける新リングネームづけの極意。トップ画はhttps://qr1.jp/9J5nMp

ブラックフライデーがなぜ浸透しないのか

ノジマ店舗では、2023年11月11日(土)~26日(日)までの期間、ブラックフライデーセールを実施しております。

ネット広告より

ブラックフライデーは、アメリカで、11月4週目の木曜日に行われる感謝祭の翌日に行われるバーゲンセールのことです。

小売店はこの日が忙しさのピークだと言われています。

もう10年もたつでしょうか、日本もこのブラックフライデーにあやかろうと、同じネーミングで11月のこの頃を「ブラックフライデー特売り期間」として、マーケティングをかけています。

しかし、ブラックフライデーは、まったく浸透していませんね。

その理由の一つは、間違いなくネーミングにあります。

アメリカでは、この11月の第4木曜日の翌日の金曜を、1年で最もスペシャルな特売日と定めることで、この日は物が売れて黒字になることから、ブラック、と名付けたと言われています。

英語のブラックは黒字という縁起のよい意味がありますが、日本はブラックと言えばネガティブなイメージの代表選手と言っていいでしょう。

ブラック企業、がそのことを雄弁に物語っています。

このままだと、ブラックフライデーは、エイプリルフールと同じく、ジョークの分からない日本人に、「鬼っ子」扱いされる存在で終わってしまうことを危惧するのです。

ネーミングの3要素とは

ネーミングが大事なことは、今さら言うまでもありません。

スカイツリー、というネーミングは音声分析の専門家が、さまざまな音を試して、最も人々の耳に心地よい言葉にしました。

名前は、物語にもなっている必要があります。

それにより、ストーリー効果が発生して、伝承につながるからです。

ネーミングは戦略的である必要もあります。

戦略的とは、そのネーミングがその製品を最高に輝かせ、なるべく多くの付加価値と相乗効果を生むことです。

この線で、ブラックフライデーの新しいネーミングを考えてみましょう。

ライスウィークはどうだろ

ブラックフライデーをやめて、じゃあどういうネーミングにしましょうか。

僕の案は「ライスウィーク」です(笑)。

音的には、発音して違和感なく、リズムがあることです。

まあ、いいでしょう。合格。

ストーリーはどうでしょうか。

そもそもブラックフライデーは、感謝祭の翌日で、感謝祭という国民的儀式にちなんだ日です。

感謝祭とは、アメリカ国民が日々の収穫に感謝しながら、家族や友人とあつまり、伝統料理の七面鳥の焼いたのなどを食べる、年に一度のいわば家族のリユニオン(reunion再会)の機会です。

それを踏まえる必要があります。

日本は「収穫祭」という概念が希薄ですから、それを踏襲しましょう。

日本の収穫といえば、お米です。

お米は神への献上物であり、神そのものという解釈もあります。

日本人の主食であり、食料自給の中心です。

そのお米がどんどん食べられなくなり、作地も減らされ、米価も下げられたままです。

今こそお米を大事にし、その恵みに感謝しましょう。

お米がもっと食べられるようになれば、より豊饒な生産が可能になれば、おかずも生産がアップし、関連産業も潤い、経済効果は大きくなります。

お米の収穫を応援することは、国にとっても自治体にとっても、企業にとっても三方良しで、戦略的なのです。

これで音も、ストーリーも、戦略もクリアしました。

ちょっとベタですが、ライスウイークで手を打ちましょう・・って、あんまりモノを買いたくない気もするなあ・・・

長州力にするか

皆さんは、ここまでの一方的な僕のブラックフライデー改名案を読んで、
「それなら、ブラックフライデーのままがいい」と怒りに震えたかもしれませんね。

じゃあ、「長州力」で行きましょうか?

https://qr1.jp/BOcAUp

どういう意味か、と言うと、長州力って、本名じゃなくてリングネームなんですよ。

本名は吉田 光雄(よしだ・みつお)でしたが、テレビでリングネームを公募し、長州力となったのです。

しかし、この新リングネームが不評で、ブーイングの嵐でした。

せいぜい「ミツ吉田」くらいにしておけばいいのに、というのが当時のプロレス世論だったのです。

しかし、そうこうするうちに長州力という新リングネームが浸透してきました。

長州力の実力が上がってきたからです。

この事件の教訓は、「悪いネーミングでも、時間がたてば、いい名前に聞こえる時が来る」です。

ブラックフライデー、も、この伝でほっときましょうか?(笑)

野呂 一郎
清和大学教授






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